最近、影絵に凝っている。ちょっと工夫してポーズをとるだけで、動物になれたり、他の人になれたりするのでおもしろい。
友人にその話をしたら、興味深い話を教えてくれた。なんでも、人間の影が龍の形になるポーズがあるらしいのだ。それも、とても意外なポーズだという。僕もちょっと信じられなかったので、この場を借りて検証してみようと思うのだ。
(text by 石川 大樹)
まずは影絵をご覧ください
龍の前に、まずは最近僕がやっている影絵がどんなものかご紹介しよう。
で、龍です
えっと、なんだっけ。あ、龍だ。さっそく龍の話に入ろう。龍といわれてもいまひとつ形がうろ覚えなので、まずは図書館で龍を調べてみた。
おお、これだ。この長い体に炎のような背びれ(?)、立派なたてがみに、角。おなじみの龍の姿だ。
友人によると、人間があるポーズをしたとき、この龍の形の影ができるらしい。そのポーズとは、なんと、「寝転がってお尻を掻いているとき」だそうなのだ。勇壮な龍の姿とは180度真逆のだらしないかっこう。しかも、「割り箸をくわえるとリアリティが増す」そうだ。
…なんかここまでやってバカバカしくなってきたぞ。そんなわけないだろう。なんで尻掻いて龍になるんだよ。大体なんだ割り箸って。からかわれてるだけに決まってる。だんだん腹が立ってきた。でもせっかくここまでやったので、一応ためすだけ試してみよう。ダメだったらこの記事は2ページ目から「友人に文句を言いにいく」に変更になります。
全く思いがけないことだが、確かに竜っぽい形だ。さっきの図書館で見つけた龍の形と比べてみよう。
うわさは本当だった
龍っぽいどころか、かなり忠実に龍だ。龍そのものだ。くわえた割り箸は、龍の舌の部分になった。尻を掻いている腕の曲線が、龍の曲がった背中を作り出している。今にも動き出しそうなくらい完璧な造形だ。
もし家で家族や恋人が寝転がって尻を掻きながらテレビを見ていたら、影をよく見てほしい。そこには勇壮な龍の姿があるはずだから。