「JR駒込駅」
お客さんが帰ったあとでごみを拾う
午前1時、最終電車が行ってしまうと、JR駒込駅のホームにはだれもいなくなった。
しばらくすると、事務室のほうから駅員さんがひとり降りてきて、ホームのごみを拾って歩く。ひとしきり端のほうまで拾うと、来たほうとは逆の階段から降りていってしまった。その後には、ホームにはもうだれもいない。
駅前にいたクレープ屋さんも、終電といっしょにいなくなった。駒込駅はそんなににぎやかじゃないのだけど、それでもがらーんとしてしまうとその落差がさみしい。
「サンエトワール」
バスケットを片づけ中
終電のすぐ後、駒込駅前のパン屋さん「サンエトワール」もようやく閉店の時間になった。さっきまでレジでお客さんに対応していた店長が、お店を片づけはじめる。
明日の朝は7時からときいてびっくりした。寝る時間ないじゃん、と。先代がこの時間でやっていて、それを継いでいるのだという。
掃き掃き
奥さまがレジの片づけをしている後ろで、(おそらく)娘さんもお手伝いをしていた。けなげだ。
ご主人は手から顔まで全身にパン屋さんのしわが刻まれているような人だった。撮影してもいいですかと聞くと、「悪いことに使うなよ」といって、にかっ!と笑った。
お店: 「サンエトワール」 JR駒込駅東口を出て左すぐ
仕事してる横顔というやつか
営業中のお店の人は、いつも笑顔だ。でも閉店後にも残って仕事をしている人の顔は、もっと落ち着いた顔になる。
閉店後に残って練習をしている若い美容師や、客のいなくなった床を掃除する喫茶店のスタッフ。仕事を大切にしているんだろうなと思わせる。
ぼくが閉店後の風景をすきなのは、たぶんそういう理由だと思う。