■「アタゴ」と呼ばれているらしいけど

なんで自分で集めていることを忘れてしまったのかも思い出した。このカドイシは例のトマソンに「アタゴ」という名前で取り上げられているのを知ったからだった。

ちょっと面白いものを見つけたので集めて発表すると「ああ、トマソンだね」と言われてしまう昨今。なげかわしい。誰かが先に目を付けていたとかそういうことは気にせずやっていこうと思う。だって、ダムだって団地だって気にせずやってきたしな。

■おしゃれカドイシ

個人的にカドイシには、前ページにあったものたちのように、無骨な佇まいを保ってほしいと思っている。しかし、見ていくと中にはなんだかこじゃれてしまっているものがある。

もしかしたらカドイシではないのかもしれない。純粋なエントランス彫刻としての石。「ぶつけたら弁償させられそう」と思わせられる佇まいは、そういう精神的な面でもガード効果を発揮していると言えるかもしれない。あなどりがたし、オシャレカドイシ。あんまり好きじゃないけど。

上の作品もおおいにこじゃれている。素材選びといい、表面のテクスチャといい、なによりその真四角な造形であまつさえ面取りまでしてあるカドイシ。そのそつのなさがいけすかない。カドイシはもっと「急ごしらえで適当に置いたものがもう何十年もそのまま」という感じのものがよいのだ。

上の作品などは機能性を放棄したおしゃれカドイシ。標高も低く、これではクルマのアタックには耐えられまい。いや、もしかしたらこれはカドイシではなく、ほんとにたんなるおしゃれ石なのかもしれないとも思う。家本体がおしゃれ染めハウスな点もその推測を補強していると思う。しかしこんな狭いスペースに置くことがほんとにおしゃれと言えるのだろうか。謎は深まるばかりである。なんかあんまりやる気のないプランターとか置いてあるし。