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ロマンの木曜日
 
新車発表会に行ってきた
生まれてはじめての新車発表会


新車発表会に行ってきた。
新車発表会といっても、週末に近所のカーディーラーでやっているあれではない。
報道機関向けに開催する、本物の新車発表会である。
都内のホテルで行われた、マツダの新車種「ビアンテ」のお披露目イベントだ。
普段生活していてこういったイベントに参加する機会はまったくないので、たいへん楽しみにして出かけたらたいへん楽しかった。
おもしろいっすよ、新車発表会は。

工藤 考浩


東京プリンスホテルへ

新車発表会は東京タワーのふもとにある、東京プリンスホテルで開催された。
ホテルのランクのことはよく知らないが、僕にとっては普段縁のない高級ホテルだ。
普段利用しているのはアパか東横インばかりで、入り口に白い手袋をした人が立っているホテルなんてめったに入ることはない。


どどんと存在感がありますね
発表会の会場ロビー
受付を済ませてエスカレータで鳳凰の間へ

大掛かりだ

受付を済ませて発表会の会場に入ると、白い布をかぶせられた車が9台も展示されていた。
部屋の中に車があるというのは不思議な雰囲気で、いったいどこから搬入したんだろうと疑問に思う。
ボトルシップみたいに中で組み立てたんだろうか。
もちろんそんなはずはなくて、どこか大きな搬入口があるのだろうけど、この会場にそんな設備があるというのが驚きで、すでに興奮モードになってしまっている。
まんまと相手のペースにのせられている感じだ。


ステージの上にも3台

すごい天井

ここは大きなパーティーをやる会場なのだろう、じゅうたん敷きの床と、きらきら輝く照明が配された天井が一昔前の豪華絢爛さだ。この手の豪華さには典型的なおもてなし感があって、ついつい高揚してしまう。これも相手の思うがままだ。
それにしても。すごい照明だ。
こんな照明は親戚の結婚式か、以前勤めていた会社で行かされた地元政治家のパーティー以来だ。


テレビカメラもスタンバイ
会場の人がみんな自動車評論家にみえる

白い布

肝心の新型車は、先ほども書いたとおりすでに会場内にセッティングされているのだが、すべて白い布がかぶせられている。
こんなふうに布がかかっていると、中身を見てみたくなる。
ちらっとのぞいちゃおうかなとも思ったが、たぶんマツダの人におこられると思うので遠慮した。
ちらっとではなく、ザバっと布をはがしちゃえば、それはそれでおもしろそうだが、この場でおもしろさを求めている人は誰一人いないので、想像するにとどめた。
しかし、布で覆われているだけで、どうしてこうものぞきたくなってしまうんだろう。
この車は普通のファミリーカーで、あとひと月もすれば街なかを走ることになるんだから、今すぐ見る必要もいないのに。


ガバってはがしちゃいたい衝動におそわれた

報道資料をもらった

場内のアナウンスが発表会をまもなく開始すると伝えているので僕も席に着いた。
どうもへんなテンションになってしまっているので、一息入れて落ち着くべく、受付でもらった資料の封筒を見てみると、普通にカーディーラーでもらうカタログのほかに、PRESS INFORMATIONと書かれた、開発コンセプトなどが説明されている立派な冊子が入っていた。うれしい。
それにはCDロムもついていて、家に帰ってみてみたら、自動車雑誌などに使われそうな大きなサイズの写真がたくさん収められていた。
なんだか特別なものをもらった気分になってうきうきしている。
またもや相手のペースだ。
いや、ただの新車発表会なのだから、相手のペースもなにもないのだが、あんまり楽しくて、これはいけないぞという気持ちがはたらいてしまうのだ。
興奮しすぎないようにブレーキをかけているんだと思う。


いいものもらったさ
社長会見の照明テストとかをしている

発表会開始

会場の照明が一段暗くなってかっこいい音楽が鳴り、ステージ上のスクリーンにイメージビデオが映し出された。
いよいよ発表会のはじまりだ。
花とか風船とか、ハッピーな感じの映像が流れ、そこに開発のキーワードが映し出される。
テンポのいい音楽とあいまって、こちらもドキドキしてきた。
ビアンテってどんな車なんだろう、そういう興味がしぜんと沸いてくる。
その後、スクリーンに新車種のロゴが大きく表示されて、車にかけられていた白い布がはがされた。
ジャーン、マツダ・ビアンテです!
ここで初めて世間に実車が公開されたのだ。
うほほ。
みちゃったもんね、新型車。
なんで僕はこんなにうれしいんだ。


イメージVTRが流れる

スクリーンがいくつもあって、違う映像が映されている
キャッチフレーズが興奮を誘う

ジャーン、ビアンテです!

ほしくなった

この自動車は8人乗りのミニバンだ。
ようするにファミリー向けの自動車だ。
独身でインドア派の僕にはまったく縁のない車である。
なのに、欲しいと思った。
どうしてだろう。
もし今僕に車を買う予定とお金があったとしたら、きっと買ってしまっているだろう。
こういう風に新型車の発表をみちゃうと、どういうわけだか欲しくなってしまう。
報道陣対象に発表会を開くんじゃなくて、ふつうの人にもこういう発表会を見せたら、買っちゃう人が絶対いると思うので、自動車メーカーはぜひやるべきだと思った。


社長挨拶
開発担当主査のプレゼン

プレゼンがかっこいい

覆いを外したお披露目のあと、社長の挨拶がはじまった。
この自動車にかけるマツダの意気込みのような感じのことを話していたのがワールドビジネスサテライトをみているようだった。(実際にWBSの取材も入っていた。)
そのあと、開発担当主査によるプレゼンテーションがあったのだが、それがまたかっこよかった。
紙を見ずに、ステージを歩きながらすらすらと開発コンセプトを説明する様子が、外国映画にでてくる有能な技術者みたいでびっくりした。
そのプレゼンの途中で、ステージの横から家族連れが登場した。


家族連れが使いやすさをアピール
理想の家族みたいな感じのモデルさんたち

この家族連れはモデルさんか俳優で、ステージ上でこの車の使い勝手を生CMのように実演するのだ。
僕と同世代くらいのスマートなお父さんと美人の奥さんが子供二人とともにニコニコと実際に車に乗り込み、シートアレンジを変えたり、広さをアピールしたりするのである。
こういう演出があるとは夢にも思っていなかったのでとても驚いた。


 

劇団ひとりさんも登場

発表会の最後にはこの車のCMイメージキャラクターをつとめる劇団ひとりさんからのビデオメッセージで締めくくられた。
ビデオメッセージは、この発表会のために撮影されたもので、それを見てこれまた得した気分になった。
別に僕のためだけのビデオレターではないのだけど、得した気分になった。
結婚披露宴で芸能人がビデオでメッセージをくれる演出があるが、それとおんなじようなお得感である。


社長さんはマスコミ対応
報道陣や自動車関係者で大賑わい

で、どんな車か

発表会自体は終了し、その後は実際に車を見てみる時間がとられていた。
式次第には「新車見取り」と書かれていた。きっと業界用語なのだろう。
僕も実際に見せてもらったのだが、新車はやっぱりかっこいい。
具体的にどういう車なのかは詳しい人が書いた詳しいサイトがあると思うのでそちらに譲るが、家族がいる人にはきっととてもいい車なのだと思う。


ピカピカですね、新車は

皆既日食をイメージしたというメーター周りがかっこよかった
タイヤも新品で黒くていいにおい


 

おもしろかったですよ

初めての新車発表会はあっという間に時間が過ぎてしまった感じだ。
普段まったく接点のない自動車業界をチラッとだけだが見ることができてたいへん楽しかった。
僕は小さいころから自動車が好きだったので、ちょっとした夢見心地でホテルをあとにした。
こういう、専門の人たちが集まる場というのは、いつもおもしろい体験ができて興味深い。
いつか飛行機の新機種発表会とか、新型ロケット披露会などにも参加してみたいと思った。

 
 
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