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ロマンの木曜日
 
明治から続くロケット祭り 朝比奈大龍勢

暗くなってきた

いっしょに見物していたSさんのお友達、Aさん一家がすこしあとから加わって、僕たちも大所帯になった。
気がつくとあたりは暗くなってきた。
夕暮れに大龍勢が打ちあがり、薄むらさきの空にきらきらとした光がきれいだ。
僕はすこし酔ってきて、やぐらで火花を散らしながら空に飛ぼうとしている大龍勢を、何割か増しできれいだなと感じていた。


発射寸前の火花がきれいになってきた

夕暮れに映えるなあ

夜の部へ

日没時間を過ぎて、朝比奈大龍勢は夜の部にはいった。
龍勢ではない普通の花火が打ちあがり、会場はより祭りモード、というか宴会モードが色濃くなった。
僕に最初に声をかけてくれたSさんが用事がある(自分のバンドのライブがあるらしい)と帰っていき、入れ違いのようにAさんのお友達のOさん一家がやってきて、いままでの状況に輪をかけて「知らない人」との宴会になった。
「知らない人」なのだけど、一緒に大龍勢を見ながら話をしていると、そのことをすっかり忘れてしまい、僕も生まれつき大龍勢を見て育ったような、そんな変な感じになっていた。


大龍勢も花火もきれい

宴たけなわ

このへんからなんだかよくわからなくなってきた。
飲みすぎて記憶がないというのではなく、周囲の状況が、理解できなくなってきたのだ。
花火とロケットがあがる知らない町の暗闇の屋外の宴会場で、初めて会った人たちと飲んでいるというシチュエーションが、あまりにも非現実的すぎて、よくわからない。
大龍勢はきれいだし、花火もきれいで、お酒も料理もおいしくて、とてもたのしいのだけれど、夢の中にいるみたいな感じだ。

となりのおじさんと花火
楽しすぎて抜け殻みたいになっている

それでも大龍勢

これはまさしく You say 大龍勢だ。
いや、取材メモに書いてあった言葉だ。
今となってはさっぱりわからないが、このときはそう感じたのだ。
僕だけじゃなく、会場は全般的に酔っ払ってきているのだが(かれこれ8時間くらい飲んでいるのだから)、それでも大龍勢の打ち上げのときはみんなそちらに集中する。


ちゃんとみんな見ている

そして飲む

静岡の人は陽気で酒飲み

たまたま偶然近くにいた地元の人たちといっしょにお酒を酌み交わすというのは、海外をタレントが旅行するテレビ番組みたいだが、べつに南米とかシルクロードに行かなくても、そしてあらかじめロケハンと称したネタ仕込みのスタッフが赴かなくても、実際にこういう風に受け入れてもらえることがあるというのがうれしかった。
そして夜の大龍勢もきれいだった。

ちいさな光の下一つ一つがみんな宴会

祭りのあと

祭りの終わりあたりは、焼酎をいただいてしまい(うまかった!)、ちょっと記憶がおぼろげだ。
最後の大龍勢が打ちあがるころには、会場が人で埋め尽くされていて、昼間は少なかった若い人たちも、昼間からいたおじさんたちも、同じように祭りを楽しんでいた。


帰りのバスへと向かう人たち

次は再来年です

ずいぶん長いお祭りだったが、見ず知らずの僕を仲間に入れてくれたみんなのおかげで、気がつけば終了の時間になっていた。
帰りはお酒を飲んでいなかったOさんの奥様の運転で、焼津駅まで送ってもらった。
朝比奈大龍勢というのは、単にロケットを打ち上げるお祭りではなくて、地域の人たちの交流の場なのだろうが、地域の人じゃない僕も交流してしまって、なんと懐の深いいいお祭りなんだろうと思った。
途中、みんなで記念写真を撮ったのだが、僕はとても楽しかったらしく、普段はとらないようなポーズをしていた。

この場を借りて、みなさんありがとうございました

 
 
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