スゴイとしか言いようがない
試飲用の紙コップを用意してもらい、まずはイタリア産の「リモーネ」(イタリア語でレモン)という名前のオリーブオイルから飲むことにした。
油はゆっくりと口の中に入ってきて、そのままトロトロと喉の奥へと流れていく。
…すごい。レモン風味の油なんて初めてだ。添加物を使用せず、オリーブと一緒に生のレモンを搾ったというだけあって、口に入れた途端にレモンのいい香りがプーンと漂う。漂いまくる。
林さんも「レモンの香りがすごくしますね!」と大絶賛していた。これはサラダに使ったら、さぞやおいしいんでしょうなぁ。
試飲の嵐
続けざまに、気になる油を片っ端から飲ませていただいた。トマトの風味のするアグレスティスという高級オイルや、ちょっとした辛みがいいアクセントになっているオイルなど、同じオリーブオイルなのに味がきちんと違う。そしてどれもうまい。
油を飲みながらこちらが繰り出すどんな質問にも、青木さんは丁寧に分かりやすい解説をしてくださる。
「これは精製してないから色が濃いんですよ」とか「現地では固まらないけど、これは日本では寒くなると白くなっちゃいますね」という話に、ただただ感心してばかりの私たち。
「へぇー」とか「ほおー」といった間の抜けた声を出しながら、せっせと油を飲み続ける。いいんだろうか、こんな贅沢をして。
もちろんオリーブオイル以外にも油はたくさんある。なかでも特に気になるのは大ガメに入った油たちだ。
これがまた素晴らしくおいしい。しかもお値段が手頃ときた。
「これ、買います」と即決して「特別の油」(ゴマの香りが絶妙)を1本手に持ったまま、他にも気になる油をチェックすべく店内をうろつき回る。
「これで豚肉なんか炒めるとおいしいですよー」と青木さん。もう本当に「うわあ…」しか声が出ない。
好きな物に囲まれるって、こんなにも気持ちのいいものだったんですね。このあたりから、徐々に頭がボーッとしてきたような気がします。