デイリーポータルZロゴ
このサイトについて


フェティッシュの火曜日
 
傘があれば忍者になれる

 

忍術4・忍者刀で戦う
忍術5・相手の攻撃を防ぐ

隠密行動が基本の忍者とはいえ、いざというときは腹をくくって戦わなければいけない。現代版忍者道具の傘であれば、攻撃と防御、そのどちらにも長けた最強の武器たりえるのだ!


 石川

大北がさっき出てきた子供たちとじゃれあっているうちに、いつの間にかチャンバラに突入していた。


傘の剣と傘の盾のチャンバラ

 石川

接近戦こそ傘の本領発揮だ。たためば棒状になって武器として使えるし、開けば大きな盾になる。
子供は手加減なしだ。全身を使って大振りな一撃をつぎつぎ繰り出してくる。即興でまぜてくる勝手な必殺技も、技の詳細はよくわからないが本気の空気だけはビシビシ伝わってくる。まだまだ忍術というには荒削りだが、やっぱり傘は武器になることがわかる。
一方で守り、大北の傘。3人がかりの本気の攻撃にも、ボロボロになりながらもしっかり持ちこたえている。予想以上の検討ぶりだ。忍術というよりは忍耐かもしれないが。


 大北

くりくり坊主たちが壊れた傘に異常な興味を示していたのでチャンバラをすることに。こういうの好きだったなあ、と感慨にふける間もなく鋭い攻撃が。子どもといえど、本気で先の尖った物を振り回されると相当怖い。

手加減なしのくりくり頭三人。休む間もなく慌てふためいていると、突然「お兄さん、かっこいい…。」と一人の子どもが言う。かっこいいと褒められたのは何年ぶりだろうか、と浸っていると再び鋭利な傘攻撃が待っていた。落差がひどい。

真剣に防御しているとまた「お兄さん、仮面ライダー兜に似てる…。」とちょいちょい褒め言葉が挟まってくる。この飴とムチは何なんだろうか。俺は今、手なずけられているのだろうか。となんだか腑に落ちなかった。


くりくりの子ども忍者と傘のテキ屋

 大北

その後もさんざん甘やかしていると子どもたちの調子はうなぎ上り。ひとしきり「そんなの関係ねえ!」というギャグを披露してくれた後、おれの名前は何でしょうか!?という突然の難問クイズ。適当に答えると、「ブー!答えはケントくん!欧米か!」とこの短い間に流行語を2つも入れてきた。絶好調であった。

好調子の彼らに別れを告げると、名残惜しんでくれたのか、猛烈なパンチの雨が飛んできて腹にささる。帽子を取られる。メガネを飛ばされる。別れはいつだってつらいものなのだ。

 

 

忍術6・足跡を残さずに移動する

うまく敵から隠れても、足跡をたどられてしまったら一巻の終わりだ。あとを残さずに歩くのも忍者の重要な技術なのだ!


 石川

柄の曲がった部分に足をかけ、竹馬のように傘を使って歩く。地面には足跡がつかないはずだ。


普通に歩くと足跡がつく砂場
写真左の足に注目。こうやって歩けば足が地面につかない。

傘の上に足を乗せることで傘忍者は足跡を残さない

 石川

なんと、片足を乗せたとたんに傘が曲がってしまった。片足に全体重がかかってしまったからだろうか。もう少しすばやく動くことができれば、傘が曲がる前に次の一歩を踏み出すことができたのでは。自分の未熟さを痛感する結果におわった。

 


 

 大北

何ひとつできず傘だけがぬしっと曲がる。これはさすがに認められない結果であり、どうしようもない空気に包まれた。が、この失敗を糧に今後も忍者として精進していってほしい。頼んだぞ。

 

 

 

 

忍術7・遠くの仲間と会話する

情報戦を制するのが忍者。遠く離れた仲間に静かに情報を伝える技術も必要なのだ!


 石川

声を出さずに伝えるといえば、ジェスチャーだ。
傘のような道具を使うことで遠くからでも目立つし、手足だけのジェスチャーよりずっと表現力が広がる。


Q.何を伝えているのでしょう?

 大北

意外なほど陽気なものが出てきた。結果は失敗に終わったわけだが、答えが合う合わない以前に「何だか分からないが楽しそうである」という時点ですでに勝ちだと思った。さすがである。

 

 

 

忍術8・高いところから飛び降りる

逃げるためやすばやく移動するために、高いところから飛び降りるのは忍者の基本的な技術なのだ!


 石川

強靭な足腰も受身の技術もないけれど、僕には傘がある。傘を広げてパラシュート代わりにして、フワリと着地するのだ。
子供たちが集まる公園へやってきた。このそびえ立つ遊具の上から華麗に舞い降りるのだ。

まずは高さの確認のために、大北くんに登ってもらおう。


下の子どもが高みを訴えかける

 大北

子どもが必死に何かを訴えてきた。が、分からない。多分彼は一生懸命に高い所から飛び降りる危険を訴えていたと思うのだが、申し訳ないことに当の俺は、彼の声が高いものだから何だかかわいらしいと思っていたのだった。


思わず足がプルプルする忍者

 石川

次は僕が登る。忍者の飛び降りを見せてやろう。

…こっ、こわい。高さは2mちょっと。登る前は余裕に思えた高さだが、下から見るのと上から見るのとは大違い。さすがの忍者も腰がひける。
近くでこどもを遊ばせていたお母さんから「危ないからやめたほうがいいですよ」と声がかかる。寡黙にただ一言、「大丈夫ですよ」と返す。俺、かっこいい。

さあ、いよいよだ。


傘を使って忍者は飛ぶのだ

 石川

話が違うじゃないか!まったく弱まることのない衝撃を受け止められず、みっともない感じにしりもちをついてしまった。変な声が出た。傘も中途半端に裏返った。極めつけはそばにいた子供の一言、「やっぱりダメかなーって思ったー」。精神的な鍛錬を重ねた忍者でなければ、心ない発言に泣き出していたかもしれない。

 大北

正直、傘はない方がバランスをとりやすい。しかしメリー・ポピンズみたいで夢があっていいじゃないか。夢を追い求めるのも大切なことだ。



 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲トップに戻る バックナンバーいちらんへ
個人情報保護ポリシー
© DailyPortalZ Inc. All Rights Reserved.