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はっけんの水曜日
 
したのや縁日とせたがやじん
道の両側にわたしショップが並ぶ。活気ありますね。


 10月に「避難訓練カフェの杉本さん」という記事を書いた。その時にチラッと知った「わたしショップ」が実際に使われるというので、再度下ノ谷(したのや)を訪れた。

 下ノ谷商店街。そこは、三軒茶屋のイメージを変える昭和な商店街。

 したのやえんにち。沢山の人が集まり、フリマや駄菓子屋、餅やパンを並べる。たくさんの子供達が集まり、餅をつき、歓声を上げ、みんなが笑顔だった。

 今回はそんな「したのやえんにち」の模様をレポートしたいと思います。デイリーポータルZっぽくないかもしんないけど許してくだされ。

(text by 松本 圭司

今日はおつかいカフェの店主になった杉本さん。

■杉本さん登場

 「おはようございまーす。」

 僕が気の抜けた声で挨拶をすると、杉本さんはニコニコしながらいらっしゃいと言った。

 元々商店街でこぢんまりやっていたイベントを大騒ぎにした張本人が杉本さん(と、愉快な仲間たち)。今日は手書きの「おつかいカフェ」というエプロンをしていた。

 杉本さんはなにやら忙しそうなので、勝手に見させていただきましょう。では、早速わたしショップから。

 

全部で10台作られた量産型手作りわたしショップ。

■これがわたしショップだ

 わたしショップは、折りたたみ型自立式露店。閉まっている店のシャッター前50cmくらいの幅があれば開店可能だ。左の写真は折りたたまれた状態。これを立てて、屏風のように広げる。

 杉本さんはこれを考えて作るにあたり、お金どうしようかなー、などなど悩んだそうだが、昭和女子大の某ゼミが手伝ってくれることになり、色んな問題が解決したのだそうだ。

 それもきっと杉本さんが縁を引き寄せたのだと思う。ホントに面白い人だ。台風の目みたいだ。穏やかな天気の周りが台風みたいな、そんな人。

 と、あんまり杉本さんを褒めると、僕が杉本さんの貞操を狙ってるみたいなので次に行こう。わたしショップを組み立てる手順だ。

 

■わたしショップ開店までの手順

1.折りたたみ状態から立たせて開くと屏風型になる。左下の緑のが商品を置く板。

2.商品台を設置中。ボルトで止めるので見た目よりしっかりしている。

3.あっという間に完成。シャッターの前のスペースにピッタリ。

商店街位置愚痴のインフォメーション。ここもわたしショップ。
試作わたしショップもパン屋として開店。激安。
下にはキャスターが付いているので移動が簡単。
色んなわたしショップがあった。これは木工のお店。箸、買えば良かったと今更後悔している。

 わたしショップはこの日がデビュー。昭和女子大の学生さんと杉本さんと仲間達で一生懸命手作りしたそうだ。考えるだけでなく、ちゃんと形になっているのが凄いと思った。

今後もきっと進化していくわたしショップ。興味を持ったら下ノ谷にゴーだ。 


アイスナインというやや危険な名前のお店前に開店。

 

まずはもち米をつぶす。この後、何時間もぺったんぺったん。一体何臼ついたんだろう。

商店街のお嬢様達が総出で餅をパックに詰めていく。道具はそれぞれの店で使っているプロ仕様品。

■縁日は想像以上の大盛況

 ここまでわたしショップの紹介をしてきたが、もちろん商店街の縁日はわたしショップが全てではない。祭はわたしショップを使った露店、使ってない露店、餅つきで構成されている。

 昼頃には下ノ谷商店街の奥にある酒屋の前で餅つきが始まっていた。辺りには蒸されたもち米の良い匂い。僕は餅が大好きすぎるので、よだれが止まらなくてどうしようかと思った。

 つきたての餅は1パック100円で販売される。超激安。あんこ、きなこ、からみ餅から選んで100円。なんという安さ。しかもだ、餅つきをした子供は引換券をもらってついた餅を貰えるのだ。

なんつー素敵なイベントよ。

 近くのおじさんに話を伺ってみると、数年前までは商店街の小さなイベントとして餅つきをやっていたのだそうだ。

それが、今年は「若い人がいっぱいきてよぉ」というイベントになった。おじさんは、照れくさいような嬉しいような、良い笑顔で商店街を見ていた。

 そんな餅つきと商店街の様子を、立体録音部でお馴染みのバイノーラル録音で録ってきました。ヘッドフォンで聴いてみて下さい(当記事ではDewplayerを使用してMP3を再生しています)。

バイノーラルしたのやえんにちの餅つき

 

 

■餅つきフィーバー

餅つき、大人気。子供の長い行列が続いていた。餅はおおよそ大人がついてから子供につかせるので、きちんとつかれた美味しい餅が出来上がる。それが100円て(餅をついた子供はタダ)。うっかり5パックくらい買いそうになった。

 

餅つきをするせたがやじん。視界狭いのによく出来たなぁと感心してしまいました。

■せたがやじん出動

 世田谷でイベントと言ったらアイツが来ないワケがない。そう、四角くて緑のアイツ、せたがやじんも餅つきをしていた。

 中の人?うん、そんなのもちろんいない。せたがやじんはせたがやじんなのだ。

 「松本さん、入ります?」

とか言われた気もするけど、僕は今回は入っていないのだ。だって、結構疲れるんだ、中にはいると。

 

■せたがやじんグラフィティ

せたがやじんの写真をたくさん撮ってきたのでご覧下さい。


幼女に手を振るせたがやじん。子供が喜ぶか怖がるかは、割と五分五分。

たまには怖がって泣き出す子供も。「うん、四角いもんねー、緑色だしねー」と杉本さんが間に入ってフォロー。せたがやじんも子供も傷付けない配慮だ。

女子大生に握手を求められるせたがやじん。入っておけば良かったと若干の後悔を感じる僕。

踊るせたがやじん。それにしてもこのせたがやじん、ノリノリである。

ちゃんとチラシを配って縁日のPRをする。

三軒茶屋の歩行者天国でポーズ。歩行者天国でもしたのやえんにちのPRにいそしむ。しかし、良くできている着ぐるみだ。これも、わたしショップ同様手作り。

 

働き者の良いせたがやじん。僕が入ると割と怠慢。

■せたがやじん、大根踊りをする

 せたがやじんは他のイベントのPRも手伝っていた。この日、世田谷の野菜の即売会が行われていたが、そこで大根を借りて大根踊りだ。

 大根踊りと言えば東京農大。附属高校では高校野球の応援で大根踊りをするそうだが、相手チームは大根おろしを持って踊っていたと聞いたことがある。ホントかよ!

大通りに出ても人気のせたがやじん。

次々に幼子のハートをゲットしていく。たまに泣かれながら。

「みどりしかくー!!」と呼ばれつつも人気のせたがやじん。

子供にココアシガレットを勧められるせたがやじん。どうよ、一本。

甘い匂いに釣られて仕事を忘れるせたがやじん。

 せたがやじんは一生懸命に縁日を彩り、通りは人で溢れ、わいわいと賑わっていた。

  普段は静かな商店街が息を吹き返した様に思えた。杉本さんの願いは、そんな賑わいが日常になることなんだろうと思う。きっとそうなるんじゃないかと思った。

 

■そして夕暮れていった


したのやえんにちは盛況のうちに終わった。終わった頃、キャロットタワーは夕暮れに浮かんでいた。

 縁日は昼から始まり、日没には終わった。東京砂漠なんていうけど、瑞々しい活気がある良いイベントだった。杉本さんが下の谷を気に入り、そこにカフェを開いた理由が判った気がした。気がした程度の浅い理解だけど、良いなぁ、としみじみ思った。これは素直な気持ちだ。

みんなで作る縁日は素晴らしい

 夏に丹沢(神奈川にある山域)で山登りをした帰り、大きな広場で盆踊り大会が開かれていた。そこに出ていた出店は全部地元の人が運営していた。どの出店も安くて美味しかった。疲れていたのでバクバク食べた。

 僕はよくあるお祭りや縁日の出店が苦手だ。だって、高いしなんだか不衛生っぽいし、美味しかった試しがない。だけど丹沢の盆踊りやしたのやえんにちの様な地域の人が手作りをする縁日の出店は好きだ。心がこもっている。

 今回はこうして、楽しいイベントに参加できてよかった。色々はしょったが、他にも楽しい要素がたくさんあった。

・おつかいカフェ
・豚汁とか焼きそばとかも安い。100円とか200円とか。
・バイノーラル録音、録音に失敗しててかなりの音源がパー。
・帰りの電車でドイツ人がウンダバー(ドイツ語でワンダフル)って言ってて面白かった。

 最後関係ないですね。イベントはしょっちゅうやってるワケじゃないけど、猫もいて杉本さんもいて、美味しいおそば屋さんもある下の谷商店街。天気の良い日にフラッと出かけて散歩してみるのも良いんじゃないでしょうか。緑道を歩くのも気持ちいいですよ。 

猫がたくさんいました。猫好きにはたまらんです。

 
 
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