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土曜ワイド工場
 
口からお湯が出るライオンで優雅な生活


 

口からお湯が出るライオンというのがあります。あのライオンをお風呂以外にも適用させたら様々なシチュエーションでゴージャスになれると思います。つまらない日常がライオン一つでゴージャスになるのです。素敵です、ぜひやるべきです。さよなら平凡な日々。

 

荒原べんぞう



口からお湯が出るライオン

口からお湯が出るライオンというのがあります。ゴージャスと言われるお宅のお風呂、というかジャグジーにある金色のあれのことです。ゴージャスな育ちでない僕は当然そんなお風呂に入ったことなどないのですが、まぁ今まで別段気にも留めていませんでした。

ところがです、あのライオンをお風呂以外のロケーションに置いてみたらどうだろう?とふと考えてみたのです。するとどうでしょう、毎日を活き活きと優雅に過ごす僕の姿が鮮明に頭に浮かんできたのです。

そうだったのです。時間と雑務に追われ、忘年会のラッシュと年末の忙しさで心の余裕をすっかり無くしてしまった、そんな僕に必要なものはライオンだったのです。ライオンを日常のいろんなシーンに活用し、雑多な日々を活性化させるのです。

 

紙粘土で作ります

やるぞと決めたのはいいものの、残念ながら僕は口からお湯が出るライオンを持ち合わせておりません。どこで売っているのかもわかりませんし、相場がいくらくらいなのかも知りません。

もう面倒なので自分で作ることにしました。乙幡さんに相談したらなんちゃら樹脂で作れとか言ってましたが、僕は幼い頃から大変なひねくれ者でしたので、言うことを聞かずに紙粘土で作ることにしました。乙幡さんごめんなさい。


買ってきた紙粘土
 

さっそく紙粘土を買ってきました。紙粘土で工作するのは保育園で灰皿を作ったのが最後だと思います。久しぶりすぎてうまくいくかどうかかなり不安ですが、そこはもう、勢いでなんとかしたいと思います。

 
こねて・・・
できた!けど・・・
   

勢いで踏み出したものの、作り始めてから“しまった”と感じました。僕に美術的センスがないのをこね始めてから思い出したのです。ライオンは一体どんな顔だったか、それも普通のライオンではなく、浴室の壁に貼り付いているライオン。適度にディフォルメされつつも、写実的でもあり、参考になるものは手元に何も無い。そしてためらっている間にも徐々に固まる紙粘土。僕は気がついたときにはなぜか追い込まれていました。結局、勢いでどうにかして出来上がったそれはライオンのような、そうでないような、アインシュタインのような、よくわからないものが出来上がってしまいました。

いやしかし、制作はこれで終わりではないのです。着色をしなければなりませんから、そうです、僕は着色して初めてライオンらしくなるように、あえて少し外したものを作ったのです。うん、よし。すいません、今のは嘘です。着色してもう少しライオンらしくなってくれればという、かすかな期待にすがっているというのが本当のところです。さっそく前のめり気味に着色します。

 
色塗ります
できた!
   

できました。やりました。重ね塗りなんかしちゃって、4日ほどかかってしまいました。さぁ、どうでしょう、色塗ったらライオンらしくなったでしょ。・・・なってっかな?何かライオンのようなそうでないような、真実の口のような、そうでないような。

 
もうこの時点で満足してる

でもそんなの関係ないのです。僕はとにかく、ライオンが完成したことが嬉しいのです。このピカピカを見てください。これさえあれば、僕はゴージャスの仲間入りのはずなのです。さぁ、新しい毎日が始まりますよ。

 

まずはお風呂で使ってみる

ゴージャスな毎日の幕開けとして、まずはお風呂でライオンを使用してみます。紙粘土は水をつけるとやわらかくなりますから、防水スプレーを何度も何度も重ね塗りしました。ライオンよ、湿度なんかに負けるんじゃない。

 
ライオンをお風呂にセット
優雅な入浴のはず
 

はい、使ってみました。ライオンはみごと湿度に耐えてくれました。で、肝心のゴージャスになったかどうかですが、まぁ確かにゴージャスな気分にはなったと思います。ただ、いくらゴージャスと言ってもやる前に想像していたほどのゴージャス気分ではありませんでした。もうちょっとテンションの上がるものだと思っていたんですが、なんでしょう、壁に接着されていないのがいけないのでしょうか。それとも、口からお湯がぶえーって出る様がよだれみたいなのがいけないんでしょうか。

でもやっぱ、自分の気持ちを俯瞰してよく考えてみると、一定のゴージャスは得られているような気がします。ちょっと試しに、ライオンを外していつものお風呂にしてみましょう。

 
失って気づくゴージャス
 

あー、ほら、やっぱ平凡ですよ。この今日もかよぉっていう感じ。なんでもないことが幸せじゃんっていう押し付け。これが嫌だったからライオンを作ったわけで、やっぱそういう意味では一定の成果を挙げていたのだと思います。やるなライオン。

風呂以外でもゴージャス

さて、ライオンを使用することによってほんのちょっとだけゴージャスな気分を味わえることは確認できました。だったらせっかくなので、お風呂以外のシーンでもライオンを使用して平凡な毎日を少しずつゴージャスにしましょう。もし最高にうまくいけば、心だけでもセレブと肩を並べることができるはずです。やっぱ気持ちで負けちゃいけないと思うんです。よし、ぐずぐず言ってないでやりましょう。


 

 
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