いろんな踊りでヒートアップ
久米仙人おどりの開始時刻である1時近くになると、なにやらわらわらと人が集まってきた。どうやら踊り手のみなさんが集合しているようだ。
盆踊り風の服装をした女性たちが踊りの打ち合わせをしてる。そんな中、どうも違う服装の人がいる。上の写真の中央にいる写っている人がそうだ。
どうやら久米仙人を模した格好をしているらしい。確かにそれっぽさが出ている。
久米仙人役の方は3人ほどいらした。伝説通りに男性が扮している久米仙人もいたが、他のおふたりは女性だ。いずれも杖を持つなどして雰囲気があるが、この杖はのちに意味のあるアイテムになってくる。
そして踊りの始まりだ。「月がー、出た出たー、月が出たー」でおなじみの「炭坑節」のメロディが流れてくる。替え歌で「久米寺ー、よい寺ー、古い〜寺」という歌詞の「久米仙人おどり」でみんな一斉に踊り出す。
踊っているみなさんの素性はわからないのだが、相当躍り込んでいるな、という印象の踊り。柔らかく、かつ、シャープなのだ。
その後も「ソーラン節」や「佐渡おけさ」などの日本各地の民謡に合わせて踊りが続いていく。そして曲によっては、久米仙人が登場するのだ。
踊りの輪のあたりをうろうろと歩く久米仙人。しばらく様子を見ていたと思うと、おもむろにある踊り手の後ろに回り込む。そして持っていた杖で、着物の裾をたくし上げたのだ。
なるほど、これが久米仙人役の仕事なのだ。スケベ伝説に基づいて、ちらっと裾を覗くという演出であるわけだ。
積極的に裾を狙っていく久米仙人。具体的なエロスがそこにはっきりとあるわけではなく、ユーモラスでかわいげのある演出だと思う。
裾をめくるだけでなく、曲によっては仙人も輪に混じって踊ったりもしていた。このあたり、割と自由な感じなのだと思う。
ここまで書いたものをご覧なると、久米仙人まつり盛大に開催中!っぽく見えるのかもしれない。踊りは確かに見事なのだが、全体としては実は盛大でもなかったりする。
ギャラリーは10人いるかいないか、というくらいの感じ。それでも曲はどんどん続き、踊り手のみなさんはひたすらに踊りまくる。人が見ているかどうかなどは関係ないのかもしれない。
当日は10月とは言え、普通にしていても汗ばむくらいの気温。これはかなりハードなのではないか。
まだまだ踊りは続くらしい。見ているだけでも疲れてきたので、ちょっとミスドにでも行って休憩してこよう。