●発見・先っちょ荒地
先ほどはベーシックな荒地を味わったが、特徴的な荒地も探してみたい。「地図センター電子国土サイト」でぐるぐると探していたところ、見つけたのはこの荒地だ。
東京都江戸川区・篠崎にある荒地だ(こちら)。
江戸川と旧江戸川に分岐する三角地帯にある荒地。かなり鋭角にとがっている、攻撃的な荒地だ。Googleマップではこんな感じだ。
航空写真で見ると、さらにかっこよく見えるこの荒地。陸地の果てというシチュエーションは、荒地のテイストと非常によくマッチする。その形状から性的なシンボルとしての意味合いを読み取っていただいても構わないと思う。
そういうわけで、行ってみた。ここだ。
野球場として造成されている河原の先っちょにある荒地。スポーツと隣接することで、その荒ぶりのコントラストは結果的に高まって感じられる。
グラウンドには若者が集う様子も見られたが、それには背を向け荒地を目指す。
野球場の奥にあるそれは、はっきりと境界づけられるように区切られていた。手前の草の短いところはグラウンドであり、そこから直線的に背の高い雑草が生い茂る荒地ゾーンが分けられているのだ。
これほどきっぱりと荒地/非荒地の区分が見て取れる例も稀だろう。さて、荒地に入っていってみたいのだが、これだけ背が高いとどこから手をつけていいのか…。
そう思っていたところ、急に雑草の途切れている部分を発見。ぽっかりと口を開けているように見える。ここからなら入って行けそうだ、早速行ってみよう。
道らしきものがあることを期待していたのだが、そういうわけではなく、かなり背の高い雑草の中をかきわけて歩いていく。半袖シャツに短めのズボンといういでたちの私は、全体的なかゆみに襲われた。
しまった、荒地なめてた。それでも行けるところまでは行ってみよう。
どこまで行けたのかわからないが、そのうち雑草が茂っていない空間に出た。ここはなんだろう…。
と思っていると、ガサガサッと動く影が。カニだ、カニがいる。
ひとりぼっちでいたせいか、なんだかカニが大きく感じる。正直おっかない。他に人影などはもちろんなく、荒涼とした雰囲気を味わう気持ちの余裕も湧いてこない。ここは引き返そう。
グラウンドまで戻って、改めて荒地との境界部分を探索。すると、さっきのダンジョン入り口よりもっとオープンな道を発見。なんだ、ちゃんとあるではないか。確かにGoogleマップでよく見ると、それらしきものが確認できる。
こちらはそれほどアドベンチャーな感じもなく、荒地の先端部まで行き着ける。
しばらくの間、荒地の果てを満喫。来た道を戻るのもつまらないので、とんがった陸地と川との西側境界線を伝うようにしてグラウンドまで戻ってみた。
帰り道もカニは続々と登場しては、こちらの姿に気がつくとワサワサと消えていく。驚かしてすまん。こちらもかなりのドキドキ感も味わえた先っちょ荒地だった。
さて、次は地図で発見した、別の意味で気になる荒地に行ってみよう。