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ひらめきの月曜日
 
小京都はどれくらい京都なのか

京都はいずこに

事前リサーチの際、観光協会の人が「小京都」のフレーズに対して及び腰だった理由が分かった気がする。
街のPRとしては「小京都」より「小江戸」の方を強く打ち出していきたいのではないか?

でも、僕はここに「はんなり」を求めてやってきたのだ。今さら「江戸の粋」とかいわれても困る。
ここは是が非でも京都っぽいものを捜していきたい。


「室町」から「太平」へ、バス亭の名前が京都っぽい、かも
坂本龍馬が泊まっていそう、とか思った屋敷

京都っぽい代官さまのお屋敷跡
内部見学も可。縁側に腰かけて、京都の風情に浸ろう

写真を撮りながら、京都っぽい、京都っぽいといちいち興奮してみる。だが、その都度「コエド」のフレーズが頭をもたげ、水を差してくる。いや、江戸かもなコレ、そんな風に感じてしまうのだ。

京都を心から楽しめてない焦りから、お土産屋さんに売られている木刀が京都っぽい、というこじつけも考えた。修学旅行の定番土産といえば木刀だからだ。そこで店頭を撮影していたら「商品は撮るな」と怒られた。いけずだ(あ、京都っぽい)

京都っぽさを見出そうとするほど、京都というものが分からなくなる。

もちろん蔵造りの街並みは素敵だし、観光資源もそれなりにある。代官屋敷の一角にあった「栃木最古の理髪店」はとてもレトロで素晴らしかった。小京都だの小江戸だのこだわらなければ十分に楽しめる街なのだ。

でも、しつこいようだが今日の僕は完全に京都モードなのだ。とてもこのまま帰るわけにはいかない。

 

そうだ、アレがあったじゃないか!

と、僕はここで思い出した。観光協会の方に教えていただいた“清水寺っぽいお寺”「まんがんじ」のことを。


市街から清水寺っぽいそのお寺までは、バスで1時間かかる

目的地へ向かうバスの車内で調べてみたところ、その清水寺っぽいという寺の名前は「出流山 満願寺」。坂東観音霊場めぐりの十七番札所に数えられる由緒あるお寺だ。

海抜360mに位置する本堂から、さらに進んだ奥の院が清水の舞台に似ているというのだ。


道中には石灰採掘場が数多く見られた
荒々しい小京都の側面

で、終点の出流地区(栃木市のはずれ)までやってきた

道中には荒々しくもかっこいい石灰採掘現場がいくつもあって、夢中で写真を撮っていたらあっという間に終点に到着した。ここが出流観音 万願寺の門前だ。

門前にはそば屋がいっぱいありました
時刻は3時30分すぎ、帰りのバスは6時40分。3時間も観光できる

終点で降りたのは僕ひとりだったが、お寺の境内に入ると年配のご夫婦がいらしてちょっと安心した。後で地元の方に聞いたところによれば、休日には結構な参拝客で賑わうらしい。

さすがは清水寺っぽいお寺。人気があるのだ。これは期待できる。


荘厳な門をくぐって境内へ入山する

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