デイリーポータルZロゴ
このサイトについて


はっけんの水曜日
 
ムーチーさいに行ってきた

でかいムーチー現る

そしていよいよでかいムーチー作りの始まりだ。鍋の中敷に白い布がかけられ、すでに練られた餅粉が次々と搬入される。作業にあたるのは地元青年会の皆さんとたぶんその親たち。搬入された餅粉は手やへらでぺたぺたと形成されていく。


毎年やっていることなのに常に試行錯誤で進行する。
「これ手で練っていいの」とか口々に言う。誰も正確なところをしらない。
しかしこうなってくるともうわけが分からなくなり。
最後にへらでぺたぺたと形成する。
で、乗っちゃう。

ムーチー粉をだいたい均等な厚さに敷き詰めたところに、人が一人乗って文字を入れていく。祝の文字はどう書くんだっけ、という話し合いから始まる。

完成形。

ほどなくして完成した巨大ムーチー。今回これをギネスに申請するのだということだが、あまり対抗馬もいないと思うのでたぶん大丈夫だろう。ライバルは常に去年の自分たちなのだ(ちなみに今回で10回目)。

 

クレーンで大鍋へと移される。

ムーチーを食べよう

でかいムーチーも同じようにクレーンで運ばれ、巨大鍋で蒸される。蒸しあがるまでに2時間かかるらしいので、その間に僕も先ほど蒸されたムーチーを買いに行った。

そういえばあと一つ会場で気になっていたものがある。高台に設置された茅葺の家だ。これはムーチー家と呼ばれるもので、この地方ではムーチーの日に中でイモやニワトリなんかを焼いて食べた後、ムーチー家自体に火を放って無病息災を祈願したのだという。理屈では理解できないが伝統がそういっているのだ。

僕もせっかくなのでムーチー家の中でムーチーを食べて健康祈願してきた。

さっき蒸しあがったばかりの温かいやつ。100円。
これが伝説のムーチー家。
この葉っぱにひっついている部分を食べる。べたべたするがとてもうまい。
当時の様子を再現。半そでだが昔取材したものではない。この日(12月16日)はなぜか25度あったのだ。

守りたい祭りです

ムーチーさい、興味深いイベントだった。あの会場の雰囲気を簡単に言うならば「村祭り」だ。でかいムーチーを作ってギネスに申請、っていうのも特に大きく宣伝していたわけではない。人寄せの行事ではなく、純粋にこの地区の人たちが自分たちの厄払いや健康祈願のために行っている行事なのだ。最後に火が放たれたムーチー家は火柱を上げて燃え上がったのだが、消防法が、とか心配する人はこの中にはいなかったんじゃないか。こういう大らかな地元の祭りこそ、後世に伝えていきたいものだ。

蒸しあがったでかいムーチー。撮影:いぜなたかしさん

 
 
関連記事
餅は果たして万能か
実録 超巨大仏を見て混乱する
豆本の世界へ

 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲トップに戻る バックナンバーいちらんへ
個人情報保護ポリシー
© DailyPortalZ Inc. All Rights Reserved.