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フェティッシュの火曜日
 
自分と同じ名前の「乙幡榎」を見に行った

乙幡まつり

駅がないので、どこが市の中心部なのか、どこが繁華街なのかがいまいちつかめないのだが、どうも市役所方面が中心のようである。そこを主に踏査してみよう。


新青梅街道を外れて市内奥に入りこむと、狭い昔ながらの道路が続く。

「乙幡探し」と銘打った以上、いくつか見つけるまでは帰るまい、とまで覚悟していたのだが、すごくあっさり見つかった。実は多いのだ、「乙幡」。ここ武蔵村山では。


駐車場で無断駐車に罰金を申し渡す乙幡さんや、
贈り物にはお茶を、と勧める乙幡さんもあり、
米を売る乙幡さんもあれば、
銘酒吟雪を売る乙幡さんもあり。

 

「乙幡」の真実

ところで・・・実は前ページで書かなかったことがある。「乙幡榎」の読み方だ。意識して書くことをしなかった。

その理由は、下の写真を見ていただこう。


電気屋さんのようです。一見、「乙幡」とは関係ないようですが・・・。
「おっぱた」さんです。おっぱた。わかりますね?

そう、「乙幡」という苗字、この武蔵村山あたりでは「おっぱた」と発音するのである!

ということはあの榎も、「おつはたえのき」ではなく「おっぱたえのき」なのだろうか。たぶん後者とは思うが、そのあたりは説明書きでもネットでも判然としなかったので、市役所に行って聞いてみた。


こういうときは市役所。

私「あの、乙幡榎ってありますよね、乙女の「乙」に八幡の「幡」の・・・あれ、読みは“おつはた”ですか?それともやはり“おっぱた”でしょうか」
職員A「あの木?“おっぱた”だと思いますけど・・・ねえ、あの木あるじゃない(と職員Bに聞く)」
職員B「あれは・・・“おっぱた”ですよね」(と、職員Cに聞く)
職員C「“おっぱた”!あれ“おっぱた”ですよ!」

都合5回「おっぱた」と繰り返されたのだった。あの榎の名の読みは「おっぱたえのき」でいいようである。

上京した当時、私はこの近くの小平市に住みついた。住民届を出すとき、呼び出しで「おっぱたさまー。おっぱたさま」と呼ばれた。何がどうなったのか一瞬わからなくなった。

なぜ私は「おつはた」なのか、「おっぱた」一族とはどういうつながりがあるのか、「おつはた」から「おっぱた」に変化していったのか、そもそも本当の発祥はどこなのか、そういったことは一切わからない。わからないが、時間があればコツコツ調べてみたいことではある。

それくらい、私は「乙幡」という苗字を誇りに思うし、おっぱたさんたちもそれは同じだろう。

駅の存在しないため行く機会などほぼゼロだったであろう「武蔵村山」。「乙幡」に惹かれ行ってみた。そのせいか、または鉄道の希薄な土地特有のにおいでもあるのか、ちょっと故郷の群馬に似た街並みが多く、なかなか面白かった。

また自転車2時間で行くかと聞かれたら、さあどうだろう。

モノレールをわが街に!という動きは、あるらしい。

 
 
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