鼻で吹く

　クイズです。口を使わずに笛を吹くにはどうしたらいいだろうか。え、風を使う？ブッブー、全然違います。正解は、「鼻で吹く」です！

　最初に紹介するのは、鼻笛だ。読んで字のごとく、吹き口を鼻に差し、鼻息で吹く。

　「いや、口で吹けばいいじゃない」。って僕もそう思ったのだけれども、鼻で吹くのにはちゃんと意味があるのだ。左の動画のいちばん最後、笛に手を触れてないのに音が変わっているのがわかるだろうか。じつは口にあたる部分にも穴が空いていて、口の形を変えることで空気の共鳴のしかたが変わるため、手を使わなくてもいろんな音を出すことができるのだ。知恵！

ダブルで吹く

　そしてこっちは和音の出る笛。

　吹き口にまずひとつ目の部屋があり、その部屋の壁に、２つの笛がついている。このしくみのおかげで、ひと吹きで２つの音が同時に出すことができる。

水で吹く

　再び問題。口を使わずに笛を吹くにはどうしたらいいだろうか。えっ、鼻？ブッブー、違いまーすー。正解は、「水を使う」です。

　水笛は、ポットを２つつなげた形の楽器。左のポットに水を入れて傾けると、ピヨピヨピヨ、って鳥のさえずりみたいなかわいい音がする。

　原理としては、２つのポットは中でつながっているので、傾けると左のポットの水が右のポットに流れ込む。すると右のポットの中の空気が上についた空気穴から押し出されるのだが、この空気穴が笛になっているため、そこで音が鳴るのだ。

ホース振り回し機

　蛇腹になったホースの端を持って振り回すと、フィンフィンって涼しげな音がするのはご存じだろうか。杉山さんが作ったこの楽器は、それを電動化したものだ。材料には壊れた扇風機を使用。強弱はツマミでコントロールできるようになっていて、それによって音程を変えることができる。

　この温度の低い感じはどことなくエオリアン・ハープにも似た音色だけれども、こちらの方がもう少し柔らかいというか、聴きようによっては秋の虫の声のようにも聞こえる。

　ちなみにホース振り回し機はわかりやすいように僕が勝手につけた名前で、 本当は Wind Rotator というかっこいい名前がついています。

スピリット･キャッチャー

　そしてこちらも振り回し系。楽器の先に糸がついていて、その糸を振り回すことでブォン、ブォン、と低い音が鳴る。虫の羽音のような音といい、振り回すビジュアルといい、風の谷のナウシカに出てくる「蟲笛」を彷彿とさせる。（ちなみにこれとは別に虫笛という楽器も実在します。）

　しかしこのふしぎな音、「精霊捕獲器」の名のとおり、たしかになにかが集まってきそう。むしろ僕も集まりたいくらいだ。でも、うかつに集まると、振り回している楽器が当たって危ないので注意してください。（俺が）