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ひらめきの月曜日
 
ラッキー詣で
ラッキーにあやかりたい


あけましておめでとうございます。

今年は新年早々体調を崩して文字通りの寝正月だった。正月らしいことは一切していない。周りを見渡せば温泉に行っただの、海外に行っただの、精気を養えそうな場所に行っている。僕はその間家で鼻水をかんだあとのティッシュにまみれて過ごしていた。ダメである。

これはひょっとして運気がすごく下がっているのではないか。新年一発目から先が心配である。

いろいろ考えた結果、ラッキーになりたいなら『ラッキー』と名の付く場所に行けばいいと思った。

(text by 梅田カズヒコ



ラッキーと名の付く場所―1


ブヒ。

開いてて良かった『とんかつ ラッキー』。

店内はカウンター席とテーブル席合わせて15席程度の小ぶりな造り。

とんかつ ラッキーで運気をつける

ネットで『ラッキー』と名の付くお店を調べて現地に赴くと正月休みで閉店中ということが多い。そんな中、正月から営業している文字通りラッキーなお店を探した。一軒目に訪れたのは世田谷区奥沢駅前の『とんかつ ラッキー』である。

いかにも普通の商店街の肉屋さんという趣であるが、事前に調べた情報によるとわりと近所では評判のお店らしい。観光地の名物料理もいいが、近所で評判の料理に舌鼓を打つ正月、というのも、僕らしくて良いではないか。正月ロクにものを食えなかった胃袋がきゅるきゅる言っている。

お店の人に聞く

とんかつを待つ間、『ラッキー』という店名の由来について聞くことにした。

梅田「この店はもう長いんですか?」
女将さん「先代から数えてもう60年」
梅田「へー、すごいですねー」
女将さん「いえいえ」
梅田「何で『ラッキー』という名前なんですか?」
女将さん「さあ・・・先代が付けた名前だからね」

なんだ、それだけか。いや、店名の由来なんかそれで充分であろうが、僕はラッキーを求めて電車で揺られてここへ来たのだ。もう少し確固たる理由がほしい気もする。その思いが意味不明な質問へと昇華されていった。

梅田「僕もラッキーになれますかね?」
女将さん「さあ、どうでしょう・・・分かんないです」

それはそうだ。そりゃ赤の他人である客がふらりと訪れて、『ラッキーになれますか?』と聞かれたら困ってしまう。女将さんには悪いことをしてしまった。そんな折、注文していた料理が届いた。

盛り合わせ定食。これだけいろいろ盛り合わせて1,000円。

見よ、このお皿からあふれんばかりの揚げ物を。
いや、揚げ物なんて見飽きているかもしれないが、このいい感じにすらっとまっすぐ伸びたエビフライや、なにやら美味しげなナスの揚げたのとか、ネギがたっぷり入った味噌汁をとにかく見るのだ。素敵ですよね。記事の公開日を考えると、今日が今年初出勤のかたも多数いらっしゃるかと思うのですが、もう仕事なんかやめて揚げ物食べてたいよね。夕方だしもういいじゃないですか、そんなに頑張らなくても。今年はまだ長いんですから。

これだけ入って1,000円はなかなか安めの値段であろう。そういえば去年の一発目もドーナツ屋の記事を書いていたが、どうも僕は揚げ物から1年を始める傾向があるのかもしれない。

 

皆さん気になっているナスはこんな感じです

さて、例のナスですが、ちょっとした仕掛けがありまして・・・。

じゃーん、ナスの切り身のヘリに肉が挟まっているのだ。芸が込んでいる。これをお箸で持つと・・・

肉汁がこうやってあふれるんですわ。食べてないけどもううまいです。もうおなかいっぱいです。


もちろん看板のとんかつも美味かった。コショウの味がちょっと利いていておいしいです。

何がラッキーかは分からなかったが、おいしかったとんかつ屋

ナスの揚げたやつが美味しかったので、とんかつの写真を忘れかけたが、もちろんとんかつも美味かった。衣か肉に、コショウで味付けがされていて、柔らかいカツに一瞬ピリッとこさす味だった。こりゃうまいですね。とんかつマイスターである僕も認定するお店です。とんかつマイスターって呼称は今考えましたが。

奥沢の『ラッキー』は、特に大それた幸運に恵まれるわけでもないが、ただ言えることはとんかつが美味しかった、ということだ。

まあ、それでいいのか。


とんかつ ラッキー

世田谷区奥沢3−33−12
03-3729-6107
11:30〜13:30
17:00〜20:00
日曜定休

ラッキーポイント:
ナスの揚げたやつが美味い。

 

ラッキー、閉店中。

しかしその後、行く店行く店が正月休みで休んでおり、ラッキーを追い求めているのにアンラッキーになるという不幸な展開が続いた。


ラッキーが…
閉まってる。(そしてシャツが出ている)

そんな中、またひとつラッキーと名の付く場所を見つけた

 

ラッキーと名の付く場所―2


『ラッキー』亀有2号店。

店内はこんな感じ。目線の位置にものがなくて広々とした優雅な感じです。昔ながらの喫茶店ですね。

下調べしたところ、おいしいと評判のワッフルセットを食べることに

喫茶店 ラッキーで休憩

そんなラッキー砂漠の東京を歩いて、ようやく見つけたお店が喫茶店の『ラッキー 亀有2号店』である。奥沢から東京23区の対極まで足を運んでしまった。ラッキーになりたい。その思いは電車を何本も乗り継いで『ラッキー』と名のつく場所に出向く、という間違った方向へと突っ走っていく。

ここは事前に調べた情報によると、コーヒーもうまいらしいし、ワッフルが美味いと書いてあった。よし、とんかつも飽きたしワッフルを食べようではないか

ところで、ラッキーについてやっぱりお店の人に聞いた

僕が自分の住んでいる街から遠く離れた場所に向かったのはただひとつ、このお店の名前がラッキーだからだ。僕とこのお店をつなぐ唯一の接点は『ラッキー』だ。ならば聞こうではないか、ラッキーについて。

梅田「コーヒー、うまいですね」

本当にこのお店のコーヒーは美味いと感じたのだ。

マスター「ああそう。普通のブレンドだよ」
梅田「そうは思えない美味い味がしたなー」
マスター「いえいえ」
梅田「何で『ラッキー』という名前なんですか?」
マスター「名前なんてなんでもいいと思わない?」
梅田「まあ、そうですよね」
マスター「覚えやすい名前がいいよ」
梅田「そうですか。ラッキーは覚えやすですよね。」
マスター「あなたが気に入った名前をつければいいよ」

僕は何か命名について悩んでいる人だと思われてしまったようだ。違う。ラッキーと名づけるに値するラッキーエピソードを聞いてみたかっただけなのだ。思春期のような噛みあわない会話を引っさげ、僕は席に戻った。

すると今度はワッフルが届いた。


ワッフル(小倉) これにコーヒーが付いて780円。うん、良心的。

見よ、この無造作に積まれた小倉と生クリームを。
そりゃハワイでお正月を迎えた写真とかには負けるが、なんと言うかここは喫茶店で、ああ、くつろげばいいんだなーと思わせてくれるに充分な雰囲気を内包していると思う。いいよね。しつこいようですが今日が初出勤のかたも、会社に出てこれただけ万々歳じゃないですか。休みましょう、ネットの向こうで控えめに僕は訴えてます。

 

やっぱ小倉やクリームを塗りたくってる写真も見たいよね

話が横道に逸れたが、先ほどのワッフル。ナイフで小倉や生クリーム部分をぶしゅーっと品なんか関係なしに壊して、それでメイプルシロップをかけたのがこんな感じです。

ああ、美味そうでしょ。実際うまいですよ。

ワッフルはホットケーキみたいに硬めに焼いてあって、それがまたいい感じです。僕は個人的には、ワッフルは人気の柔らかいもちっとしたものより、ちょっと硬めのものが好きです。賛同してくれる人も居るのではないでしょうか。

ちょっと硬めのホットケーキ風ワッフル。派手な美味さではないですが、普通に美味いですよ。


美味くておかわりしたコーヒー。

やっぱり何がラッキーなのかは忘れたが、美味かったコーヒー屋さん

ちょっと硬めの食感が心地よいワッフルも良かったが、それにも負けず劣らずコーヒーが美味しかった。あまりにおいしくておかわりした。おかわりは100円だといわれた。これまたラッキー。

亀有の『ラッキー』は小さなラッキーがあった。でも、結局何を指してラッキーなのかは分からなかった。そもそもラッキーラッキーと口にしているけど、いったい僕はラッキーという言葉に何を求めているのかはよく分からない。100万円が道端に落ちていて拾うようなラッキーでも求めていたのだろうか。いや、いくら他力本願な僕でも、そこまで都合の良い展開は期待していない。考えれば考えるほど、自分にとってのラッキーとはどんなシチュエーションなのかよく分からなくなってしまった。

まあ、そんなものか。


ラッキー 亀有2号店

葛飾区亀有5-37-1
03-3628-7288
〜19:00

ラッキーポイント:
コーヒー、2杯目からは100円。

取材中のオフショット。ラッキーを求めて電車移動。体調が悪くて朦朧としていた。ラッキーから遠ざかっている気がする。

今年は(も)ラッキーになりたいと思った僕ですが・・・。

と言うわけで、ラッキーになりたいと思い、ラッキーと名の付く場所に行くという企画でした。最後まで読んでいただいてどうもありがとうございました。

テレビを点ければ風水の人が黄色がいいと言う。占いの人が改名すれば開運だと言う。星座占いによるとラッキーだという。しかしそれってどういうことなのだろう。運とかツキだとか言うけど、あなたが思う幸運と、僕が思う幸運は一緒ではないかもしれない。人それぞれにとっての幸運の尺度があるのに、一緒くたにされて○○座が今日は幸運だと言われてもなんだか腑に落ちない。雑誌やネットの伝える「ラッキー」は本当に僕の望むラッキーなのだろうか、僕はちょっと疑問だ。

だから僕は自分なりのラッキーを今年も追い求めていこうと思う。あなたもあなたなりのラッキーを探してほしいな、と若輩者は思うのであった。今年もよろしくお願いします。


 
 
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