片付けは大変だ
回収済みのゴミの片付けはけっこう大変だ。一度プレスされたゴミは袋が破れていることも多くて、持った端からボロボロと中身が出てきてしまう。移動がないぶん街での収集より楽かと思いきや、ただ詰め込むだけでも一苦労。
ところで、今回は取材のために一度回収したゴミを広げていただいたのだが、こうやってゴミを広げてみるのは、取材以外でも諸事情でたまにやっていることらしい。
財布をゴミ箱に捨てないでください
諸事情というのは、たとえば、誰かが貴重品を捨ててしまった時。区民から「間違って財布を捨ててしまった!」なんて電話が清掃事務所に来ると、こうやって回収したゴミを全部出して、財布を捜すことになる。これまで財布のほかに貴金属、現金、珍しいところでは入れ歯や馬券、それから入試の受験票を探したこともあったそうだ。
「たからさがし」と呼ばれているこの作業、名前は楽しげだがやってみると片付けだけでも相当な大変さ。作業スケジュールも大幅に狂ってくるだろう。今回の取材にあたって、職員の方に「なにか書いて欲しいことはありますか?」と聞いたところ、第一声が「貴重品だけは絶対に捨てないでください!」だった。てっきり分別回収の話をされるかと思ったのに。たからさがしはそのくらい大変な作業なのだ。読者のみなさんも、これからは(というかこれからも、というか)財布やお金はゴミ箱に捨てないように気をつけましょう。
警察の捜査協力も
そしてそれとは別に、警察対応でゴミを広げることもあるのだそう。近隣で殺人事件などがあると、警察立ち会いのもと、凶器や証拠品が捨てられていないか、ゴミを広げてチェックするのだそうだ。小さな袋や包みのひとつひとつまでいちいち解いてチェックするこの作業、貴重品の宝探し以上に大変らしい。隠れた苦労だけれど、その苦労のおかげで ゴミの収集は治安維持にも貢献しているのだ。 |