果たしてその効果とは
こぼれ自慢はどうでもいい。肝心なのはアタッチメントをつかって飲んでみた感想だ。 やっとのことで待ちに待ったビールをひと口ふくんだあとの彼の表情をみてみよう。
渋いおっさん登場
大好きな生ビールを飲んだ結果のこの顔。ビールの数倍は苦みばしっている。 穴から飲むだけで消えてなくなった生ビールの『生感』。そのことに動揺をかくせない。 なん口か飲んでみる。とぽとぽと、舌の奥のほうに注ぎこまれ、そのまま喉を通過していく泡も甘みも感じさせない生ビール。最初の1杯目だというのになかなか進まない。
戸惑い
いや、検証結果としてみれば、これは成功といえる。
ひと口の量が減る ↓ 同じ量を飲むのに時間がかかる ↓ その間に血中アルコール濃度が上がる
そうしていつもより早い杯数で満足してしまう。それがこのアタッチメントの狙いなのだから。 だとしても、これは早酔いアタッチメントというより、おいしさ奪いとりフィルターとでも呼んだほうがしっくりくる。
ふつうに飲んでもみる
なんだかほろ苦で飲みほした1杯目のアタッチメンタル・ジョッキ。比較のため、2杯目はふつうに飲んでみた。
これだよな〜
うまい。あーうまい。口いっぱいで受けとめた生ビールのなんと甘いことか。唇の上に残る白い泡のなんと楽しいことか。ぐいぐいすすむ。リバウンドだ。 2杯目のビールは運ばれてきてから飲みほすまで12分だった。それに対して、蓋をつけて飲んだビールは最初の1杯にもかかわらず20分もかかっていたのだ。 確かに期待していた効果が数字となってあらわれている。しかし、どうにも釈然としないこのきもち。ぼくがやりたかったのは、こんなことだったのか?
そして3杯目。このきもちを確かめるため、もういちどアタッチメントをつけて飲んでみた。
持ちかたは慣れたもの
ジョッキなのにおちょぼ口で
こんなのダメだ
小さな穴から飲んだ生ビールは、やっぱりぜんぜんおいしくなかった。 ダメだ。こんなのダメだ。アタッチメントをつけて例え少ない量で済んだとしても、それは満足ではない。拒絶だ。 ぼくがやっていたことは、生ビールへの冒涜でしかなかった。
そして4杯目、
ぼくはタッパーの蓋をカバンにしまい、心おきなくビールを味わったのだ。
タッパーのきもちはどうなるのか
というわけで、生ビール早酔いアタッチメントは、ビールがおいしくなくなるという致命的な欠陥を抱えていたゆえに、二度と日の目をみることはなさそうだ。もっともぼくが、中ジョッキでサワーを飲むのが大好きというタイプの酒飲みであれば、結果はちがっていたかもしれませんが。
さて、自分でタッパーの蓋をかぶせておいて生ビールへの冒涜だとかひとり騒いだわけだが、穴を開けられ気密性を奪われたたあげく結果的に悪者にされてしまったタッパーのきもちはどうなるのだろうか。
ペン立てにでも使おうかと思案中です。
最終的にタッパーへの冒涜だった