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フェティッシュの火曜日
 
焼き鱈で作る革バッグ

革細工の基本を学ぶ

焼き鱈でバッグを作る。
そう決心したのはいいのですが、さて何から始めて良いのやら見当もつきません。そこで、趣味で革細工をしていたという友人から作業の基本を教えてもらうことにしました。

「私のやり方は本当に我流だから…」と、友人は控えめな様子。
大丈夫、問題ないから!私がやろうとしているのは我流以前に邪道だから…と申し訳なくなりながら話を聞きます。


基本的な道具を見せてもらう

革細工の知識や技法は様々あって、その全てを実践するにはかなり無理があります。とりあえず今回は、道具の使い方と制作の簡単な流れをざっくりと教えてもらうことにしました。

以下、学んだ工程をダイジェストでご紹介いたします。私が実践した制作過程の写真と合わせてご覧管さい。

 

(1)素材を切り出す

型紙を作り、それに合わせて革を裁断します。
その際には「革包丁」という独特の形状をした刃物を使うんだそうです。


この大きな彫刻刀みたいなものが革包丁
私は家にあった普通の包丁を使いました

 

(2)穴をあける

革は布とは違い、そのままを針で縫っていくことが難しい素材です。そこで「目打ち」「パンチ」などを使って、手縫い用の穴を開けます。
写真のフォークみたいなアイテムが目打ち。これを革に突き立て、木槌などで打ち込んでいきます。


目打ちにはパンチタイプの物もあるそうです
迷うことなくフォークで代用

 

(3)縫っていく

ロウを染み込ませた糸や、ヒモ状に細く切った革で縫っていきます。
その後、持ち手や模様を入れて仕上げます。
以上、他にも色々と踏まなきゃいけないプロセスや必要アイテムがあるようですが、今回はこの3ステップで制作を進めていきます。


ヒモ状に細く切った革をレースと呼ぶそうです
スルメスティックが私のレース

革製品向けの接着剤を使う箇所もありましたが、それはお米粒で代用。
正直言ってこの時までは、バッグとしての完成度にはあまり期待していませんでした。むしろ食べる気満々で作っています。


うまそうな香りに負けそうになりながら縫う
すぐに切れるスルメと格闘すること2時間

 

完成が見えてきた

食欲と戦いながら縫い進め、やっと袋状の外見になってきました。しかし自立するだけの強度が足りず、すぐにふにゃりと倒れてしまいます。

そこでシート状の焼きイカを底に敷いて補強。それがうまい具合にぴったりハマった!そのおかげでバッグが自立するようになりました。
うん、なんだかゴールが近くなってきた気がする。


袋状にはなったが、支えがないと倒れてしまう
そんな時、函館焼きイカが大活躍!

最後に持ち手をしっかり縫い付けます。
この時点で「見た目がちょっとシンプルすぎるかな?」と感じたので、側面に花柄のワンポイントを付けることにしました。
材料はかわはぎです。プチかわはぎを4つ並べて、無理矢理花びらに見立てています。


持ち手が外れないようにしっかり縫い付ける
イメージは、イソギンチャクのドライフラワー

大成功…しちゃったかも

そしてついに「焼き鱈バッグ」が完成!
お財布とパスケース、そのほか必要最低限の物だけ入れて出掛けられそうなこのサイズ。ナチュラルテイストな色合い。適度な重量感。何というか、すごく理想のバッグに近付けたような気がします。


おつまみ・イン・おつまみ

こんなのが欲しかった!

方向としては若干間違ってはおりますが、長年の憧れをついに具現化することができました。これは…大成功です。
この興奮がさめないうちに外に出て確かめてみましょう、このバッグの使い心地。



 

 
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