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土曜ワイド工場
 
日本で中国のお金は使えるか?

元が余っている

先週は北京に出張に行っていた。日本に帰って来てから1週間、未だに財布の中に中国のお金「人民元」が入っている。向こうで使い切れなかった916元だ。日本円に換算しておよそ13740円。早く換金してしまいたいのだが、北京の空港で「元」から「円」に戻した時に結構な損をしたので916元は残しておいたのだ。

この「元」を何とかしたい。

銀行で「円」に戻してもらってもいいのだが、どうせなら「元」のまま使ってみたい。日本で「元」を使える場所はないだろうか?

中華街はどうだろう?

横浜の中華街に行けば、「元」で買い物が出来るかもしれない。
東急東横線で中華街に向かった。


余った916元を持って

東横線で中華街へ

渋谷から元町・中華街までは特急で40分程度。東横線がみなとみらい線に乗り入れているので、乗り換えずに1本で行ける。


元町・中華街駅に到着

駅名が「元町・中華街」と中黒で仕切られているように、元町と中華街は駅の反対方向に位置している。「中華街・元町」という名前にならなかったのは何故だろう? 大人の事情だろうか。などと考えながら中華街方面に歩くとすぐに中華街のメインストリートが現れた。

メインストリート沿いは大規模な商店が多く、「元」で買い物が出来る雰囲気じゃない。脇にそれる路地でなるべくアットホームな雰囲気なお店を探す事にした。

まずは飲食店だ。

路地の飲食店で食事をして「元」で支払いをしてみよう。


アットホームそうなお店を探す

1本脇道に入ると、狙い通り小規模な店舗が軒を連ねていた。派手な看板が並んでいて、まさに先週歩いた北京の裏路地のようである。北京の裏路地には変わった食材を串刺しにした屋台とか、色んな雑貨を取り揃える露天などがひしめきあっていて、歩いているとかなり強引な客引きにあってしまう。客引きにいちいちつき合っていると大変な事になるので、なるべく目を合わせないようにしてのだが、露天の中にどうしても気になる物があった。毛沢東グッズである。


毛沢東グッズ各種

毛沢東語録(中国語版)、毛沢東トランプ、毛沢東腕時計、毛沢東灰皿、毛沢東目覚まし時計、毛沢東ピンバッチ。

どれもグッと来たので一通り買ってしまった。
北京に行って気付いたのだが、どうやら僕は毛沢東の顔が好きらしい。

上の写真の他に毛沢東ライターも買ったのだが、それは空港で没収されてしまった。


空港で没収された瞬間



元で食事代を払えるか?

毛沢東ライターを探す前に食事である。
アットホームそうなお店に入った。


店先に手書きのメニュー

メニューを見る

当然、メニュー表示は日本語で値段は「円」である。


定食セット各種

AからDまで、魅力的なラインナップが並ぶ中、Dセットの麻婆豆腐を頼む事にした。麻婆豆腐と炒飯のセットだ。スープとザーサイと杏仁豆腐がついて1030円。いや、約70元だ。

店員さんを呼んだ。


注文しながらコミュニケーション作戦

この時点で「元」での支払が可能かどうかは聞かない事にした。まずは店員さんと仲良くなって、「元」を出しやすい雰囲気を作る作戦だ。注文しながら会話を試みてみた。

「先週、北京に行ってたんですよ」
「あら、そうですか」
「ご出身はどちらですか?」
「上海です」

会話が終わってしまった。北京出身だったら話が盛り上がっていたかもしれない。しかし、店員さんは上海の出身で、僕が北京に行った事など特に興味がないようだった。

作戦失敗である。


行っちゃった

お店の人とのコミュニケーションを図れないまま、あっという間に麻婆豆腐が来てしまった。

まずい。
まだ仲良くなっていない。

とりあえず食べちゃおう。


麻婆豆腐

チャーハン

うまい。
コミュニケーションを図れてないのはまずいが、食事はうまい。


うまい!

これで70元は安いですね。
と、さりげなく「元」の存在を匂わすのはどうだろう?

チラッと店員さんを見ると…、


お金を勘定していた

レジのお金を計算しているようだった。
手元を見ると…、


円!

円だった。
円を数えていた。「元」の姿は見当たらない。

果たして僕の「元」は通用するのか?




 

 
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