イシガニを拾いに行こう
「これだけ潮が引いているんだから、下に降りればイシガニが拾えるんじゃないかな。」とKさんが言い出した。
カニを拾うという表現が耳慣れないのだが、なんでもその昔、釣り仲間から大潮の干潮時に磯の潮だまりにいくと海に帰り損なったイシガニがいて、それをトングで簡単に拾えるという話を聞いたのだという。なんだその中国の故事みたいな話は。切り株でウサギが転ぶのを待つみたいな話に聞こえる。
クリ拾いならぬカニ拾い。どちらも棘に守られているという共通点はあるけれど、生きたカニなんてそう簡単に拾えるものだろうか。しかもトングでって。しかしここでカニ網を投げていても埒があかないので、とりあえずいくだけいってみることにした。 |