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ひらめきの月曜日
 
素晴らしき、お麩の世界

想像以上です

仙台麩のことを知らずに、これだけを手渡されたら「やけに軽くて油っぽいバゲットだなぁ」とか言いながら、このまま食べてしまうんじゃないかと思う。

切ると、いっそうフランスパンっぽくなった。


断面は、ますますパンっぽい。
なんか挟んで、このまま食べたいくらいな見た目。
ぬるま湯にちょっとだけ浸したら、
軽く絞っておきます。

今回はオーソドックスな食べ方だという「肉じゃが」を作ることにした。食べ慣れた物の方が、こちらとしても味の変化が分かりやすくていい。

それにしても、やっぱり見た目がショッキングである。


どうしても「肉じゃがにパンを投入」に見える。

パンを、じゃなかった仙台麩を入れてしばらく煮込む。

鍋からは明らかに普段の肉じゃがのそれとは異なる匂いが漂っており、いやでも「ああ、私は肉じゃがに揚げ物を入れたんだな」と思わずにいられなかった。

無論、それは決して不安な気持ちになるものではなく、むしろ「すごく楽しみ」と期待が高まる匂いだったことは言うまでもない。

数分後、無事に完成。


煮込まれると、意外に違和感がない。

「なるほどなぁ」という見た目である。さっきまでのパン風情はどこへやら、しっかり煮物の一員と化した。

さっそく食べてみよう。もちろんお麩から手を付ける。


ジュワー。

ちょっと箸でつまんだだけでコレだ。煮汁を吸って吸って吸いまくって、ボテボテのジュワジュワ状態。

そして、ちょっとどうかと思うほどにウマイ。いま、こうして書いていても我慢が出来ず、残った肉じゃがを食べに台所まで行ってしまったほどに、ウマイ。

さらに驚くべきは、肉じゃが全体のコクが増したということだ。なんで揚げたお麩を入れただけで、こんなになってしまうんだろう。「ただ油を加えた」というのとは明らかに違う味になっている。

あまりのことに「もう私は普通の肉じゃがでは満足できない体になってしまったな」と思わずにはいられなかった。と同時に、すき焼きにお麩を入れたくなるのも理解できた。そりゃウマイだろう。

 

ずずいと作りました

お麩よ、今までごめん…というような気持ちで、買ってきた物たちを調理してみた。


水によーく浸して柔らかくなってから、
軽く水気を絞って、
酢の物にしてみました。
じゅわー。

「酢の物に」と、ちゃんと袋に書いてあったから大丈夫だとは思ったが、さすがにこれは心配だった。でも難なくクリア。三杯酢をよく吸い込み、キュウリのサクサクした食感ともよく合う。

次は揚げてみた。


適当な大きさに割ってから揚げて、
片方には塩を、もう一方にはきび砂糖をかけました。
塩を振っただけなのに、ビールに合うつまみに。
砂糖をかけると、おやつにもなる!

どちらもウマイ! 特に砂糖をかけた方は、その辺で売ってるお菓子よりよっぽど上等な味になった。こりゃ手軽でいい。軽くてパリパリしてて香ばしくて、言うことナシです。

えーと次はなんだ。味噌汁か。


具は、お麩オンリー。寂しかったのでネギを乗せました。
可愛い見た目も素晴らしい。

これは味の予想が付いた。でも、食べる段になってから予想外のことが起こり、軽く驚く。


箸で持ち上げると、麩がビローンと伸びるのですね。

これは麺か! と思いながら、ズズズーと啜るようにしておいしく頂いた。

以上、駆け足で三品ご紹介してきた。いずれも袋の裏に「こうして食べるとおいしいよ」と書かれていた通りに作った物なので、おいしいのは当たり前だと思う。

でも、それじゃあつまらない。せっかくお麩のおいしさに開眼したのだ。どうにか自己流の食べ方というものをしてみたいじゃないか。

というわけで、次は調子に乗ってカレーです。


 

 
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