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ちしきの金曜日
 
桃にパンツを履かせる
 


 以前、このサイトで藤原さんが書いた「ひじおしり探求」という記事があった。ひじを曲げたときにできるおしりのような形をした部分にパンツを履かせるという記事だった。

 記事を読みながら。おもしろいと思いつつ、「藤原くんに負けたくない」という気持ちも湧いてきた。

 実年齢は三十代半ばに差しかかった私。思春期は遠い昔に終わっているはずだが、心の中で春を思う灯は消えたわけではない。おっさんの本気を藤原に見せてやりたい。

 ひじ以外の、尻のようで尻でないもの。そうだ、桃があるじゃないか。そういうわけで、桃にパンツを履かせてみた。

小野法師丸



●桃選びの新基準

  桃が尻に似ているなんて、改めて言うべきことでもない。人類は桃を最初に見たときから、「ああ、尻に似ているな」と思ったに違いない。

 そしてそのことは、当たり前過ぎるがゆえに、誰の口からも語られなくなったのだと思う。今さら「桃ってお尻に似てるよね」と言ったところで、訪れるのは興ざめた空気だけだ。

 わかってる。それはわかってる。しかし、その誰もがわかっていて誰もが忘れている原点に、立ち返ってみたいのだ。


どれもかわいらしい桃たち
つい真剣なまなざしになる

 やってきたのは近所の店。果物売場にはコロコロと並んでいる。普段ならおいしそうな桃や食べごろの桃を選ぶわけだが、今日は違う。

 今回の選ぶ基準は、「尻っぽさ」だ。ひとつひとつ、丁寧にやさしく手に取って確かめる。

 もちろんどれも標準的に尻っぽい桃たちなのだが、いざ吟味するとなると選択眼も厳しくなる。疲れ気味だったり赤過ぎたりするものは避けたいところだ。


より尻っぽい桃を求めて
厳選に厳選を重ねて選び抜いた桃

最初に訪れた店では納得できる桃を見つけることができず、二軒目へ。ここは妥協することなく、より尻っぽさの高い桃をしっかりと選びたい。

 慎重に見比べた末に選んだのは、上の写真の桃だ。黄色と赤のバランスがとても美しい。

 ただ、尻っぽく見えるかというと微妙だろう。上の写真ではあくまで普通の桃のようにしか見えないかもしれないが、その実態は緩衝材を外すことで見えてくる。


売り場の中でも傑出した尻っぽさの桃

これはもう桃じゃない。尻だ。

 うっかりするとそんな風にも思ってしまいそうな桃。桃という果物は尻に似ていると頭の中ではわかっていたつもりだが、ここまで尻っぽかったとは。見積もりが甘かったイメージを超え、尻としての桃が迫ってくる

 さらにいろいろな角度から見ると、その表情は微妙な変化を見せる。


そのあざ、どこかにぶつけたのかい?
あれ、お風呂あがりかい?

向かって左のほっぺの下の方に、小さなあざのような見えるものがあるのも妙にリアルだ。ついどこかにぶつけたのだろうか。お尻にはよくありがちなことだろう。

 そしてまた向きを変えると、急に赤みを帯びたようになる。お風呂あがりのようにも見える。


向き合ってるとおかしな気持ちになってくる

ほらほら、そんな丸出しじゃ恥ずかしいじゃないか。むき出しのまんまじゃ風邪引くぞ。早くパンツをはかせてあげなきゃ。じっと見つめていると、そんな気持ちになってくる。

 いよいよパンツを履かせるので、一応周囲の状況などを考慮して次のページに進んでいただければと思う。


 

 
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