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ひらめきの月曜日
 
ジャガイモ6種類を食べ比べ

ふかし芋編

ところで、それぞれを食べ比べようとするとき、問題になるのはその調理法および味付けだと思う。

今回はジャガイモだ。よりシンプルに、より素材の味を確かめるために、まずは「ふかし芋」からスタートしてみたい。なんたって味付けはバターと塩のみであり、これでいろんなことが分かるハズである。


いっぺんに6種類を蒸していきます。

こうして並べてみると、やはりレッドムーンが異彩を放っている、というかモロに異色だ。あからさまな間違い探しのようでさえある。

ときどき鍋のフタを開けて竹串を刺し、火が通ったかどうかの確認をしながら蒸し上がるのを待った。

15分ほど経った頃だろうか。蒸し上がり一番乗りは、黄じゃが芋であった。


コロンとして可愛いやつです。
バターがくるくるとイモの上を踊ります。

ふかし芋を食べること自体が久々ではあったが、それにしても「えっ?」と思わされた。

…おいしすぎる。味が濃いというか、うま味が凝縮しているというか。たまらん。これはたまらん。


これがあれば何も要らない、という心境に。

感動してるうちにも、イモがどんどん蒸し上がる。2番目は「きたあかり」だった。


たしかに、火の通りが早いです。
皮の近くのところ、見ただけでポクポクしてる。

もう見ただけで分かる。これは相当おいしい。絶対においしい。間違いない。

だって、これですよ?


勝手に粉ふきイモ状態になってるんだもの。

ああ、まさしくこれは栗だ。栗じゃがだ。看板に偽りは一切ない。「ジャガイモって、こんなに味があったっけ?」と思うくらいに、ギュッと詰まっている。

それにしても、なんて幸せなんだろう。ジャガイモでここまでいい気分になれるとは思っていなかった。

しかし、ゆっくりと食べているわけにもいかない。次のイモたちが待っている。


3番目はレッドムーンです。
 かなりホロホロな状態に。

果たしてその味は…と食べてみて「あ」と思った。口当たりが他のイモとは違うのだ。ものすごくなめらかで、しっとりしている。

ズッシリもっちりしっとり。そこにバターが絡むもんだから、どうしようもなくおいしい。味の余韻もすさまじく、いつまでも鼻の奥にジャガイモの香りが残る。

いやはや、おいしかった。

…というわけで、以上の3つが飛び抜けて素晴らしかったイモたちです。こんなにおいしいふかし芋を食べたのは初めてかもしれません。

残る3つは、「あ、なんか水っぽいな」とか「味が薄いな」という感想を持ってしまった。


男爵。味の濃いイモを食べたあとでは、どうしても薄く感 じてしまう。ごめんよ。
シンシア。しっとりしているが、味はさほど濃くない。
メークイーン。馴染みの味も感動は薄い。すまない。
上下で色がまるで違う。

全種類を食べたあと並んだ皿を見ていたら、色がクッキリと分かれたことに驚いた。

上の黄色い3つは火の通りが早く味が濃かったものだ。
そして、下の白い3つは、火の通りが遅く、味に主張が感じられなかったもの。(本来は男爵も上のグループに入るハズなのだが、今回は相手が悪すぎた)

ふかし芋対決では残念な結果に終わった白組だが、実はこれらのジャガイモこそが、煮物に最適と言われている品種なのだ。よし、次の対決は煮物といこう。

無事、白のリベンジなるか!


 

 
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