大人の経済力と本気でも攻略困難
続いては別のフロアにやってきた。こちらには10円弾き系ゲールでは最もよく知られる存在だと思われる「新幹線ゲーム」があるのだ。
新幹線が時代の憧れだった頃のゲームなのだろうか。10円玉を弾いて、東京から博多まで運んでいければゴールというゲームだ。
ゴールすると「すばらしい景品がもらえます」と書いてある。よし、もらうぞー。
名古屋までは行けるんだ。ただ、米原を経由して京都に行くのがまず難しい。そこを越えれば新大阪までは行けるのだが、神戸の手前や姫路の後ろにある穴に落ちる。
全く意味がわからないであろう、申し訳ない。なめていたのだ。大人の洞察力があれば数十円でクリアできるだろうと思っていたのだ。
なんとかゴール手前の広島まで来ても、ゴールの博多は2つのハズレの深い谷に囲まれているので入れるのがかなり難しい。たぶん3回くらい両替に走ったと思う。投入した額は500円を超えたのではないか。
でもダメ。また米原で落ちたよ。神戸の穴も憎たらしい。
積み上げた10円玉がどんどん減っていく。ダメだ、ものすごく悔しいけれどあきらめよう。新幹線ゲームは、大人がやっても相当手応えがある。
他にもいくつかのゲームで遊んだが、芳しい結果は出てこない。どれも楽しいのでそれで十分と言えば十分なのだが、景品調べの目的を果たせない。
楽しい。でも本気で難しい。
ちっとも子供だましではない10円ゲームたち。この店に来て一つのゲームしかクリアしてないではないか。
最後に選んだのは「グランプリ」。新幹線ゲームと同系統のゲームだ。「初級者向」の表示があるので、それをあてにして選んでみた。ただ、同じ表記のあった「パスボール」でも数百円費やした挙句にクリアをあきらめたので自信はない。
金券がもらえるタイプのこのゲーム。20円〜30円という金券の価値が欲しいのではない。金券そのものが欲しいのだ。
新幹線ゲームの挫折も心に交錯する中、なんとかゴールを目指してコインを弾く。グランプリと言ってもレーサー気分になんかなれない。必死に雨乞いをするカッパのようだ。
雨乞いが通じたのか、数十円を投入した時点でゴール一歩前まで来た。よし、行け、ビーン……おお、入ったぞ!
「20」と書かれたシールのついたコインが登場。やった、やったやった!
20円という価値にこれだけうれしい気持ちになったのは久しぶりだ。数十円費やしているのだから、リターンはマイナスなのだが、そういうことは気にならない喜びがある。
この店には2時間ほどいたのだが、結局クリアできたゲームは2つだけ。甘く見ていた。子供用のゲームだからサクサクとクリアできるだろうと思っていた自分がバカだった。
その気持ちわかります
それでも時間を忘れて楽しめた10円ゲーム。相当夢中になって楽しんだので、普通にどこかに遊びにでかけることと比べたら、かかるお金はむしろ少ない方だろう。
「20」のコインは駄菓子と交換してもらった。収支でプラスを出すなんてとんでもない話だったが、かけたお金以上に楽しませてもらいました。