−−やっぱり漫画家の経験が買われて採用、て部分もあるんですか?
「それまでプログラマー寄りなディレクションする人はいたんだけど、アーティスト寄りなディレクションができる人を探してたらしいんです。そこに僕が玩具メーカーで10年営業やりながら漫画書いてたって経歴をもってきたんで、こいつは面白いかもって取ってくれたんですよ」
−−職歴にはプラスになったんですね、ゲーム会社ってのもあるんでしょうけど。
「でも入ってみるとゲーム会社って管理職やろうって人がいないんですよ。皆ゲーム好きで入ってくるわけだから当然なんですけど。それで僕がタカラ時代は営業所長のNo.2ってポジションで管理職経験あったから、第一線でゲーム作るより管理職周りをやってくれって言われて。まぁこっちもそっちの方が経験行かせるかなって思って管理の仕事を。その傍らでディレクションを一本、プロデュースを一本やらせてもらったんですけどね」
−−プロデュースしたのが、本宮ひろ志先生のキャラクターが建設重機で格闘する伝説のゲーム『ぶちギレ金剛!!』。
「そうそう。あれは本宮さんにキャラデザインお願いしたんですけど、もちろん本宮さんが書くのは元のイラスト数点だけですよね。実際ゲームの中に出てくる絵はこちらで書くしかない。そこで『誰が書くのか?』って時に『会社の時間と金をかけて練習させてもらえるんだから、こんな美味しいことはない』って一生懸命覚えましたね(笑)」
−−今はもう手塚タッチに並ぶメイン画風ですし。
「一応本宮さんにはゲーム作る時に単行本も渡して挨拶もしてるんですけどね。その後使われるとは思ってないと思いますけど‥でも本宮さんはそんな事に目くじら立てるタイプじゃないと思うんですよ。ヤラシイ話、僕がタッチを真似てる人って目くじら立てないであろう人を選んでるんです。松本○士さんとか絶対手出さないですよ(笑)」
−−槇原○之みたいになっても大変ですからね(笑)。 |