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ロマンの木曜日
 
東京の環状一号線をたずねる

環状二号線はつくりかけだった

つづいて環状二号線を調べてみたところ、これはおおよそ「外堀通り」という道と重なるようだった。


環状2号線。有明から秋葉原まで。

ただし有明から虎ノ門まではまだ道がつながっていないようだ。そういう未整備の区間を辿ってみた。


二号線の出発点はビッグサイトだ。
しばらくは新しいかっこいい道を進むが・・(市場前駅付近)

勝どきのあたりでは海に道をはばまれる。左側が海。
左の写真はこの中央あたり。

左下の写真は昭和の雰囲気をのこす八百屋さんで、小さな女の子が野菜を買いに来ていた。環状二号線はこの八百屋さんの脇あたりを通って築地に伸びるはずだが、いまのところそんな気配はない。

東京都の建設局の方に訊いたところ、勝どきから築地までは橋をかける予定であるものの、具体的な時期は未定とのことだった。

 

そして新橋はまさに工事中

環状二号線の新橋から虎ノ門までの区間はいままさに工事中だった。広い道を通すために地区のあちこちの建物は歯が抜けたようになっている。このあたりの事情は当サイトライター大山さんによる「壁とマッカーサー」というたいへん素敵な記事があるのでぜひご覧ください。


新橋4丁目付近はあちこち更地になっている。


上の写真はこの中央あたり。まだ道はない。
問題の虎ノ門病院

すぐ右上の写真の虎ノ門病院は、手前側の低い階層の部分が環状二号線の予定区画と重なっている(「壁とマッカーサー」5ページめより)。この部分は具体的にはどうなってしまうのだろう。

東京都建設局に伺ってみたところ、やはり取り壊すらしい。なんというか、いい意味で衝撃を受けた。一介の市民であるぼくにとって、今の街の姿は今のままであることが当たり前で、それを壊して作り変えようという発想はない。が、街をつくるということは大胆に壊すことでもある。

「新橋に道を通すから建物を買い上げる」。友達との会話にはぜったい出てこないこのスケール感にしびれてしまった。

最後に環状三号線

環状線はさらに三号から八号まであるのだけど、最後にもう一つだけ三号線について調べてみた(地図は最後にまとめて載せます)。これは勝どきから辰巳までをぐるっと回る路線で、やはり一部勝どきと根津のあたりでまだ道路が通っていない部分がある。が、次の地図をご覧あれ。


地図の中央の道が計画線と重なっている


上の赤い線は計画された三号線。地図のまんなかの部分だけ、既存の道路と重なっていることが分かる。これはつまり、ここだけが先行して三号線として浮島のように整備されているということなのだ。その場所は・・。

播磨坂の桜並木でした


丸の内線の茗荷谷駅からほど近い播磨坂。春には並木の桜がいっせいに咲いて大変きれいで、ぼくもここでお花見をしたことがある。たしかにここを通るたび、短いわりにやたら広くてきれいな道だなあと思っていた。そういう理由だったとは。

道の真ん中には歩行者用の道もある。ところでクイズです。この銅像の名前はなんでしょう?→
答えは地下水でした。なぜだ。

他にも、早稲田通りを早稲田大学のそばから目白通りに下る道も短いわりにやたら広くてきれいだったりするが、これも実は環状四号線の一部なのだった。今後はそういう道を見つけたら、さては計画道路の一部かとピンとくるようになるかもしれない。

東京の環状線、内側から一号、二号、三号。

道づくり百年の計

環状三号線以降は、だいたい次の大きな道と重なるようだ。

・三号線 → 外苑東通り
・四号線 → 外苑西通り
・五号線 → 明治通り
・六号線 → 山手通り

これらの環状道路を作る計画は今から80年前にさかのぼるらしい。それでも三号線は根津から上野まで通す予定などの道ができていないし、四号線は靖国通りから女子医大まで、五号線は雑司が谷を通す道などが未整備となっている。

道づくりはそれにかかる年数から費用まで、スケールの大きさに圧倒されます。


 
 
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