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ひらめきの月曜日
 
生卵をかけてマズいものを探す
いろんなものにどばどばと生卵をかけていきます。


当サイトでライターの高瀬さんが書いた記事『油で揚げてマズイもの』は衝撃だった。この記事の結論として、結局何を揚げてもうまいのだ。食い合わせとか、そういう概念を打ち砕く記事だ。

ところで僕は以前この記事の中でいろんなものを生卵につけて食べまくった。結果、どれもおいしかった。

そこで、上記の2つの記事を結んだところに出てくる疑問。生卵をかけてまずいものはあるのか?

生卵は何にかけてもたいていうまい。この生卵が食材や料理を台無しにする例はあるのか?

調べてみました。

(text by 梅田カズヒコ



ルール

・ルール1 今回試すのは『おかず』になりえるもののみ

当サイトの企画会議でこの話をしたとき、生卵をかけてまずいものとして駄菓子の『ドンパッチ』などという意見が出た。これはさすがに生卵でもお手上げだ。そこで、『おかず』となりえる食材のみに限定しようと思う。飲み物やお菓子、その他はカウントしない。通常のご飯時にテーブルの上に並んでおかしくない料理や食材に限定しようと思う。

・ルール2 味付けとして、醤油は使っていいことにする。

生卵の魅力を最大限に引き出すのは醤油であろうと思う。たまかけご飯も醤油の存在なしでは語れない。そこで、生卵に適量のしょうゆを調味料として使ってよいことにした。もちろん、醤油を使わなくても良い。

以上のルールを満たした上で、かつまずくなりそうなものを探そう。

 

挑戦者1 ギョウザ


挑戦者『ギョウザ』、フロム近所のスーパー。

まずは餃子で試してみようと思う。世界は広いが、餃子に生卵をかけて食べる人はまず居ないだろう。しかしどうだろう。生卵をかけてもうまいような気がする。400戦無敗と噂されている生卵にとっては軽い試合となるだろう。


生卵をかけたらこんな感じになりました。

うまい。案の定うまい。もちろん、(ラー油+醤油+お酢)という餃子にとって黄金の組み合わせもさることながら、この生卵醤油のマイルドな感じも捨てがたい。こんな料理があってもいいと思わせてくれる安定感がありました。


結果

生卵 (V.S.ギョウザ)
(10−0、生卵の勝ち)

決まり手: 肉や具材を包み込む包容力と安定感

 

生卵とサラダも圧勝。決まり手は新食感。
うまそうでしょ。実際うまいよ
野菜は野菜でも漬物はどうだ。
あ、この味知ってる。
居酒屋のナス漬を小皿に残っている醤油につけて食べる感覚
日本の漬物が敗れるなか、おれに任せろとキムチ
しかしこれもうまかった。

ここから生卵の圧勝が続きます。

挑戦者2 サラダ

初戦のギョウザを軽く破った生卵はここから快進撃が続く。

まずはサラダ。対ギョウザ戦で、肉モノは駄目か、と思ったので、対戦カードに野菜をぶち込んでみた。

結果は見事生卵の勝利。シャキシャキのサラダもうまいが、卵の汁が少ししみ込んだサラダもなおうまい。味にコクが出る。ドレッシングよりは栄養価が高そうだしこの生卵ドレッシングははやるかもしれない。

自分が初めてこの組み合わせを指摘したみたいに書いてますが、そもそもシーザーサラダとかには半熟玉子が乗ってますよね。

ただ、時間がたって水気がなくなったサラダにはちょうどいいかもしれません。

結果

生卵 (V.S.サラダ)
(9−1、生卵の勝ち)

決まり手: 今まで気づかなかった新食感。

 

挑戦者3〜8 漬物一式

生野菜はOKだ。では漬物ならどうだろう。漬物ってもう完成されているようなところがあるから、生卵が加わったらちょっと味を邪魔してまずくなるんじゃないだろうか。

スーパーで漬物盛り合わせを買ってきた。卵にとっての難敵を探すことは思った以上に大変な試合が予想されるのでここでまとめて6種類の漬物を用意してみた。結果は以下の通り

結果

生卵 (V.S.白菜漬け)
(9−1、生卵の勝ち)

(V.S.高菜漬け)
(8−2、生卵の勝ち)

(V.S.カブの漬物)
(7−3、生卵)

(V.S.きゅうりの漬物)
(7−3、生卵)

(V.S.たくあん)
(7−3、生卵)

(V.S.ナス漬け)
(7−3、生卵)

決まり手:(白菜・高菜)あ、これ食べたことある、という既食感。(カブ、きゅうり、たくあん、ナス漬)居酒屋で出てくるナス漬けを思わず小皿のしょうゆにつけてしまいたくなる感覚。不要と言われれば不要だが、別にあって邪魔するものではない。

 

恐るべし、卵のバイタリティ。まず前半2つ。白菜と高菜はどこかで食べたことのある味だった。卵かけごはんの朝定食の味だ。卵の味を口の中に残しつつ漬物をむしゃむしゃ食べる感覚。うまいですよね。

後半の4品に関しては確かに不要と言われれば不要である。しかし、ありかなしかで言えばありだ、という感想だった。居酒屋でなすの漬物が出てきたとき、僕はいつももう味がついているのにさらに醤油で味をつけたくなるのですが、あれと同じ味がした。強敵漬物の前にも一歩も引かない生卵であった。

挑戦者9 キムチ

日本の漬物が全敗ならお隣韓国の漬物、キムチはいかがだろう。癖があるのでなかなか手ごわいのではないか、と思うが・・・。

結果

生卵 (V.S.キムチ)
(8−2、生卵の勝ち)

決まり手:キムチが苦手な人でもこれなら食べられるのでは?

 

人それぞれ好みはあるだろう。僕はこの場合、卵に漬けることによって味がマイルドになって、キムチ独特のパンチが弱くなっているような気がする。しかし、キムチが苦手というひとなどはこの方法が有効だと思う。結論として決してまずくはなっていないから今回も生卵の圧勝である。

よく冷蔵庫の中で長いこと食べてなかったキムチが酸っぱくなっていることがあるが、あれを食べる時にこの卵漬けはいいと思う。またしても実用的なポジションを見出したたまご。

僕も人間として卵のような存在でありたい。どこに絡めても主役を邪魔せず、かつ自分のよさをきっちりアピールできる存在に。

 

きりがないのでルール2を解除

思うに生卵も最強だが、それに合わせる醤油もうまいのではないかと思う。そこで最初に決めたルール2、醤油を組み合わせるのはNGということにした。

そしてここまでの試合を振り返っての雑感であるが、そもそも卵というものは薄味である。だから、味が濃い料理にかけたところでかき消されてまずくなりようがないのだ。

ということは、生卵に合わないおかずがあるとすれば、それは薄味のおかずということになる。

傾向と対策

(わかったこと)生卵は薄味だ。
  ↓
味が薄いので濃いおかずの場合かき消されてしまうので、まずくなりようがない。
  ↓
(導き出されたこと)味の薄いおかずの場合、まずくなる可能性が残されているのでは?

 

この傾向と対策を踏まえ、後半に続く・・・。

 

 
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