やはり目立たないのか
忍者に着替え精力的にホテル内をうろつくが、同行してもらった工藤さん以外まったく話しかけられることもなかった。やはり忍者服は普通にしていても目立たないのか。
なんてそんなわけない。現代に忍者は明らかに不穏。ロビーをうろちょろしながら写真を撮っていたらホテルマンが険しい笑みを浮かべながらやってきて僕に控え室を用意してくれた。親切。
今考えると単に他のお客様の目に触れさせたくなかったのかもしれないが、せっかくなので部屋で待たせてもらうことにした。
忍者、控え室でも忍ぶ。どこにいるかわかるかな。
なんてことやってるのはどうにも間が持たないから。せっかく貸していただいた控え室なのだが、披露宴でもできそうなくらい広くてぜんぜん落ち着けないのだ。その静寂に耐えられず、申し訳ないが早々に部屋を出た。
緊張が高まる
再びロビーへ。今回の記者発表へはタレントさんもやってくるとのことで、忍者としても気が抜けないところだ。これを機に友達にでもなれないものか、と内心浮かれていたら後ろを無視して通り過ぎられてしまった。やはり忍者は目立たなすぎるのか。いいような悪いような、だ。
今回は事前に出席の連絡を入れてあるので受付の招待者リストには名前が載っていた。しかしこの格好で来ることまでは受付に伝わっていなかったようで(もちろん連絡しておいたはずなのだが)
「ちょっ、ちょっとお待ち下さい」
と一瞬場の空気が揺れた。採用面接でしか話をしたことのない部長がやってきて少し離れたところで何か話をしている。受付の女性が小声になる。タレントさん側のスタッフがやってくる。あわわわわ。言い訳と謝罪の言葉をフル回転で探し出した。
どちらが忍者だ(答え:右)
いろいろあったが各方面のご尽力により、無事受付をすませることができた(何度も言うがちゃんと事前に了解を得ている)。さてここからが本題だ。記者会見会場へ潜入しても、はたして忍者は人混みに紛れることができるのだろうか。刻一刻と会場入りが近づく。