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ちしきの金曜日
 
踵を膝に見せたい (ひとり鳥人間コンテスト)
「膝の曲がり方逆では?」と私が思った画像 


以前、「くじゃく園およびフラミンゴ打法」という微妙な記事を書いたのだが、その中で、
今回フラミンゴをよく観察してみて、膝関節の曲がる方向が人間と逆だということがわかったのも個人的には収穫だった。
と述べた。が、それに対し読者のかたから
「それ、違いますから!」
という旨のメールを頂いていた。

なんと、私が膝だと思っていた部分は踵(かかと)だというのだ。

(text by T・斎藤



つまり、こういうことだ

頂いたメールによると、それはこうだ。

「今日のフラミンゴ記事で、膝が逆に曲がると書かれていましたが、前方に曲がっている関節は鳥の踵です。そこから下の骨は「ふしょ」と言って指の一番付け根の骨が5本くっついて1本になったものです。鳥の膝関節はもっと上にあり、ほとんど胴体にくっつています。」 (読者の仲村さんより)

「鳥も人間も膝関節の曲がる方向は同じはずですよ。違うようにみえるのは、膝関節に見えているのが人で言うところの足首の関節になるのです。足の甲にあたる部分が、長くなっています。だから鳥は常に爪先立ちをしていることになります。参考リンク 」 (読者の大塚さんより)

なるほど、そういうことだったのか!
生物のバリエーションとしては、足の甲が異様に伸びるのはアリだが、膝が逆に曲がるのはナシなのだ。生物の進化について考えさせられるようで、大変興味深い。


サイボーグみたいな足だな。

やってみたい

さて、理屈がわかったら、さっそく次は実践に移りたい。
足の先にエクステンダーみたいなものをつけて、足を延長させれば、私の踵も(あたかも鳥のように)膝っぽく見えるのではないか?

そう思って、足の先に付けるものを作ってみることにした。



最初に目を付けたのは机の脚

どうやって実現するか?

さて、どういう手法で足を延長するか?
いろいろ考えてみたところ、これがなかなか難しいことが徐々にわかってきた。まず、自分の体重を支えるわけだから丈夫でないといけない。

近所のホームセンターをウロウロして、最初の目を付けたのは机の脚。足の部分だけがバラ売りされていたのだ。これを足の大きさくらいの小さな板にくっつけ、その板を靴にくくりつければ体重を支えられるのではないか?

そう思って買ってきた。


これは違う…

が、家に帰ってきた瞬間、これはちょっと違うぞということに気付く。

これでは足に対して垂直方向に延長されてしまうが、鳥の足の構造からすると、水平方向に延長するのが正しいだろう。


図で説明するとこういう感じ

しかし、机の脚のような重いパーツをつま先につけるとなると今度は接合方法が難しい。しかも自分の体重を支えられるくらいの強度となると、ちょっと難しそうだ。

というわけで机の脚は返品。

しかし、かと言ってイマイチいい方法が思い浮かばない。
脚を求めて、店内をウロウロする。


これとか使えないだろうか?
これでいいか…?

歩くことを諦めた

結局、私の工作技術では困難と判断し、歩くことは諦めた。
すると、途端に視野が広がってきた。

さっきまで角材を眺めたりしてすっかり本格工作気分だったが、一転して今度はダンボールとガムテームだ。カッターでガンガン切れるし、折ったり曲げたりも自由自在。接着も容易と、一気に作りやすくなった。見た目はへぼいけど。


これでいいや。

こういうヴィジョン

足にはめてみた感じは良好だ。
とても30過ぎている大人の工作には見えないが
これをベースに肉付けして、より足っぽくしていきたい。


靴下をダンボールに穿かせる

靴下を履かせて、新聞紙を詰めて肉付けしたところ。
これにズボンを穿かせればかなり足っぽくないだろうか。


中学生チックな作業風景

脚になっていく

ズボンをはかせてみたら、やはり脚の部分も肉付けが必要であることがわかったため、折ったダンボールをくっつけて厚みをつけていく。


自分の足と見比べながら

そして、ついにできた。


なんだこのガッカリ感は

せっかく完成したのに、どこからともなく失意の念が押し寄せてくるのはなぜだろうか?

この時、私の心のフィルターを通して見えたのはこんな光景だった。


こういう気分

…が、気を取り直して、
さっそく足に装着して鳥の脚気分を満喫してみたいと思う。

はたして、どんな感じになるのだろうか?


 

 
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