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ちしきの金曜日
 
AVを1000本捨てに行く

道端にうち捨てられてる夢のかけら

夢の島、というとゴミの埋め立て地の代名詞として教科書で習った覚えがある。高度経済成長期、公害と共に未来への課題となったゴミ問題。それについて語られる日本史のページでは必ずのように写真が載ったものだ。

同地への実際の埋め立ては67年に終了。現在は交通の便がいいこともあり、公園やライブ会場・スポーツ施設などが立ち並ぶ、都心からちょっと足を伸ばせば行ける人気スポットとなりつつある。


今はコロシアムまであるんです。
でも今日行きたいのはここだ!

AV1000本(実際は100本)を捨てるには「夢の島」こそがふさわしい。しかも、埋め立ては終了していてもまだ清掃工場は残っている。ここに持ち込めば不法投棄にもならず、息子娘にも奥さんにも怒られずにすむはず。いや、自分が怒られてるわけじゃないんですが。


カートでごろごろ、AV持って向かう。

駅から清掃工場への数百m、公園と車道の合間を通って向かうのだけど、歩行者にめったに会わないにしてはゴミが散らばっていた。

この場所だけに、転がっているゴミもかつてはさまざまな夢、もしくは夢のかけらだったのだろうか?


傘、軍手と共によく落ちてるゴミ。

たこやき器?家族の団らんの残骸か?

魚肉ソーセージ‥居酒屋帰りにブロークン?

家族模様や友人との飲み会が透けて見えるような、つわものどもが夢のあと‥いや、そんないいもんではない気もするけれど。

しかし、たかがAVとはいえ自ら工場に持って行くのは死刑台に彼らを連れて行くような気がしてくるね。これが捨てる人にとっての長年をかけたコレクションなら、AVを死刑台というよりは自らを台に連れて行くような気分になるのかもしれない。自らの中の何かを殺すような。

先の歩道をずんずん行くと、新江東清掃工場に到着。でかい。しかし工場内に進む歩道らしきものが見あたらない‥。徒歩でわざわざ工場までゴミ捨てに来るやつもいないだろうが、確かに。


駅から徒歩15分。完全にFor車。

車入り口はいろいろあるんだけど。

やむなく工場に事務所に電話をかけてみる。

「こちらってゴミ持ち込みって出来ます?」「すいません、こちらは燃えるゴミ専門なんですよ」

ってDVDはダメなんですか!1000枚もあるのに!(たびたびですが、実際は100枚)がっかりしたような、ホッとしたような。朝、家の前の回収所にホイッと出すのに比べると、持ってくるのに苦労しただけ気持ちが募るなぁ。

そういえば、先の事件で発見されたAVは「一部は段ボール箱に入っていたものの、大半はパッケージがムキだしで、遠くから見てもそれと分かる状態」とニュースで報道されていた。遠くから見て分かる状態‥これはわざとそうしてあったのではないだろうか?誰か拾ってくれないか、というメッセージ。殺したいけど殺しきれなかった。どうせ手元に残らないのなら、せめて黒いサンタにならん、という。

ただ、その結果お父さんも家族も恥ずかしい結果になってしまったわけで。家人の「捨てられない、でも捨てなければいけない何か」があるご家族は、ちゃんと「捨てられない理由」を考えてほしいものです。

でも、こういうのはやっぱお父さんがちゃんとしようね。物が物だけに。

ちなみに最初のDVDはジェット・リーでした。

うっかり拾われないようにしましょう

上の清掃工場は基本は企業のゴミを扱うところのようで「普通のごみは通常の回収でお願いします」とのこと。1000枚というとまた別格な気もするけれど。

DVDは「燃えないごみ」で処分しましょう。出来ればディスクは破砕して、中学生とかが拾わないようにすればパーフェクト。最近エロ本とか落ちてないし、拾われるのは夢あるけどね。公共的にはダメゼッタイ。


 
 
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