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はっけんの水曜日
 
ネズミを捕まえろ

収獲ゼロ。

ぜんぜん捕まらなかった

餌を変えたりしながら3日間置いておいたが何の反応もなかった。餌はほとんどアリに持っていかれていた。あんなに自信満々に見えた捕鼠器もいまでは肩を落として見える。

 

見た目で捕獲器ってわかるからか。

悪いのは見た目ではないか

ネズミが捕まらないのはこの捕鼠器に問題があるのではないか。だって見るからに捕獲マシーンだろう。針金むき出しの本体にも高速で閉まるギロチン扉にもやさしさがない。こんなの僕がネズミでも近づきたくもないもの。

見るからに檻だ。
捕鼠器って明記されているし。

 

床を芝にするだけでずいぶんポップに。

改造してみよう

そこでネズミたちに気持ちよく捕まってもらうため、捕鼠器を改造することにした。

まずは床フロアに人工芝をひいてみる。するとどうだろう、一気にオアシスっぽくなる。疲れたら休んでいきなよ、という心遣いをネズミにも感じてもらいたい。

さらに電化する。

次に電飾を付けてウェルカムな雰囲気を表現した。これはワイヤーとスイッチの組み合わせでギロチン扉が閉まると同時に点灯するように仕掛けてある。

そして扉と外観を木目調のパネルで囲む。これで針金むき出しの監獄が一気に家庭の温かみに包まれた。

これを壁で囲んで扉に表札をつけて。
上から見るとこんな感じ。電飾が光っている。
さらに屋根を付ければ完成。
どこから見てもネズミ捕りには見えないだろう。

われながらなかなかの完成度だと思う。これならば一度入ってみようかという気にもなるだろう。

改良版捕鼠器には「数子」という名前を付けた。玄関となるギロチン扉には「ようこそ!」と表記されていて、来るものを拒まない。ところで機能面に問題はないだろうか。

ためしに内部に仕掛けた餌を棒で触ってみる。

「ばちーん」という音と共にギロチン扉が高速で閉まり、扉と連動したバネが壁と屋根を真上に吹き飛ばす。平和な我が家が一点地獄と化した瞬間だ。閉じ込められたネズミはここでこれがトラップだということに初めて気付くだろう。しかしもう遅い。

その後怒りと悲しみに暮れたネズミを慰めるかのように電池ボックスのスイッチがオンとなり、数子はちかちかと光りだす。本当は音楽も流れたらいいところだ。これならばネズミも次の朝、写真を撮られるまでゆっくり過ごすことができるのではないか。


ためしに餌を触ってみると。
バチーン、ビヨーン。あんた地獄に落ちるわよ。

なかなか捕れず

捕鼠器「数子」は今日も一人で建物の裏に建ちネズミの来訪を待っているのだが、現時点ではまだ空き家の状態だ。冬が来る前に一匹くらい遊びに来てくれるといいと思う。来年の年賀状にはネズミの生写真を載せられるよう毎日餌を取り替えますので、期待していてください。

電飾付けて待っています。

 
 
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