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フェティッシュの火曜日
 
ホヤ養殖場見学でとれたてホヤホヤ

ホヤにはプラスとマイナスがある

せっかくホヤを捌いているところなので、サイトウさんにホヤの捌き方を教えてもらうことにした。たまに魚屋でホヤが丸ごと売られているのを見かけるが、捌き方がわからず買えなかったのだ。


サイトウ 捌き方はいろいろあるんだけれど、教えるのはうちらのやり方ね。まずホヤは上にプラスとマイナスがあるから…
玉置 は?
サイトウ ここ。プラスが入水孔、マイナスが出水孔だね。
玉置 あ、本当だ。バッテリーみたいですね。

左がプラス、右がマイナス。キャラクタービジネスのモチーフに最適。
※マウスオーバーで説明を表示。

サイトウ このプラスとマイナスが管でつながっていて、プラスから海水を吸ってプランクトンなどのエサを漉して食べて、マイナスからはき出すんだわ。
玉置 がってん。
サイトウ フンがマイナス側に溜まるから、ホヤをこうマイナス側を手前に逆さに持って、包丁を縦に入れる。マイナスのところまで切ると、管が切れるからフンがとれる訳だ。
玉置 なるほど、こうですか。

ザクッと包丁を縦に入れる。

サイトウ 切ったところから、簡単に身を取り出せるからやってみて。
玉置 あ、すごい。ホヤのイボイボの形そのままに皮が剥けた!

こんなにエッジの立ったホヤ、はじめた見た!


サイトウ あとは切れ目からフンと茶色い肝臓をとって真水で軽く洗ったら食べられるよ。
玉置 ありがとうございます。これで自分で料理したホヤが食べられます。

フンと肝臓をとる。左側の黒いのが肝臓。


さっそくいただく

朝(というか夜中)とったばかりのホヤ、捌きたてのところをひとついただいて、さっそく食べてみよう。味付けは一切なし。真水で洗って半分に切っただけ。


こんなに大きい一切れ、食べたことない。

ホヤっていうと、よく小さく切ったやつを三杯酢なんかでちびちびと食べるけれど、これは一切れで口いっぱい。

新鮮なホヤはとても瑞々しくて柔らかく、まず海水を甘くしたような不思議な風味が口に広がる。そして次にくるのが苦みを含んだホヤ独特のえぐみ。

えぐみという言い方が不適切ならば、風味といってもいいかもしれないが、ここはあえてえぐみといいたい。このえぐみ、珍味好きの舌をまったくイヤではないえぐり方をしてくるのだ。どちらかというと「もっとえぐって!」と思ってしまうタイプのいいえぐみ。

そしてそのえぐみが落ち着くと、口の中にはホヤの甘みと旨みだけがしばらく残る。まさに味のジェットコースターロマンス。

あ、鳥肌立った。


うまい。

ちなみにホヤは真水で洗うと甘くなり、酢を加えると苦みが増すのだそうだ。

「ホヤを食べた後に水を飲むと甘いよ」といわれたので飲んでみると、これが確かに甘い。ただの水道水なのに、ホヤを食べた後だとごくごく飲める。ホヤウォーター、どっかから売り出さないだろうか。二日酔いの朝とかにグイッといきたい味である。


甘い!

昔、ガッツ石松が試合前に極限まで減量をして、計量後に飲む水がとても甘く感じるといっていたのをテレビで見たが、きっとこのホヤウォーターもそれに負けないくらい甘いはずだ。

新鮮なホヤはべらぼうにうまい。

うまいという事実を舌と心に刻んだところで、今度は船に乗って養殖場を見学させていただこう。

 
 

 
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