デイリーポータルZロゴ
このサイトについて


はっけんの水曜日
 
原宿おしゃれスケッチ
トーキョー、ハラジュクにて。

はっきり言おう。
私はオシャレじゃない。

まあ、お金持ちじゃないのでブランドものを着ない、というのもあるけれど---ブランド着てるからオシャレ、というわけでもないし。

オシャレというのは、どうも、日々の鍛錬から身に付くものらしい、というのは薄々分かっている。
素振りを毎日続けたら、バッティングが上手くなる、みたいに。
合わない服、人の真似の服でも、毎日着続けていれば、自分流に着こなせるようになるらしい。
そして精進すれば「どうでもいいTシャツ1枚着てても、かっこいい」身のこなしになるらしい。

そんな、おとろしい世界(どっちかというと武道とか芸術に近い)なので、とてもエントリー出来ないのですが、ずっと興味はあるわけで。

で、今回、原宿ラフォーレ前交差点で、平日昼の炎天下の数時間、「今年の初夏のオシャレさん」をスケッチしてみました。
なぜスケッチかというと、ファッション雑誌編集部でもないし、ファッションを見る目に自信ないし、素人判断なので、呼び止める資格ないな〜、と思って。
完全観察モードです。

リアルクローズって何ぞ?

(text by 大塚 幸代

原宿で定番で見かけるのは、全身うすピンクとかを着た、ガーリーな女の子。原宿以外で見るとギョッとするけど、原宿で見ると普通。前に雑誌で「ファンシー族」という名前をつけられていましたが…他にネーミングはないのだろうか。まあファンシーなんだけど。
原宿って、原宿ホコ天廃止時から、ストリートファッションの進化が止まってしまった、という説があって…コレは原宿ホコ天の流れを受け継いだ「変わった格好のカワイイ女の子」路線のスタイルらしいです。ややこしいな。要するに「原宿的には正統派」ということ、かな。可愛いのでよし。

 

男子はこんな、ファッション雑誌そのままの感じのコ、多し。雑誌情報が先なのか、ストリートが先なのか、さっぱり分かりません。松田翔太風多いですね、髪ながめ・くせ毛風・横に流す感じ。ブロックチェックのデッキシューズを履いてるコを、何人も見ました。流行ってるんですね。
こういう格好の人は、原宿でしか見ないですよね。他の町では、当サイトのライター・藤原くんみたいな男子しか見ないような。

 

おだんこヘアー、思ったよりも多くないですね。夜の音楽イベントなんか行くと、やってる女子が多いんですけど、あれはドレスアップだったのか…? 
シュシュは無茶苦茶流行っております。髪にはもちろん、ブレスレットとして手首にはめてる人も。ていうか、それはブレスレットと兼用なのか、純粋にブレスレットなのか。わからん。

 

80年代ファッション、ちゃんと流行っております。ポニーテールも復活のきざし。ポニーテールマニアは感涙ものでしょう。でも斉藤由貴とかの「おくれ毛、もっさり、瞳ウルウル」とかではなく、全体的にシャープなポニーテールしか見なかったですよ。ゼロ年代だもの、仕方ない。
「その爆発した髪と、ほぼレオタードみたいな服は!?」みたいなお姉さんもいたました。ジャネット・ジャクソン風。ダンサーの方だったりするんだろうか。

 

ゴスロリさんや、ビジュアル系ファンなんだろうなー…という女子も見かけました。
ゴスロリさんはあくまでも長そで。あと服の装飾としての、編み上げ率高し。暑いだろうけど、我慢するのが美学なんだろうなあ。
ビジュアル系ファンは、パンクファッションをファンシーに解釈したスタイルといいますか、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』のキャラクターのパチもの(か、インスパイアされて作られたキャラクターか何か)を背負ってたりして、独特の雰囲気。
ちなみに本当にパンクの人やスカコアの…音楽好きっぽい人も歩いていましたが、「ゼロ年代なんか、関係ねえぜ」という感じで、80、90年代と全く同じ服・雰囲気で歩いておりました。頑固。

 

半ズボン、流行っているのでしょうか。しかも何ていうんですか、生地がコットンじゃなくて、スーツを半分ちょん切ったような生地の半ズボン…。難しそうな服を、着こなすものですね。半ズボンに高そうな革製バッグを合わせたり、長髪メガネなのに、気合いでこざっぱりさせたり。

 

古着じゃなくて、新品でオシャレな男子も、あのー、装飾品をほとんどつけてない、ミニマムな感じ。去年はポロシャツにネクタイとか、アフガンマフラーとか、何かプラスするのが、流行ってた気がするんですが。たんに暑いから? あと脱いだ上着を、斜めに結んでる人を何人が見ました。流行ってるんだろうか。

 

オール古着で「ああコレはオシャレなんだろなー」と思わせる格好…って、難しいですね。昔は極端にダイエットして、あからさまなブランドもの着て、「私、オシャレですからー」と示してた気がするんですが、最近のおしゃれヤングは堂々と勝負しててスゴイ。金髪、キャップ、スーパーマンのTシャツ、アラレちゃん眼鏡(大江千里型)、スリムパンツだよ。それで上手くバランスとってて、なーんかかっこいいんですよ。すごい。
ちなみに「キャップを斜めにかぶる」のは、何人かやってました。

 

スピーカーの付いたリュック、ゼブラ柄のスパッツのコがいました。ちなみに男子です。こういう「あきらかに変わった格好」のコは、昔からいた気がする。見かけると、逆に安心する感じ。

 

たぶん今のトレンド…の3例。新品と古着をミックスしてて、「常人だと、かっこ悪くなっちゃう」アイテムを、堂々と着て、かつバッグや小物で「これ、ダサいんじゃないんです、オシャレで着てます」とアピールしてる感じ。実際、かっこいい。でもこんなのやっぱねえ、パリジェンヌやロンドンっ子やトップモデルの普段着みたいなやつさあ、上級者しか出来ないですよ、すぐにはマネ出来ないですよ。

 

意外とすぐ真似出来そうなのは、こういう唐突なやつ。服は普通なんですけど、片手がメカっぽい人がいました。すみません、これはどういったジャンルの方なんでしょうか…。

 


ほか、気になったもの。でも「ありえないーなんじゃーこりゃー!」という格好の方は、いらっしゃいませんでした。

 

■わかったこと

素人ながらに、思ったことをいくつか。

・流行っているのは白黒2トーンのブロックチェック、上品な半ズボン、大江千里風80年代メガネ、キャップの斜めがけ、シルバー小物、シュシュ。あとでっかいリュックを、わざとヒモをのばして背負ってる人が多かった気が。
・ブランドものを着てるのかもしれないけど、ロゴが入ってるの着てるとか、あからさまに形が変わってるとか、そういう服を着てる人はほとんどいなかった。古着など、難易度の高い服を着こなすほうがかっちょいい、的な雰囲気を感じた。
・テレビや雑誌で「流行ってる」と言ってる「スマイリー」(ニコちゃん柄)、「スイーツ」(なんか甘いものの柄)、星柄を着ている人がさっぱりいなかった。渋谷にはいるのかも。

ああ、リアルおしゃれクローズは、なんだか難しい所に入るこんでいるようでした。やっぱり真似できない…。

ちなみにこの取材日のわたくしの格好。個人的に「ハンパ丈ブーム」がきております。たぶんどこでも流行ってないし、これからも流行らないし、すすめないし。


 
 
関連記事
トタンでオシャレスポットを作る
原宿のハロウィ−ンパーティ
日常生活を法廷風スケッチで

 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲トップに戻る バックナンバーいちらんへ
個人情報保護ポリシー
© DailyPortalZ Inc. All Rights Reserved.