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ひらめきの月曜日
 
あり得ない物が飛んでいる様子
「UFO写真を撮るならUFOになにを使うべきか」より


 先日、当サイトで「UFO写真を撮るならUFOになにを使うべきか」という記事があった。UFOが飛んでる写真を撮るときに、どんなものを浮かせればいいかを考察する記事だった。

 その趣旨としても面白かったのだが、UFOとは関係なく、普通それは飛んでないだろうという物が飛んでいるという状況そのものも面白かった。右の写真がそうだ。カップラーメンが飛んでいる。

 一体何が起きてるんだ、というおかしさがある。カップラーメンが空を飛ぶに至ったドラマを想像してしまったりする。

 これは自分もやってみたい。UFOとかは関係なく、いろんなものを投げ飛ばしてみました。

小野法師丸



●あんまり人がいないところ推奨

  物を飛ばしたい。そういう欲求をかなえるためには、安全性という意味でも社会性という意味でも、あんまり人がいないようなところがいい。そういうわけで、ちょっとした森にやってきた。


新緑のきれいさとは関係なくやってきた森

  春の緑がものすごく美しい森。そんな自然の輝きとは関係なく、物を飛ばしてみたい。森のきれいな空気が、そんな気持ちに拍車をかけるというものだ。


一見静かな森だが…(マウスオーバーで○出現)
何か飛んでる

 一体なんだろう。飛んでいるものの速度が速すぎて、写真でははっきりとその姿を確認することができない。バサッと落ちたところに駆け寄って、正体を確かめよう。


あー、これかー

 木々の間をムササビのように飛んでいったそれは、キャプテン翼の汚いクッションだった。

 出かける前に家で飛ばすものを物色していたとき、目にしたこのクッション。かかっていたカバーを外してみたら、こんな風になっていてショッキングだったのだ。キャプテン翼であることも、こんなに汚れていることも、だ。


あ、ムササビじゃない

 森を飛ぶキャプテン翼のクッション。緑と汚れた白とのコントラストが、見る者の口をつぐませる

 続いては場所を少し変えて、別の物を飛ばしてみた。


未確認飛行物体あり(マウスオーバーで○出現)

 飛行物体は森と溶け込んで、その姿を曖昧にする。たぶんこの画像ではよくわからないと思う。もう少し拡大して見ていただければ確認できるだろうか。


これは…
もしかすると…

 木々の間を飛ぶ、四角い物体。勘のいい方は「ああ、あれか!」とひらめくものがあったのではないだろうか。


カレールーでした

 それはカレールー(とろけるカレー)だ。

 大型旅客機が発達し、海外に出かけることもそう難しくなくなった現代。それでも、人類が古くから願ってきた空を飛ぶという夢が決して色あせたわけではない。

 そんな夢を乗せて、カレールーは飛んだのだと思う。

 そろそろ目も慣れてきた頃だろうか。続いては少し難しいかもしれない。


視界を横切る紅い影(マウスオーバーで○出現せず)

 画像やや左寄りに、紅い物体が飛来しているのがわかるだろう。木に赤い実が実っているわけではない。ややスピード感に欠けるが、飛んでいるのだ。


バラでした

 正解はバラだ。植物ということで周囲との親和性が高く、確認が難しかったかもしれない。

 別にクイズ形式というわけではないのだが、続いてはボーナス問題だ。


風に乗って飛ぶ何か
無駄に躍動感のある一枚

 これは簡単だろう。ドラマ性も描きやすい。


着地したシャツ

 シャツである。カレールーが飛ぶ理由は想像しがたいが、シャツならばまだなんとなくあり得る。詳細はともかく、シャツが飛んでいっちゃったんだと思う。

 画面の外に裸んぼうになった人がいることを想像しても楽しい。「待ってー!」と、追いかける人も出てきそうだ。

 最後は開放感ある物を紹介したい。


楽しそう
自由だ

 青空をバックに、フリーダムな様子が撮れた。楽しそうな様子ゆえに、こんな風に空を飛べたら…と、せつなくなる気持ちも湧いてくる。期せずして、翼を持たずに生まれてきた自分に気づかされる。


ヒャッホー
ウェーイ

底抜けな明るさが好きだ

 カエルのぬいぐるみだ。今回飛ばしていて、一番気持ちがよかったものでもある。

 ぬいぐるみが空を飛ぶ意味はわからなくても、その気持ちよさそうな感じはよくわかる。クッションやカレールーには感情移入がしづらいが、ぬいぐるみならば命を摸した物である分、投げたそれと一体化できる部分があるからだ。

 着地した姿も見事。こんなところでカタルシスを感じたのは意外だった。

 日本や世界のちょっと変わった祭りに、何かしらの物を投げるというのがよくある。それぞれ謂われはあるのだろうが、根本のところにつながりがあるような気がする。何でもいいから、物を投げるというのはなんだか楽しいということだ。

 原始人みたいなことを言ってると思うが、これからも何か行き詰まることがあったりしたら、差し障りのない範囲で物を投げたいと思う。


 
 
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