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ひらめきの月曜日
 
中津江村の鯛生金山で砂金を採る
砂金…か、これ。

普段、海や川で魚介類やら甲殻類やらを追いかけ回しているのだが、実はもう一つ、一度とってみたかったものがあるのだ。それは砂金。野生のゴールドである。

とはいっても、当サイトウェブマスターの林さんによる“東京で砂金を採る”を読む限りでは、砂金採りとはなかなかに大変なお遊びで、素人がちょっといったくらいではひとかけらだって採れるような気がしない。そして実際そうなのだろう。なんていったって金だ。

しかし、東京では難しくても、カメルーンに行けば素人でもかなりの確立で砂金の採れる場所があるというので、ちょっといってきた。

(text by 玉置 豊



やってきましたカメルーン


カメルーン 中津江村。

記事のタイトルでお気づきだったかも知れないが、スタートからウソで大変恐縮である。本当はカメルーンではなくて、2002年の日韓ワールドカップでカメルーン代表のキャンプ地となったことで有名な大分県中津江村の“鯛生(たいお)金山”という道の駅にやってきた。

もっと本当のことをいうと、もともと砂金を採りにここへきたわけではなくて、熊本の温泉宿に泊まった翌日、九州の山の中を適当にドライブしていて、たまたまトイレ休憩のため道の駅に立ち寄ったら、ここで砂金が採れるという事を知ったのだ。さすがカメルーン。


ワールドカップはもう5年も前の話なのだが、いまだに中津江村はカメルーン一色。一途だ。

 

鯛生金山でゴールドハンティング


植物園っぽいけれど砂金が採れるよ。
はい、ごあんなーい。

と、ここまでカメルーンを引っ張ってきたが、カメルーンと砂金採りとは一切関係ない。

ここ鯛生金山は、一時期には東洋一を誇ったという金山(昭和47年閉山)のテーマパークで、坑内見学などのアトラクションとあわせて、ゴールドハンティング(砂金採り)が体験できる施設があるのだ。

こういう体験型施設だったら砂金が採れて当たり前(だと信じたい)、こんなの面白くないじゃんと思う人もいるかもしれないが、これをアサリが撒かれている潮干狩り場とか、ニジマスが放たれている釣堀と比べてもらえば、それほど違和感はないはずだ。こちらは砂金採りに関してはズブの素人、これからの人生で長く付き合っていくであろう砂金採りのスタートとしてはこれで十分なのだ。

入り口で入場料を払うと、チケット、番号札と一緒に、植木鉢の下に敷く受け皿のような黒い皿が渡され、空いている場所に案内された。場内は腰くらいの高さのプールがいくつかあり、その水底には砂が沈んでいて、お客さんはみんな真剣にザブザブと砂金を探している。

ちなみに砂金採りの料金は30分600円なのだが、金の時価は1グラム2700円前後。一人0.2グラムもとれちゃうと赤字経営。うーん、この値段設定で砂金が本当に採れるのかはちょっと期待薄な気がしてきた。

 

砂金の採り方を習う

このアトラクションでは、砂金採り体験が初めての人に対して、最初に指導員さんが採り方を教えてくれる。

まず皿のメモリみたいな刻みがあるほうを手前に向けて、なるべくそこの方からタップリと砂をすくい上げる。金は比重が重いので、下の方に沈んでいるのだ。

次に砂の入った皿を水平に構え、揺すったり回したりして金を皿の底に沈める。


金は重いので下に溜まっていくため、なるべく底の方から砂を集めるのがコツだそうだ。 揺すって廻して金を沈めていく。

ある程度砂が減ってきたら、皿のメモリが下にくるように手前側に傾けて、廻しながら少しづつ砂を流していくと、砂金があれば底やメモリの所に残るのだ。

指導員さんはやり方を教えながら、砂の中から一発で砂金を見つけてしまった。なるほど、やり方自体は簡単みたいだ。


「はい、ありましたよ!」と簡単に砂金を発見する指導員さん。 おお、砂金だ。生まれて初めて見た。

指導員さんが砂金を簡単にみつけた姿を見て、一緒に教えてもらっていた人達全員の闘志に火がついた。目の前で砂金が採れたんだ。これが燃えずにいられるかってんだ。


なんていったって金ですよ。そりゃ真剣になりますよ。

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