デイリーポータルZロゴ
このサイトについて


フェティッシュの火曜日
 
人力スローで超人になる

食事

一度、一瞬でご飯を食べられるようになってみたいと思っていた。超人となった今ではものの十数秒で昼食をたいらげた。


昼食を摂る超人動画(25倍速・30秒)

 

食べ進むうちはいいのだが…

スローの人がディズニー化した

超人である。映像の中だけであるが、一瞬で昼食を摂れたことには非常に満足している。

石川のスローもなかなか自然に普通化している。ただ少し口の動きが速い。チップとデールが胡桃を食べるときのようであり、ディズニー化している。口は本能と結びついて制御が難しいのだろうか。

石川は「ファーストフードをスローフード化したのだ」としたり顔でいう。スローで食べることで文字通りスローフード、というわけである。ここに記すべきかどうか迷ったが、あのやったり顔を見た後では記さずにはいられなかった。

食後がヒマになって
隣人のポテトをとっては
自らの口に運び

タバコを吸ったりもするのだが
ポテトをつい奪ってしまう
バーガーも手ごと持ってきて奪う

 

でくのぼうと化した隣人のポテトを奪う

いたずらっこ

「いたずらっこ」になっていないか?と、ここで石川が気づいた。たしかに軽いのだ。我々は超人となるべく実験を開始した。しかし実際は「悪戯」というよりは「いたずら」の軽さ、ちょこまかとせわしない感じがまさに「いたずらっこ」というひらがながよく表している。

しかしどうして「いたずら」を行なうのか?実感としては「世界が止まっているから」であり、小学生男子が考える「世界が止まっていたら女湯に行く!」と同じことなのだ。これにはあのときの願望が未だこんなところで、という驚きがあった。

→超人は女湯に行く

 

サッカー

この実験もかねてより一度やってみたかった。超人的スピードでボールをかっさらって誰にも触れられずにゴールしてみたかったのだ。


サッカーをする超人の動画(22倍速・4秒)

速すぎてボールを見失った
ボールを頭に置くといういたずら
頭の感触に気づいたころには足下に

超人石川は遠くで笑っている
「あれ?何でここに?」といった風
「おやー?」と

 

「おんやー?」と超人も

今度はコメディ化した

そんな素養もないはずなのにいつのまにかサイレントコメディと化していた。しかも今度は超人だけではなく、スローの筆者も共犯関係にいた。

「頭にボールが載ったから手でたしかめようとして…そしたら足下にあって…」と超人のやろうとしているコメディをスローで再現していく。事前の取り決めは「ドリブル中のボールを超人がかっさらうこと」だけであった。しかしフタを開けてみるとそこには「今、これをやらなくてどうするのだ」という義務感があった。

→超人はその場をコメディ映画に変容させる


シュートモーションをかっさらって
空振りする時点では二人ともコメディ意欲が絶頂に

 

ぼーっとする

ぼーっとするのにも高速があるのではないか。


ぼーっとする超人の動画(22倍速・14秒)

ちょっとした首の振りも高速化すると目立つ

硬そうなぼーっとができた

これが超人速度のぼーっである。ぼーっとするのも超人であれば速い。触れれば弾かれそうなぼーっである。

ここで驚くのはさきほどまで「陽」に働いていた超人力が「陰」に働いたことだろう。そのとき、超人であった私大北はヒマであった。

タバコもプッ!と出る
隣人が動かないのでヒマをする
そしてなんとなく思いつく

蹴りの動作
足の裏を蹴った!
蹴っておいて笑った!

殺伐とした音の響き、十年来の友情が今崩れる

蹴った!

筆者と石川は十年来の友人であるがなんと思わず蹴ってしまった。「足の裏を蹴ったら痛くないだろうな」という思いもあった。しかし、友人を蹴るとは後から考えて大変恐ろしい。

蹴ったあとに笑っているのも通常時では考えられないことだ。力を持て余すとろくなことにならない。全部超人が悪く、超人のせいであると思いたい。

→超人は友達をなくす

 

謝る人と怒る人

高速でプンプン怒る人を見たいと思い実験した。


左の石川が謝り、右の安藤さんが怒る

筋肉質な人に加わってもらった

そろそろ人を入れ替えてみるか、と編集部の安藤さんに加わってもらった。今まで実験をくりかえして相当体を使っていた。こういった超人実験に必要なのは身体的な力なのでは、と期待してのことだ。


プンプン怒る超人動画(6倍速・11秒)

このプンプン加減、これぞ超人だ

これぞ超人だ

プンプン怒っている。この人は高速でプンプンしている。

これだ、やりたかったのはこれじゃないか。プンプン、とする指の動きがとてもいい。プンプンプンプンプンプン!と動かしている指は実際の速度でもそれなりに速かった。

ある程度速い動き、そして繰り返しの動きがとても超人らしくあり、どこかで見たなと記憶を探ってみるとそれは

→ファミコン16連射の高橋名人こそ超人である

という結論になった。

 

実験は他にも数多く行なわれた。こちらは混迷の「ゴリラのものまね」実験。全くよくわからない結果となったので、そのままの速度でお送りしたい。

この他にも、同じ実験で超人を交替したり、筋トレしたりじゃんけんしたり大笑いしたり、等々かなりの数の実験をこなした。。ゆっくりでやる筋トレもきついが、普通にやる筋トレもきつかった。何より人力スローは体の負担が大きく、疲れ果てた。

とはいえ超人になれた。映像の中だけではあるが超人だった。実感としては超人中は性格まで変わった。超人は陽気で、ひょうきんで、何より軽い。想像していた力強い超人の姿はそこにはなかった。実際の超人は、ちょこまかしてて出っ歯で語尾が〜でヤンスな男なのではないかと思う。


 
 
関連記事
スローで撮ると宇宙空間になる
トランプタワーを接着して超人になる
ちゃぶ台返しのその後を考える

 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲トップに戻る バックナンバーいちらんへ
個人情報保護ポリシー
© DailyPortalZ Inc. All Rights Reserved.