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ひらめきの月曜日
 
むしろハズレが気になるガチャガチャたち
 

 「ガチャガチャ」と言われるおもちゃの販売形態がある。硬貨を入れてハンドルをガチャガチャと回すと、カプセルに入った何かしらが出てくるあれだ。

 子供の頃、こづかいを投入してやった覚えがある。大流行したキン肉マン消しゴムのように、全てのカプセルに本来の売り物が入っている例もあるが、当たりとハズレとが明確に分けられているものもあった。

 目玉となる当たり商品に対して、ハズレのカプセルにはかなり不本意なものが入っていた記憶がある。大人になった今、あのがっかり感を再び味わいたい。

 精神的にゆとりがある大人ならではの、ギャンブル性を逆手にとった楽しみ方でガチャガチャをやってみた。

小野法師丸


 

子供の頃の残念な感じを今あえて味わう

正式名称なのかどうかはわからないが、「ガチャガチャ」という言葉は大変に魅力的だと思う。買うときの実感がよく表れているキャッチーな語感がある。

もちろん、ビジュアル的にも子供心をくすぐる要素が強い。

 

ちょっとしたデパート感 この手のタイプは今回はスルー

 

駄菓子屋の前にいろいろなガチャガチャが居並ぶのを見ると、ほんとはお菓子を買いに来たのについついガチャガチャにつぎ込んでしまうこともあった。今回改めて見ても、この訴求力はなんなんだ、と思わされた。

 さて、いろいろある中、上の写真のうち右にあるようなタイプは今回はスルーすることとしたい。種類はともかく、必ずポケモンの 小さなフィギュアが出てくるらしい。

 今回求めているのはこうしたタイプではない。明確なハズレが存在しているものをやりたい

 

テンションの高さがはっきりと伝わってくる あの「どんだけボタン」と言われても

 

こちらのガチャガチャ、一見すると何が出てくるのかわからないが、どうやら「どんだけボタン」というものが目玉商品となっているらしい。「あの『どんだけボタン』」と言われても全くピンとこないが、小学生的には憧れの的のようなものなのだろうか。

 注目すべきは、右の写真下部にぼやけた状態で見える「写真の見本以外の品もいろいろはいってます」との表記だ。

 今回試したいのはこのタイプ。さあ、百円玉を投入してハンドルを回してみる。

 

カプセルは金玉タイプ どんだけボタンではない謎の物体

 

 不透明で中が見えない金のカプセルに焦らされて開けてみる。……登場したのは、なんだか布。

 明らかにどんだけボタンではない。広げてみよう。

 

あー、ネックピースね

 

 布と説明の紙を広げて正体がわかった。ネックピースだ。

 と言ってはみたが、ネックピースがなんなのかよく知らない。調べてみると、社員証などを首からぶら下げたりするするときに使うあれらしい。ネックピースって言うのか。

 そこには納得しつつも、湧いてくるのは釈然としない思い。それは、どんだけボタンとネックピースとのかけ離れた距離に感じるものだと思う。これだ、この感じを味わいたかったのだ。

 子供がなけなしのこづかいを使い、どんだけボタンを求めてやったガチャガチャの答えがネックピース。この味わいだ。さあ、続けてガチャガチャやってみよう。

 

またも謎の商品 組み立て式らしい

 

 続いて登場したのも、一見したところ神秘のベールに包まれたもの。説明書などは入っていないが、なんとなく組み立ててみる。できあがったのは、「ANIMAL CAT VOICE」と書かれた笛だ。

 吹いてみる。…確かにネコの鳴き声っぽい音がする。

 そして胸に去来するせつなさ。期待通りにグッとくるものが繰り出されてきた感じだ。

 

続いてはネックピースの色違い

 

 ところで今回の試みでは、自分の中でルールを決めていた。ひとつのガチャガチャを延々とやっても展開が見込めないので、5回までにしておくというものだ。

 その3回目に出てきたのは、先ほどとは色違いのネックピース。全部で10種類あるらしい。

 期待通りの展開なのだが、ネックピース、笛、ネックピースと来たところで、自分の中に意外な気持ちが湧いてきた。どんだけボタンがほしくなってきたのだ。

 はじめはそんなボタンに興味はなかったのだが、違う物が連発で出てくると、なぜだか欲しくなってくる。今度こそ!と思ってハンドルを回す自分がいる。術中にはまっているのか。

 

あっ!今度のは黒いぞ! 超レアな暗黒タマゴであるらしい

 

続いて出てきたのは、先ほどまでの金色のものとは違う、黒いカプセル。おお、これはすごいぞ、なぜならこれは「超レアな暗黒タマゴ」であるらしいからだ。

 ついにどんだけボタンの登場か。高ぶる期待をおさえて開けてみる。

 

こ、これは… こんにちはー

 

 登場したのは、これまでの商品とは明らかにテイストの違う物。ただ、どんだけボタンでないことも明らかだ。超レアな暗黒タマゴから生まれたのは、べとべとした人形だった。

 

すごくべとべとしている

 

 プルプルとした人形は、触ってみるとかなりべとべとしている。うう…。

 「ハズレ連発→超レア暗黒タマゴ登場→いよいよどんだけボタンか!?」という感情の流れの末に出会ったべとべと人形。これだ、この裏切られ感こそ期待していたものだ。

 家に帰ってから窓ガラスにべとべと人形を投げつけてみると、ゆっくりとべとべとしながらガラスを降りていって、ちょっと楽しい気持ちになった。意外とおもしろいではないか。

 

感想が言葉にならない

 

 このガチャガチャの最終回である5回目の商品は、カエルの指人形。筆舌に尽くしがたい感じがよく出ている。

 指人形は子供用であるためか、私がはめたところかなりきつい。圧迫されているためか、指先の血流に心臓の脈動が感じられて、またも妙な気持ちになる。

 念のためこのガチャガチャを5回やって出てきたものをまとめてみると、

 ・ネックピース(水色)
・ネコの声っぽい笛
・ネックピース(黄土色)
・べとべと人形
・カエルの指人形

 ということになる。まとめるまでもないが、まとめたことでひとつひとつと出会ったときの自分の気持ちがよみがえる。振り返るに500円でこれだけ感情の起伏を味わえるアミューズメントというのはそうそうないと思う。

 

 

 
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