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チャレンジの日曜日
 
京都の駅そばは薄味なのか
駅そばですが、うどんも食べてます。


 京都の食は薄味だという。たとえば湯豆腐。京都の有名な名店の湯豆腐なぞ、ほとんど味がなく、その僅かな味を楽しむのが京都風だとか。

 しかし京都の味は本当に薄味なのか。その疑問を解決すべく、日本各地の駅そばでつゆの塩分を測定してみた。京都の駅そばは一番薄味なのだろうか。

ライスマウンテン

東京

まずは東京駅の地下通路にある駅そば「大江戸そば」にいってみた。


東京駅の駅そばでは、サラリーマンがかなり出入りしてた

DPZではときどき活躍する仕事人「塩分計」がこの記事でも活躍。
駅そばのつゆ調査で最初から”うどん”を注文。つゆは同じだから大丈夫でしょう。

食前、食後でもつゆの塩分はほぼ同じと思われる。
東京=1.06%

 

大阪

 大阪、正確にいえば新幹線が止まり、遠方からの利用客が降りる新大阪駅で駅そばを探した。駅構内にも、新幹線の駅ホームにも駅そばはあった。そしてどれもが、いかにも大阪っぽい感じはさすが。


新幹線ホームの駅そば。たこ焼のエッセンスがさすが大阪だ。

改札に近い駅構内の駅そば。
「たこ飯」にタイガース色の「お食事」のちょうちんがいかにも大阪っぽい。

そばが絡むモーニングセットを注文した。

大阪=1.40%

 

名古屋

 名古屋駅で、新幹線の駅ホームで、駅ビルで探したけれど駅そばはなかった。その代わり駅きしめんがホームにも、駅ビルにもあった。さすが名古屋。

 そこできしめんのつゆの塩分を測ってみた。


こういうのって駅そばでなく、駅きしめんというのだろうか。
と思って検索したら、結構「駅きしめん」は使われているようだ。

駅ビルにもきしめん。ここで塩分をチェックしてみた。

きしめん。名古屋の味だけに、濃そうなイメージが。

名古屋=2.65%。やはり濃かった。

 

福岡

 博多駅は、「名古屋は駅そばはなく、駅きしめんでした」というオチに近かった。駅そばならぬ駅ラーメンがあったのだ。さすが博多ラーメンの街。

 その一方で駅そばも在来線ホームで発見。塩分をチェック。


さすがラーメンで知られる街だけある。
のれんを掻き分けたいところだがここは我慢。

駅そば(むしろ駅うどん)を発見!

福岡(博多)=1.87%

 

広島

 広島駅の新幹線ホームに駅そばを発見。券売機で一番目立つボタンの「肉うどん」をチョイス。


新幹線ホームの駅そば。カレーワイスや和風ラーメンも扱っているけれど、
食ってくれといわんばかりの肉うどんには魅力かなわず。

肉うどんにいなりのセットを注文。

広島=2.2%。食べ終えて再調査したら 2.04まで下がった。

 

仙台

 仙台は駅そばよりも駅弁の勢力が大きい。お勧めといわんばかりの駅弁を避け、駅ビルにあった駅そば屋で塩分をチェック。


新幹線のホームにあった駅弁屋でプッシュされてた「南三陸 海宝弁当」
名前だけでうまさがにじみだす。


駅ビル内にあったそば屋。仙台だから伊達そば。

わかめ温たまそばを注文。塩分は2.31%と意外にもちょっと濃い目だった。

 

京都

 で、京都ですよ。今のところ、もっとも薄いのは東京の1.06だったけれど、薄味といわれる京都はもっと数字が低いのか。


在来線の特急が到着していたホームにある駅そば「麺倶楽部」


京都は1.63%だった。薄くないじゃん。


 京都の駅そばのつゆは意外にも薄くなかった。それよりもはっきりと、塩分系がなくてもわかるほど、東京や大阪の駅そばのつゆほうが薄かった。ちょっと意外で驚いた。

 それ以上に驚いたのはセルフサービスで、麺をもらって、具を盛って、それで清算するという形式だったこと。さすが観光都市京都、これなら外人でも躊躇をあまりせず、日本のそば、うどんを食べることができる。こういうところは、その都市の玄関口の駅そばくらいは真似したほうがいいと思う。


今回巡った駅そばの中で唯一セルフサービスだった。えらい。

 

 ところで駅そばの中にも「そば」を前に出す店と「うどん」を前に出す店があったのにお気づきだろうか?


東京駅では「そば・うどん(ついでに丼)」

大阪駅では「うどんそば」。

 東京では「そば」、大阪では「うどん」が前に出されるとすると、どうやら西では「うどん」、東では「そば」となりそうだ。

 ここでもうちょっと新幹線の駅数を増やして、西から駅そばの店を確認してみよう。


博多駅(福岡)

うどん(とラーメン)

小倉駅(北九州)
うどん
広島駅
うどん
新大阪駅(大阪)
うどん
名古屋駅
きしめん
静岡駅
そば
品川駅(東京)
そば
東京駅
そば
仙台駅
そば

 大雑把に言えば、大阪から西は駅そばならぬ「駅うどん」で、駅そばは静岡から東だった。

 名古屋は我を通し「駅きしめん」なのが、東にも西にもぶれず、中京たるところを見せつけたともいえる。

 名古屋以上に関心したのが京都。


京都駅のは「麺倶楽部」。うどんでもそばでもない。


 京都のそれには、どこにも駅そばでも駅うどんでもなく、あくまで麺スタンドを貫いた。さすが東にも西にも配慮した観光地の麺スタンドだ。こうでないと。

 …と思ったら


京都駅の麺スタンドを入口からみると


 「うどんそば処」と書いてあった。やっぱり京都の駅そばも「うどん」が優先だったのだ。失礼しました。


 
 
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