デイリーポータルZロゴ
このサイトについて


ひらめきの月曜日
 
大田原市が、とうがらしで熱かった


フォーラムは今年で2回目とのこと。

栃木県にある大田原市が「とうがらしで盛り上がっている」と聞いたのは、夏の終わり頃だったろうか。ネットで調べてみると確かにそのようで、とうがらしを使ったいろいろな食べ物が考案・販売されているらしい。

辛い物は得意だし大好きだ。行きたい。大田原市へ行って、辛いものを食べまくりたい。

…という話を当サイトの企画会議でしたところ「是非とも行ってください」とゴーサインが出た。

そうと決まったからにはすぐにでも出発したかったが、10月4日は「とうがらしの日」ということで「全国とうがらしフォーラム」なる催しがあるという。じゃあ、せっかくだからそれに合わせましょう。フォーラムに参加しましょう。

そんなわけで、行ってきました。大田原市へ。

高瀬 克子



那須与一がすごかった

とうがらしフォーラムは「那須与一の郷」という、完成したばかりのキレイで立派な道の駅で行われていた。

そもそも「何故とうがらしなのか?」といえば、昭和40年頃、大田原市は全国でも有数のとうがらし栽培産地だったらしいのだ。しかしそれも時代と共に徐々に衰退し、栽培数は激減したままだった。

それを復活させ、新たな観光資源を発掘しようというのがここ数年の動きだ…と道の駅に置かれたパンフレットには書いてありました。

なるほど、そういうことでしたか。


かなり凝った造りの道の駅
建物がそれぞれ扇の形をしている。那須与一だもんなぁ。

那須与一といえばアレだ。源平の時代に、扇の的に矢を命中させたことで有名なあの人だ。

…そうか。那須という地名の由来はここにあったんだ、と現地に来てみて初めて分かった。


入口には立派な像が。
そして狙った先には青い扇が! カッコイイ!
相当に凛々しくカッコイイ与一さんだが、一方で馬の顔は大変なことになっていた。
下から見上げると目線が合うのだ。そして角度によっては笑っているように見える。陽気な馬だ。

「与一の話はいい。とうがらしはどうした」とお思いかもしれませんが、早く到着しすぎたせいで、まだフォーラムが始まってないのです。いやあ、ちょっと張り切りすぎました。

 

売店もすごい

フォーラムこそ始まってないものの、ここは道の駅だ。売店などはすでに営業していることだし、とうがらしが地域にどれだけ根を下ろしているかをリサーチするにはもってこいの場所だろう。

と、売店に入るなりキャラクターに出迎えられた。


ピリカラ三兄弟。左からサイちゃん、カプちゃん、シンちゃん。三人揃ってカプサイシンだそうだ。
与一くん、今度は馬の代わりにとうがらしに乗ってます。

こんな展開になってるのか…と、ちょっと驚いた。ちなみに「Hot city Ohtawara」の下には日本語で「ホッとして! おおたわら」と書いてある。うむ。そうきたか。

キャラクター展開の重要さは彦根城における「ひこにゃん」などを見れば明らかだが、彼らにも是非がんばってもらいたい。

では、さっそく売り場を見てみよう。


あ、さっきの三兄弟がいきなり登場。働いてますねぇ。
ブルドッグがこんなことになってしまうほど辛いのか!

ソース関係は「あ、辛いソースなんだな。きっと刺激的なんだろうな」とある程度味の想像ができるので、安心して見ていられる。

が、次はどうだろう。


これはいったい辛いのか、甘いのか。
果たして豆の味はするのか、しないのか。

一気に分からなくなった。ハチミツと豆腐が辛いって、どういうことだ。味の想像がまったくつかないためか、心がざわざわする。妙に落ち着かない。

ざわざわした気持ちのまま、売り場を歩く。


乾めん登場。ちょっとホッとした。いや、Hot cityた。
 せんべい登場。ここまで来れば、もうこっちの陣地だ。

なんだろうか、この気持ち。味を知ってる物が売られていると安心するが、同時に「それじゃあつまらない」とも思ってしまう、この勝手で厄介な気持ち。

せっかく大田原まで来たのだから「これってどんな味なんだろう!」と嬉しがってもいいはずなのに…と思っているところに、ちょうどいい案配の品物を発見。


とうがらし入り生めん。焼きそば用とラーメン用。
さらには餃子の皮までも!

「うわあ、きっと麺や皮がピリッと辛いんだろうな、でもそういうの食べたことないな、食べてみたいな」
…これだ。この気持ちだ。これくらいの精神状態がベストなんじゃないか?

うん。いいぞいいぞ。奇をてらわなくていいんだ。こっちは確実においしい物が食べたいんだ。

と、安心したのもつかのま。


アイスクリームだもの。

なんなんだ。ホットなのかアイスなのか。辛くてヒーヒー言わせておきながらも冷たいのか。どっちなんだ。

さっぱりワケが分からなくなりながらも、ひとまず売店を出た。何か食べましょう。とうがらしの何かを。


つぎへ >
 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲トップに戻る バックナンバーいちらんへ
個人情報保護ポリシー
© DailyPortalZ Inc. All Rights Reserved.