ハッキリ言えばかつて暴動などが起きたのもあって、今も山谷に対して「粗暴な街」という印象が残っているのも事実。しかし行く前に昔からの東東京の住民たちに山谷の印象を聞くと「今はそうでもない」「怖い物見たさなら拍子抜けするよ」とか。ただ「たしかに泪橋渡ると雰囲気変わるよね」とも。
泪橋交差点を渡った先、道の広さのわりに閑散とした交通量の吉野橋通りの左右に簡易宿泊所が立ち並ぶ。ま、屋号はどこも「ホテル」だけれども。店頭に書かれた一泊価格はほとんど2千円代、テレビ・冷暖房付。脇の通りにも小さな宿泊所がちらほら見受けられる。ちょっとした温泉街のように見えなくもないが、何かが違う。妙に静かなのだ。
ぐるりと一周してみて気づくのが、宿と酒場以外の店の少なさ。かろうじてコンビニはあるものの、あとは喫茶店・100円ショップなど飲食・日用品系。ホテルが居並ぶ場所にしては不自然だ。 |