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ひらめきの月曜日
 
人それぞれの「おやつ300円まで」

●振れ幅激しい、人それぞれのおやつたち

 他にも編集部の方に協力してもらった。ウェブマスター林さんのセレクションはこうだ。


林さんセレクション
俺が一番の勝者だ、という感じがするくらいにうれしそう

 駄菓子の100円パック、プロ野球ポテトチップス、ライスチョコレート、コカコーラというコンビネーション。ここまでの中で、最も現役の子供が選びそうな組み合わせのように思える。

 特にたくさんのお菓子が詰まった駄菓子100円パックには、他のメンバーも「そんなのあったっけ!?」と、羨望ともとれるどよめきが起きた。林さんも「見た瞬間に『これは!』と思って手に取りました」と自慢げだ。

 そして最も異色と言えるのは、工藤さんが選んだおやつだろうか。


工藤さんセレクション
「これは完璧でしょう」

 220ml入りの焼酎、麦茶、よっちゃんいかというチョイス。それぞれにまかせたとは言え、おやつという言葉のイメージからは今回の中で最も遠いところにあると言っていいだろう。

 中でも麦茶という選択に周囲から疑問の声が挙がったのだが、「これで焼酎を割るんですよ」との工藤さんの言葉に一同納得。

 しかしそれもつかの間、ほどなく自分で「待てよ……麦茶は水筒に入れて行けばよかったのか!」と気づいて後悔する工藤さん。おやつ選びにもいろいろなドラマがある。

* * *

 ところで、ここまで大人たちのおやつ群像を見てきたが、おやつ現役である本物の子供なら、どんな選択をするだろうか。改めて原点を確かめてみたい。


うれしそうなテンションが伝わってくる

 協力をお願いしたのは、長崎にお住まいの当サイトのライター、斎藤さんのご家族だ。斎藤さんや奥様のチョイスも気になるのに加えて、保育園に通うお嬢さんがどんなおやつを選ぶのか興味深いところだ。

 まずはご夫妻のチョイスをご覧いただこう。


斎藤さんセレクション
この一言が決め手となった

 まず斎藤さんは、スパイシーチーズ味のプレッツェル、クランキーチョコという組み合わせ。斎藤さんのコメントによると、「ビールに合いそうだなという観点で選んだ」とのこと。

 そしてクランキーチョコは「ほんのり醤油味」という言葉が気になって、とのことらしい。確かにこれは気になる。プレッツェルに思い切りビールジョッキの絵が描いてある点も含めて、これも実に大人らしい選択だ。


斎藤さんの奥様セレクション

 続いては奥様。サッポロポテト、チョコバナナ、ポテトチップという構成だ。

 初見時はオーソドックスだなと思っていたのだが、何か気になるところを感じ、少し考えた。ポテト・フルーツ・ポテト。気がついたのは、驚異的なポテト率の高さだ。

 確かにポテト系のお菓子は、一旦食べ出すと止まらない。一袋終わっても、小さな袋だと満たされない場合も多い。そういう事態を想定してのチョイスなのだと思う。

 そして、父である斎藤さんも驚いたという、保育園児のお嬢さんのチョイスがこれだ。


保育園児セレクション

 まず目に飛び込んでくるペロペロキャンディに、キティちゃんのマシュマロ、ポケモンのグミ、サイダーボールなるもの、ふにょグミ、さくらんぼ餅だ。

 なんか多い。大人と比べてバラエティに富んでいる。あれもこれもと細かいお菓子を組み合わせる、子供ならではの楽しみが凝縮されている。実際、300円という枠は保育園児的には経験したことのない額らしく、すごく興奮していたらしい。

 そして大人目線から感じる衝撃の中核にあるのがこれだ。


夢っぽい

 でかい、色がすごい、渦巻いている。三拍子揃ったペロペロキャンディがものすごい存在感を放っている。マンガでしか見たことのないようなお菓子がそこにある。

 大人なら食べるのを躊躇するくらいのたたずまい。それでも子供にとっては軽く「夢が叶った!」的な魅力のあるものなのだろうと思う。

* * *

 ここで年齢の振れ幅を逆方向に揺らしてみよう。数年前に還暦を迎えた父と母にも、同じ条件でのおやつ購入をしてもらった。ペロペロキャンディとの年齢差は約60歳、どんな違いが現れるだろうか。


母セレクション
謎のロサンゼルスTシャツ

 まずは母のセレクトだ。じゃがりこ、果汁グミぷぷるん、ココナッツサブレ。定番的な品揃えという感じがする。ぷぷるんはハイキングに行くときなど、必ず持っていくお気に入りらしい。

 おやつのことはともかく、見たことのないTシャツを着ているのが気になった。大きく「LOSANGELES」と書いてある。

「ジャスコで半額の半額になってたから買ったのよ〜。色がいいでしょ、色が。」

 生地もしっかりしていて、それなら安いと思う。確かに色も青とも緑とも言えない微妙な色で、まあいいんじゃないかと思う。ロサンゼルスのことについては関心がなかったようだ。


父コレクション
意外だ…

 対して父のセレクト。ポテトチップ、みるくポッキー、マーブルチョコレートというラインナップ。

 「ビールに合いそう」とのことで選んだというポテトチップには私も納得。ただ、みるくポッキーとマーブルチョコは息子としてはかなり意外だ。甘いお菓子なんて普段食べたっけ?

「なんかチョコレートが食べたくてね。ポッキーもなんかね。」

 そうなのか…。ただ、チョコレートにしてもマーブルチョコというのは子供っぽい。「遠足」という言葉の響きがウキウキ感を高揚させたのか。

「まあほんとはチーズ鱈が欲しかったんだけど、それにしちゃうとそれだけで300円いっちゃうんだよなあ」

 そんな妥協もあったらしい。ただ、その代案がこのラインナップというのには謎が残る感じがする。

「あら、それおいしそうねえ」

●みんな楽しそうだったよ

  それぞれの個性が出た、いろんな「おやつ300円」。共通していたのは、みんな楽しそうだったということだ。

 子供にとっては300円分もおやつを買っていいというのが楽しいのだろうし、大人にとってはなんとかやりくりしてまとめるのが楽しいのだろう。そして買ったあとに見せあいっこするのも楽しかった。

 これがほんとの遠足なら、お弁当を食べたあとにちょっとずつ交換しながら食べたりするのだろう。両親もそんな風にしていて楽しそうでした。


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