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ひらめきの月曜日
 
なんでもモンブラン化計画

こちらは標準的なモンブラン

モンブランというケーキがある。店によってその形状はさまざまだが、いくつかの共通点というか決まり事はあるように思う。

・マロンクリームが使用されている
・山のように高く盛り上がっている

いくつかの、と書いておきながら2つしか挙げられなかったが、この2つが揃って初めてモンブランを名乗れるのかと思いきや、最近はそうでもないらしい。栗以外の素材を使ったモンブランをよく目にする。

そういう伝法なことが許されるのなら、私にもひとつ、考えがある。

高瀬 克子



なんでもいいのか?

たとえば、近所のケーキ屋で購入してきたモンブランを見ていただこう。これだ。


イチゴのモンブランだそうですよ。
外側はバニラ、内側はイチゴのクリームがたっぷり。

これはこれでアリなのは分かる。モンブランはフランス語で「白い山」という意味らしいが、それに倣えば、なるほどよっぽどモンブランらしい。

しかし、私にとってモンブランといえばやっぱりコレなのだ。


中から栗の粒々も出てくるよ。

うん。舌が落ち着く。この見た目にはこの味しか考えられない。なんせ30年以上「モンブラン=栗&こんもり」で脳にインプットされているのだ。

じゃあ「栗ならなんでもいいのか」と油断していると、こういう物もある。


パッケージには見事なモンブランが聳えていますが、
実際はこの通り。ただし雪は積もってます。

そりゃ、容器として制限があるのは分かるが、もう少しなんとかならなかったんだろうか。これは山じゃなく、どこまでも続く平野だろう。

こうしていろいろ見ているうちに「もしかしてモンブラン界は“言ったモン勝ち”の世界なのか?」と思ってしまっても仕方がない。

だったら私にも言わせてほしい。


「めんたいこモンブランも可能だろう?」と。

もはや、甘い物だけにモンブランを名乗らせておくのは勿体ない。辛党が喜んで食べられるようなモンブランがあってもいい筈である。というか、是非あって欲しい。

そんな気持ちから、まずは取扱いが簡単に見えた芥子明太子をごはんの上にうず高く盛り上げてやろう、と目論んだのであるが、話はそう簡単ではなかった。


ほぐした身をジップロックに入れて角に穴を開けて、
にゅるにゅるとクリームのように絞り出そうと思いきや、
これが詰まってしまって出ない。ちっとも出ない。
…あきらめた。

モンブランへの道は遠く、そして険しかった。なぜだ。なめらかさが不足していたんだろうか。それとも穴が小さかったのか。

 

諦めません

悔しい。明太子は間違いなくモンブラン化すると思っていただけに悔しい。しかし、いつまでも明太子にこだわっているわけにもいくまい。次なる候補を考えよう。

と、出した答えはマグロだ。一気にハードルを高くしたように思われるかもしれないが、勝算はある。パッケージに「ネギトロ風味」と書かれていたのだ。

そう、このマグロには油分としてサラダ油的な何かが含まれている。これはクリーム状にするにはうってつけだろう。


ほら、すでにテカってますでしょう?
これに卵黄を入れて、さらになめらかさをプラス。
再び、ごはんの上に絞り出してみましょう。
お! これは成功したんじゃないか?!

 

 
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