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土曜ワイド工場
 
そこらへんの枝は箸の代わりになるか
箸って木の棒だ。


この間コンビニで弁当を買ったとき、付いてた箸が割れてなかった。ただ溝が入ってるだけの単なる木の棒。仙人じゃないんだからそれでどうやって食べろと言うのか。

でもそういえば箸ってただの木の棒だ。木の棒が二つあるだけだ。木の棒になりそうな枝ならそこらにたくさん落ちてる。それらは箸になりえないのだろうか。もしなるのなら、山とかでうっかり箸を忘れたときとかすごく助かる。

そのへんの枝は箸の代わりになるのだろうか。 (text by 小柳健次郎

編集部注: 木の枝には毒性があるものもありますので、実際にやられる際には事前に調べるか詳しい人に確認してください。または枝ではなく自宅の箸をお使いください。



公園には箸みたいなのがたくさん落ちてる

箸になりそうな枝を捜しに近くの公園に来た。もう初冬といってもいいこの時期、地面には落ち葉に混ざって箸みたいな枝がわんさか落ちてる。


ただの枝でもいまは箸の原石だ。
細部に目をつぶればだいた同じじゃないか。

箸の候補生たち。

箸になりそうな枝を、大・中・小などのパターンを考えて拾いあつめた。

枝自体は簡単に見つかるが、なかなか長さやサイズがペアで合うものがなくて苦労した。なので全く長さの合ってないものや、二つ一組にすると一つ余る物があることには目をつぶってください。

さっそくこの枝たちをきれいにして箸としてテスト・・・といきたかったが、いきなり問題に直面することに。


まず枝をきれいにしないと。でも、
拭いても拭いてもきれいにならない。

枝は汚れてる。すごい汚れてる。

それぐらい知っていました。そのために殺菌できるウェットティッシュを用意していたんですが、これがまた何度拭いても汚れが落ちない。絶対にこんなので食べたくない。


「これで食べるのか」

そして一本の枝をきれいにするのに6枚ぐらいティッシュを使ってからすべての枝を拭くことは無理だと気づき、拾った枝の中から許容範囲まできれいに出来たものだけをセレクトしました。


こんだけ。

結局、この二組だけが残りました。

 

ミニサイズえび丼。

枝でえび丼は食べれるのか

箸として使えるかどうかテストとして食べるのはこちらのミニえび丼。

判定基準はさすがに全て食べるのは難しいので(冷えてるし)、えび一つを持ち上げることが出来るかどうかを基準としてみようと思う。みごと持ち上がればその枝は箸として使えると認定だ。

まずは小さい方の枝から。


すごく持ちにくい。
えびを掴もうと必死で力を込めるも

折れました。

まずエビを掴もうとした時点でフニャッとなり、それでもなんとか挟み込もうと少し力を入れるとポッキリいった。今世紀最大の虚しさ。やはりこの細さだと強度が足りなかったか。

気を取り直して太い方の枝を試してみよう。


掴もうと力みすぎて思わず立ち上がる。
わずかだがなんとか持ち上がった。その隙に口へ!

枝が箸として使えた瞬間。ひどい顔!

さっきの小枝と同じく、エビを掴もうとするとフニャッとなった。しかし枝は折れることなく、UFOキャッチャーのクレーンみたいに弱々しくもエビを吊り上げる。慌てて口へ運び、パクッ、枝が箸として使えた瞬間だ。

そしてその瞬間の顔はひどいことになっていた。なにか憑いてる。


ほかの具も全部引っ付いてるけど大丈夫。
太さが箸とほぼ同じだったのが勝因か。

みごと枝はエビを持ち上げられたわけだが、しかし実用性を考えると箸の代わりとしては難しいと思う。

まず市販の箸と違い落ちてる枝は湿ってるから、エビを持ち上げようとすると重みに負けてバネみたいにびよーんと垂れる。それに持つ手の力がうまく伝わらず、少しでも手を緩めるとすぐに食べ物が落ちてしまう。

だから枝を箸として使おうとすると体にすごく力が入って、一口食べるのにもすごく疲れる。そしてなによりそのときの顔が怖すぎる。あんなのを見たらもう二度と使えません。

 

箸って木から切り出すものじゃなかったか

ここまでは落ちてた枝をそのまま箸として使ってみたが、そもそも箸は木から切り出すものだと思う。枝そのままってそりゃ無茶だ。

今度は枝を彫刻刀で彫って、箸のかわりになるかやってみよう。


長いとめんどくさいので短いの彫ります。
彫り後。どうですか、これかなり箸っぽくないですか。
エビも楽々。
米も楽々。

これはすごい。見た目も性能もかなり箸として使える。

まず長さも太さも適したものだったのもあるが、彫ることで枝の余計な部分がなくなって持ちやすくなり、食べ物をホールドする力が増した。

そしてなにより色合いが箸そのもの。彫ってるうちにまるでさなぎが蝶になるかのごとく、枝がみるみる箸っぽい色になっていくのは興奮した。

でも食べるときの顔を写す勇気は出ませんでした。


箸袋から出てきても不自然さはない。

これからはマイ彫刻刀

常に箸を携帯してなるべく割り箸を使わない、マイ箸が話題だ。この間トリンプからマイ箸ブラなんてのも出たぐらい。

でもこれからはマイ彫刻刀だと思う。箸より彫刻刀の方がかさばらないだろうし、なにより作り出す楽しさがある。

だからおそらく来年にはマイ彫刻刀ブラなんてのがでるかもしれない。そうなるともうそれがどんななのかまったく想像出来ません。

撮影中はずっとカラスに取り囲まれてました。

 
 
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