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はっけんの水曜日
 
夢の「モン・サン・ミッシェルのオムレツ」
 


この前の日曜日。
ダルかったので、起きてそのまま横になって、テレビをつけて、ぼんやり眺めていた。
いわゆる「旅モノ」をやっていた。
紀行ものはほぼ無条件に好きだ。梅宮アンナさんとか泉ピン子さんとかが買い物してギャーギャー騒ぐような、どうかと思われる旅番組でも、楽しく観賞出来る。珍しいもの、見たことがない風景がうつっていたら、何でも楽しい。
特に食べもの。食べたことがないものは、どれを見ても美味しそうだ。
食べ物映像が出て来るたびに、身もだえてしまう。フーディーズTV(食と旅に特化した専門チャンネル)だったら、一日中見ていられると思う。スカパー!に入っていないので、見れないけれども。

そんな私めが、休日の空腹な時間に見てしまったのがー。
「モン・サン・ミッシェルのオムレツ」だ。
思わず、起き上がってテレビを覗き込んでしまった。

(text by 大塚 幸代

フランス、修道院のある街、モン・サン・ミッシェル。
そこの名物の「プラールおばさんのオムレツ」。
スフレ状で、ふわっふわ。はちみつの色みたいな、幸福な黄色の焦げ目がまぶしい。
長い柄のフライパンで、火にくべて焼き上げる。
どう泡立てているのかは不明だけれど、とにかくケーキのような、ぶんぶんなふくらみ具合。
画面では、それはそれは美味しそうにうつっていた。
うわあ……どんな味なのかな。
そう思ってネットを検索した。
すると、実際行った方たちの感想が、多数ヒットした。
おおおおお、と思って読んでみたら、それは意外にも、厳しいものが多かった。
「期待はずれ、素朴すぎた」「3000円くらいした、高い」「塩味がキツイ」など。
えええ?
何故、何故に? あんなに美味しそうなのに?
見かけが美味しそう過ぎるので期待値が上がりすぎてしまうんだろうか、フランス料理は塩が効いてるので、単純な料理ほど辛さを強く感じちゃうのだろうか、原因は何だろう、と色々想像してしまった。
テレビしかなかったら「美味しそう」だけで終わってたのに、ネットで調べることによって「そうじゃないのかも」って思えるのは、面白いなと思った。今更ながら知るIT時代のすごさ。
しかし、モヤモヤはさらに加速してしまった。実際どうなのよ、と。

とにかく、作れそうだし、作ってみよう。そして美味しいか不味いか食べてみよう。
そう思って、ビックカメラに出かけた。


泡立てマシーン、1380円也。これでばっちり泡が立つはず。

タマゴを白身と黄身に分けて、塩コショウして、

泡をたてて、メレンゲに。

黄身も泡立てて、白身と合体。

なんだかもう素晴らしくキレイな色のタネが完成。

これをホットプレートで焼いてみた(いや、ホットプレートなら失敗なさそうかな、と思って)。

半分に折って…。

とりあえず完成。

試食したところ、「空気を入れて膨らませてるせいか、塩味が足りないように感じる」「かみしめるて口の中で潰すと、やっと味が入ってくる感じ」「フワフワの良さが生かされていない」という代物が完成。普通の卵焼きのほうが、たぶん美味しい…。


これ、甘くしたほうが美味しいんじゃ? と思い、砂糖入りも作成。砂糖を入れるとメレンゲが滑らかになった。

焼くと、こんな感じ。確かに美味しいのだが…想像以上の味ではなかった。

日本人的には、出し巻きタマゴのほうが美味しいかもしれない。

ちなみに家にあったベーキングパウダーを使って、もっと膨らまそうと試みたのだが、

たいして変わらなかった…。

■お菓子になってしまった

後で調べたのだが、砂糖を入れるバージョンのほうは、フランスだと「スフレ・オムレット」という伝統菓子の部類になってしまうそうだ。
知らないうちにデザートを作ってしまっていた。美味しそうだったからいいのだが。

こうやって時々、知らない場所の知らない食べ物を、少ない情報で作ってみたりするのだが、食べてみても、当然ながら「正解」かどうか、分からないまま終わってしまう。
この行為に意味はあるのだろうか、っていうか、いつか正解が分かる日(ゆっくり旅行とか出来ちゃう日々)は来るのだろうか、と悩みながら、食器を洗うのだった。

本物のモン・サン・ミッシェルのオムレツは、一体どんな味がするんだろう…?


 
 
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