緊急企画:欠航になったらどうすればいいのか
さて、乗ろうとしていた飛行機が欠航になって、その日の便はもう飛ばないという場合はどうしたらいいのだろうか。 僕が乗っていた飛行機の乗客たちは、一斉に欠航になった便の予約の変更手続をするためにカウンターに並んだが、必ずしもあわてて手続きをする必要はないようだ。 僕も手続きの列に並んだが、途中で案内の人に、あとからでもWebやカウンターで手続きができると聞いたので、列から離れて今夜どう過ごすかを考えることにした。
どこで寝るのか
滑走路が閉鎖になった場合、空港はロビーや会議室などを開放するので、とりあえず翌朝まで過ごすことができる。 しかし、深夜の空港は売店や飲食店などほとんどの店が営業を終了している。 僕も当初は空港で夜を明かそうと思ったが、食べ物はともかく飲み物がないのはあまりにもつらい。 いや、飲み物は自動販売機で買えるのだが、アルコールが手に入らない。 空港内でじっと待っていれば、おにぎりやパンを配布してくれる場合もあるようだが、いくらなんでもビールはもらえないだろう( 今後は何かあった時のために常に酒を持ち歩こうと強く思った)。 それでは朝までがまんできなさそうなので、空港を脱出し、どこか宿を探すことにした。
臨時バスとお金
航空会社の人が、千歳空港近隣と札幌市内のホテルのリストを配布してくれたので、それを見ながらまずは空港周辺の宿泊施設を当たってみたが、すでに全て満室だった。 欠航が決まった時点ですぐに予約しないと、周辺のホテルには泊まることができないそうだ。 宿泊施設の手配は、国内線の場合は航空会社ではしてくれないようだ(ふつうの客には)。 こういう手配もすべて自分でしなければならないというのも、初めて知った。 電車もバスも動いていない時間なので、札幌までタクシーしかない(1万数千円かかる!)かと思ったが、空港から札幌行きの臨時のバスを用意してくれるという。 札幌ならまだホテルも空いていそうだし、マンガ喫茶もあるので何とかなるだろう。
バスの列に並ぶ
バスがあるというのでタクシー代が浮いたとよろこんだが、それは間違いだ。 そういう判断が正常にできなくなっているのだ。こういう場合は冷静にならなくてはならない。 そうこうしているうちに欠航手続きのカウンターが空いてきたので、翌日の便の予約をしたのだが、その際に「地上交通費」という名目で3500円入った封筒をもらった。 ここでもよろこんでしまったが、それもまた間違いである。 よろこび過ぎだ。 携帯電話で当日宿泊のビジネスホテルを検索したところ、札幌市内に見つけることができたので、そこを予約し、札幌行きのバスの列に並んだ。
ホテルへ
少し待ってバスに乗ったが、高速道路が通行止めのため一般道を行くとのことで、札幌まで2時間から3時間は覚悟するように言われた。ふだんの倍近い時間だ。 バスは出発したが、たしかにすごい雪だ。 僕も8年ほど札幌で暮らしたことがあるが、それでもめったに見たことがないような大雪だった。 飛行機なんて飛ぶはずがない。
ビールだ
バスは結局2時間ほどで札幌市内に到着したのだが、てっきり無料だと思っていたら臨時バス料金のは1000円だった。 当日予約の割引が適用された1泊4000円のビジネスホテルにチェックインすることができた。 ここまででもうすっかりクタクタだ。 さっそくホテルの自販機で缶ビールを買い、一口飲んだところで猛烈な睡魔に襲われて、気がついたら眠っていた。 これだったら空港にいてもよかったかもしれない。
欠航の収支報告
今回飛行機が欠航になったことによって発生した金銭のやり取りの収支をみてみよう。 地上交通費 3500円 札幌までのバス代 -1000円 宿泊費 -4000円 ---------------------------- 計 -1500円
というわけで、1500円の支出となった。 旅行を1泊分延長して1500円ならお得な気もするが、貴重な1日を失ってさらに1500円支払わされると考えたら、それはとても悲しいことだ。
さて、実験
みなさん忘れていたかもしれないが(この騒動のせいで実際に僕も実験するのを忘れるところだった)、上空で100gが何gになるかの実験である。 緯度の影響も受けるので、空港でもう一度電子ばかりを校正し、実験である。 座席のテーブルを水平器をたよりに水平にし、分銅を量ってみた。
やっぱりだめでした
考えてみれば当たり前だが、飛行機は速度を加減速しながら飛行している。 それに気流の影響で絶えず上下に高度を変えてもいる。 その影響の方が、地球の引力や遠心力よりずっと大きいのだ。 よって、残念ながらこの実験は失敗である。 ただ、本来理屈としては正しいらしいので、今度は気球にでも乗って計測してみたいと思う。