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フェティッシュの火曜日
 
デイリーの原稿、紙で出すとしたら


ライターとして仕事をする場合、取材は別として、大半の時間はパソコンに向かっている。写真の加工、ライティング、調べ物など、パソコンがないと成り立たない作業ばかりだ。締め切り前はパソコンの前から微動だにしないこともある。

いっぽう、その他の時間は手を動かして何かを作っている時間が多い。料理しかり、DIYしかり。今の世の中、いかにデジタルな動力が発達しているとはいえ、リアルな手触りなしでは成り立たない。

なら、ためしにここデイリーポータルZの原稿を手書きで入稿するとしたらどうなるのだろうか。パソコン持ってないライターの一日を追う。

乙幡 啓子

準備:家にないものばかり

ここでまず、ふだんの原稿書きに必要なものを書き出してみよう。

 ・メモ帳
 ・デジタルカメラ
 ・パソコン
 ・入稿用エディター(Webサイト作成ソフトや、Wordなどのソフト)
 ・頭

このうち取材用のメモ帳は今も手書きである。頭は自前の脳細胞があるのでこれでまあいいだろう。あとのツールをどうアナログで揃えるか。そうなると私にとっては懐かしいアレを調達しなければならない。


フィルム付きカメラ。私用で買ったのはもういつの日のことだろう。

デジカメを封印し、取材に向かう。おりしも文化祭シーズンなので、原稿用に軽く文化祭訪問でもしてみよう。

目指す学校の校門をくぐり、ひとしきり撮影する・・・のだが、すいませんフィルム付きカメラメーカーの方や愛用者の方はお気を悪くしないでいただきたいが、これ構えて撮影するという行為がなんだか落ち着かず、恥ずかしいのだ。


・・・。ひとつにはこの大きさがある。分厚くてでかいんですもの。

他、デジカメと違い撮影後の確認ができないなど、わかりきった違いはある。しかし一枚一枚を大切に撮ろうと思うことは確かだ。

とにかく取材を終え、そのあとは当然、現像・プリントである。


デジカメ持ってなかったときって、こんなにお金かかってたのか。

カメラ本体の代金と現像・プリント代で3000円近くかかった。デジカメ持ってないころは毎回こうやってお金をかけていたのだ。大切に撮ってお金をかける。ある意味、なんて贅沢な時代だったんだ。

 

写真選定:このほうがいいかもしれない

次は写真の確認、そしてページごとに使う写真の選定である。


もちろんエディターは、原稿用紙である。そして鉛筆とぺン。

私の場合、デジカメで撮った画像は当然パソコン上で一枚一枚見て確認。どの写真を使うかざっと選定する。プリントした写真の場合も、ここは同じ工程を経る。

買ったフィルム付きカメラを使い慣れておらず、また撮影後の確認もできないため、半分はがっかりな写真となった。


右上に薬指がだいたい写っている。
フラッシュ焚き忘れてまっくら。

ページごとにざっと分けた。

写真全てを見渡せる、つまり一覧性の面ではデジタルよりアナログのほうが使いやすい。「手で」振り分ける作業は楽しい。混乱が少なく、脳にしっくりなじむ気がする。

次はトリミングとライティングだ。もちろん「手で」だ。チョキチョキ、カリカリ、である。


 

 
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