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土曜ワイド工場
 
ヨットレースに参加して驚いた

ヨットレースがスタート!

ヨットレースのスタートは、マラソンみたいに“位置についてヨーイドン”という方式ではなくて、本部艇というレース運営用の船が設置したブイとその本部艇の間を指定の時刻に通る方式だ。

そのため、スタート時刻ちょうどにスピードが乗った状態でブイの間を通り過ぎることがスタートダッシュの条件となる。狭い範囲に同時刻に押し寄せるスピードの乗ったヨット達。おっかないったらありゃしない。


近いよ速いよ怖いよ。

そしてレースの本番ともなると、この船のクルー達もタックやセイルの張り替えなどの一つ一つの動作にみんな殺気立ってくる。


タックの早さと正確さがレースの勝敗を左右するのだ。ファイト一発!

じーっとしているだけだった私も、せめてタックに合わせてのポジションチェンジにチャレンジだ。


そしてすっころんだ。

 

レースは後半戦へ

レースは海上にある指定のブイをUターンしてスタート地点まで戻ってくるのだが、ブイをまわった頃には海上の風はさらに強くなっており、物理的に荒れ模様のレースとなっていた。


目標のブイをまわってようやく半分終了。 彼はなぜこんな状況で立っていられるのだろう。サーカス団員なのだろうか。

そんな状況のため、ちょっとでも気を抜くと海に落ちてしまう気がして、常に全力で手すりにしがみついていたのだが、だんだんと握力がなくなってきた。そして握力の低下とともに、強烈な睡魔までもが襲ってくる。

しかし今は雪山同様に「寝たら死ぬ」状態。さすがにここで眠る訳にはいかない。


ヨットレースってハードですね。

もうこうなってくるとレースの成績云々よりも生きて港に帰ることだけが目標となってくる。意識はあるけれど記憶はない。思考能力ゼロ。

私にできることは、ただただ時間が過ぎていくのを待つ事だけだった。ここで釣り竿出したら怒られるだろうし。


白波の間に浮かぶゴールのブイを通過したとき、ここに生きて戻ってこれて嬉しいはずなのに、疲れすぎていて感情が欠如していました。

レースの時間はほんの2時間。釣り船だったら一瞬で過ぎていく時間が永遠のように感じられた2時間だった。

結果は20艇中12位。キャプテン曰く、「もうちょっと風が強かったらレース中止の天気だったね!」だそうです。

なにはともあれ、とても貴重な体験でした。

夏のレースは辞退させていただきます

レース終了後、キャプテンに今日のお礼を伝えた際に夏のレースに出場するか聞かれたのですが、先ほどのレース体験を踏まえて辞退させていただきました。即答で。たった二時間でへばっているのに、30時間走りっぱなしのレースなんて無理。出場したら3回くらいブームに頭をぶつけて、4回くらい海に落ちます。

ヨットを乗りこなせるようになればこんなにおもしろい乗り物はなかなかないのでしょうが、今から夏までにヨットを乗りこなす自信が一切ありません。ヨットを嘗めていました。ごめんなさい。

レース後は写真を見ながら親睦会。ちなみに賞品は干物でした。

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