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ひらめきの月曜日
 
コンビニサラダが居酒屋風サラダに
このサラダを居酒屋のサラダにしたい


居酒屋のサラダが好きだ。

居酒屋のサラダはいろんな野菜が入っているし、サラダなのに肉が入ってたり魚が入ってたりして、うれしい。

ところでコンビニのサラダは、最近いろいろと趣向を凝らしたものが増えていて、それはとても喜ばしいのだが、居酒屋のサラダと比べると見劣りするのもまた事実である。コンビニ好きの僕も、サラダの出来に関しては居酒屋に大敗を喫しているとしか言えない状況である。

ところが、そんなコンビニサラダを、簡単に居酒屋サラダにする方法があるのだ。それをぜひこの場を借りて披露したい。というか、披露させてください。これは毎日コンビニ飯を食べる僕が一生懸命考えたライフハックってやつかもしれません。

(text by 梅田カズヒコ



コンビニサラダを買ってくる
レジ横のやきとり串を用意する。

本当に簡単なんです

簡単にできる! と銘打つアイディアは実はけっこう面倒くさいものが多いが、僕の考える簡単にできる! は本当に簡単だ。まずはサラダを用意する。

ここでのサラダの選び方は2つのことにこだわろう。

1.できるだけ品目の多い、体によさそうなサラダをえらぼう。
2.底の深いものではなく、面積が広いものをえらぼう。

以上2点だ。

ここではセブン−イレブンの「ゴーヤの15品目バランスサラダ」を選ぶことにした。

 

ここからがミソ。奥さん、メモの用意を

さて、これではいつものサラダと変わらない。ここからが注目だ。コンビニにはレジそばにホットフードコーナーがあるだろう。焼き鳥とか、から揚げとかを売っている場所だ。

ここでは同じセブン−イレブンの「塩やきとり串」を買ってみよう。ここでのポイントはただ食べたいものを選ぶということ。

さて、この2つの商品を買ったらそそくさと家に帰ろう。

 

あとは焼き鳥をサラダに乗せてドレッシングをかけるだけ!

これで居酒屋“風”サラダの出来上がり!!

いや、まあ見栄えが居酒屋のサラダに負けることは認める。でも、味は格段によくなる。


この野菜+ホットフードの方法はセブンの塩焼きとりの上の汁を見ていて思いつきました。

この方法の素晴らしさを説明したい

いや、わかっている。いまいち納得がいっていない読者の気持ちが。そんな大々的に発表するものなのか、という声が聞こえる。でも、この食べ方は非常に素晴らしいのだ。それはコンビニのサラダにある弱点をカバーしている点にある。

コンビニのサラダは基本的に調理から時間が経っているので水分が少なめになってしまっている。それはコンビニの悲しいところだが、その弱点をカバーしてくれるところが、左の焼き鳥である。見てくれ、この焼き鳥からしたたり落ちる「うまい汁」を。焼き鳥に限らず、店頭のホットフードは調理したての商品も多く、水分(うま汁)を多めに含んでいる。

このうま汁が少し水分の抜けたサラダにしみていくのである。

また、普通のサラダにお肉が入ることによって、“ご馳走感”が出てくるのだ。一方、串に刺されていたる焼き鳥とかからあげも、サラダの上に乗ることによって輝きが増すのだ。バンドになると輝く歌手のように、バックの野菜が肉のよさを引き出している。

というわけで、ここまで読んだあなたならもう少し僕につきあってほしい。

次からは各コンビニによる組み合わせをお届けします。


1.セブン−イレブンの居酒屋風サラダ

ゴーヤの15品目バランスサラダ \250
新塩やきとり串 \105
焙煎ごまドレッシング \21

合計  \371 (ドレッシングが自前の場合は350円です!)

 

緑っぽいネバシャキと、茶色っぽい鶏タツタ。
ネバネバ系と、鶏タツタのジューシー感がいい感じにミックスされました!

ローソン編
あくまで居酒屋“風”ですよ

ローソンはコンビニの中でもジャンキーなイメージがあったが、ナチュラルローソンを運営するローソンはサラダの品揃えはぴか一である。特にネバネバ系サラダが充実している。

海藻ネバシャキミックスサラダを購入。

一方のホットフードはからあげクンといきたいところだが、からあげクンは意外に量が多い。ここでは鶏タツタ揚げ棒で我慢することにした。

ネバシャキミックスサラダを眺めてみてわかるだろうが、確かに身体にはよそさうだが、なんというかこれだけを食べる気はしない。何かほかのおかずもあって、はじめて輝きを増す商品ではないだろうか。一方のタツタ揚げ棒はお祭りのときなんかはいいかもしれないが、営業中のスーツのサラリーマンが食べていてはなんとなく仕事ができなさそうである。幼稚な雰囲気がぬぐえない気もする。

そこで2つの商品を合体させた下のサラダを見ていこう。どうだろう、サラダの物足りなさと、から揚げ棒のジャンキーさを同時に消してくれている気がする。味もうまい、この食べ方、ぜひ職場でやってほしい。僕の経験上では「え、そんな新商品出たんですか?」と半々ぐらいの割合で聞かれるよ。

2.ローソンの居酒屋風サラダ

海藻ネバシャキミックスサラダ \230
鶏タツタ揚げ棒 \105(期間限定価格でした。通常120円)
ノンオイルドレッシング青じそ \30

合計  \365 (ドレッシングなしの場合335円)

 

 

パッケージをはずし上から見るとさみしい印象のあるオクラと海藻の野菜サラダと、さみしくはないがぎとぎとという感じのするスパイシーチキン
これもひとつのライフハックに数えてやってください

ファミリーマート編
しつこいですがあくまで居酒屋“風”ですよ

ファミリーマートには底の深いサラダが売っていた。容器がでかいのでホットフードがよく入るだろう。というわけでさっそく購入。

オクラと海藻(ワカメ)のほかにも、レタスなど揚げ物と相性のよい食材がたくさん入っている。

一方、ファミリーマートにはスパイシーチキンと呼ばれるチキンがあって、僕はけっこう好きなのだが、あぶらっぽいし、少々ジャンクな味付けなのでいつも買おうかどうしようか迷う。

でも、サラダと一緒ならそのジャンク具合も相殺されるだろう。家に帰って、チキンは包丁で切り、サラダの上に乗せ、ドレッシングをかける。

これまたサラダの見た目の物足りなさと、スパイシーチキンのジャンキーさを同時に消す、サラダの完成である。僕がしきりに居酒屋風のサラダと呼んでいるが、普通のサラダと居酒屋のサラダの大きな違いは「ごちそう感」だと思う。そういう意味で、この組み合わせサラダには、単品のときにはなかったごちそう感がよく出ていると思う。

3.ファミリーマートの居酒屋風サラダ

オクラと海藻の野菜サラダ \220
新スパイシーチキン \137
和風ドレッシング \25

合計  \382 (ドレッシングなしの場合357円)

 

強力なハムステーキ串にはあえてひねりのないサラダ、グリーンサラダを用意。
いい感じのサラダに大変身!

サンクス編
あぶらぎったハムステーキがこんなにさわやかに

ハムステーキ串である。サンクスのハムステーキ串。これぞ、OLが人前では食べられないコンビニフード1位ではないだろうか。この見た目のインパクトはなかなかである。フランクフルトもずいぶん見た目の印象としてジャンキーで、遊園地や行楽地以外ではなかなか食べにくいものであるが、ハムステーキ串はその上をいっている。なんだこの見た目。
(いや、僕は好きな商品なんですが、あえて戒めをこめてけなしてみました)

この厄介なハムステーキをくしからはずして適度に切って、サラダのうえに乗せるとあら不思議。これならOLさんがランチタイムに食べていても不思議ではないさわやかなサラダである。あれだけ厄介だったハムステーキが、むしろヘルシーにすら見える。

人は見た目が9割という本があったが、それを裏付ける例になってしまった。僕らはいつも見た目に騙されている。

うまいよハムステーキサラダ。

4.サンクスの居酒屋風サラダ

グリーンサラダ \200
ハムステーキ串 \118
和風具だくさんドレッシング \25

合計  \343 (ドレッシングなしの場合318円)

 

体によさそうなひじきサラダと、体にあまりよくなさそうなフライドチキン
ひじきとお肉という組み合わせも悪くはありません。

コミュニティ・ストア編
1+1が3にも4にも

コミュニティ・ストアは東京大阪をはじめほぼ全国で運営されているコンビニチェーンである。コンビニ4強(セブン、ローソン、サークルKサンクス、ファミマ)に対抗すべく、それ以外のコンビニの例も提示することにした。

サラダのほうはひじきが入っていて、われわれの体調を整えてくれそうな商品である。とはいえ、よほど健康に気を使う人でなければ、298円もつかってひじきを食おうと思う一人暮らし男性は少ないんじゃないだろうか。

一方のフライドチキンは、メタボな色をしている。あまりコンビニのことを悪くは書きたくはないのだが、使っている油に問題があるのかもしれない、そんな色だ。とは言え110円という値段設定は魅力的である。

これら2個の商品を合わせたコミュニティ・ストアのサラダ408円は、またもやお互いのない部分を補った商品になっているのではないか。あれだけメタボチックだったフライドチキンの色は、サラダに入るといいアクセントになっている気がする。

5.コミュニティ・ストアの居酒屋風サラダ

マルモ 10品目のひじきサラダ \298
新フライドチキン \110(期間限定価格?)

合計  \408

 

カップの豆腐がでーんと入っているとうふサラダに、鶏つくね棒(ミートボール風)を入れてみることに
これはこれでごちそう感がありますよ。

スリーエフ編
豆腐とミートボールを合わせてみたかった

最後は首都圏を中心に展開しているチェーン「スリーエフ」である僕の地元、下北沢にも1店舗あるので、さっそく行ってサラダを調達してきた。

スリーエフのサラダは趣向を凝らしたサラダが多く、サラダと一緒に豆腐のカップが入っていて、自分で豆腐を崩して食べる、という豆腐サラダが売っていた。これはなかなかうまそうだ。

とはいえ、それでもなお、何か足りませんよね。茶色い色したおかずがほしいよね。そこで鶏つくね棒を購入。

合わせて乗せると、見栄え的にはなんだか評価しづらい感じになってしまったが、味はすごく素晴らしい。いいサラダだ。

 

6.スリーエフの居酒屋風サラダ

とうふサラダ \290
鶏つくね棒 \105

合計  \395

 

深夜、明かりのともったコンビニを見るとほっとするのは僕だけでしょうか。

これは一人暮らしのおもに男性に向けた原稿だと思う。当サイトではほかにも料理系の記事がたくさんあって、どちらかというとそっちがうまそうだ。でも、自分でマネして調理してみる気にはなれないものぐさな人もいるだろう。でも、これならマネできるよ。コンビニでサラダと焼き鳥とかを買ってくるだけ。実にイージー。

あと、この場を借りてコンビニ好きの僕からどうしてもいいたいことがある。コンビニの終夜営業禁止の論議が盛り上がっている。僕は言うまでもなく、コンビニの営業時間規制は反対だ。周知のとおり、省エネという観点に立てば、コンビニの深夜規制で得られる電力なんてたかが知れている。規制の本意は深夜のコンビニが目立っているから、ただそれだけの理由だ。一部の人間だけかもしれないが、規制されれば困る人がいることを忘れないでほしい。

とまあ、話がずれてしまいましたが、コンビニのサラダはもう少し進化したほうがいいかもしれない。ちょっとぱさぱさしすぎている気がする。今回の方法はそのパサパサを回避する方法として活用してもらえればうれしい。


 
 
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