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フェティッシュの火曜日
 
本の表紙を手作りした〜「妄想工作」出版します!〜


これが件の表紙だ!まさに妄想。

私事で恐縮ですが、このほど、本を出版することとなりました。
タイトルは「妄想工作」。11月25日に廣済堂出版から発売されます。1260円(税込)です。ひとえに、応援していただいた皆様のおかげでございます。

内容は、デイリーポータルZでの連載の中から工作・手芸モノの記事を集め、さらに書き下ろし記事やリベンジ工作も加えたもの。いやあ、お得だ。

出版が決定してから今日まで、発表できる日を今か今かとずっと待ち構えておりました。

私「もう、そろそろ、ブログとかで、言っちゃっていいかな?えへへ」
編集「いえいえ企画会議通ったばかりじゃないですか!まだ内密に!」

などと、お菓子に手を出してはピシャッ!と手の甲を叩かれるカツオのごとく、たしなめられたりしてました。

本の表紙も決まり、やっとこのように告知できる運びとなりました。というわけで今回は、その表紙作りの様子をお伝えしようと思います。本の表紙って、こう作ることもあるのかーと思っていただければ。もちろん宣伝したいからでもあります。

乙幡 啓子



デザイナーさんの手足として その1:著者像撮影

さて、タイトル「妄想工作」。編集担当から出た案としては他に「再現する女」、私からの案としては「女工作員」など出たが、一番具体的でしっくりくるものに決まったと思う。

そして上右がその表紙だ。

ブックデザインは芥(あくた)陽子さん。数々の斬新な作品を世に送り出してこられた、注目のブックデザイナーである。

当初拝見したデザイン案では、方眼紙にシンプルかつ大胆なオレンジ色のレタリングで「妄想工作」と描いてあった。なかなかキマってる。が、入稿もクライマックスとなり多忙を極めたある日。編集が家に来るなりこう言った。

「今から乙幡さんの写真撮ります、そんで、表紙も乙幡さん、手伝いますんで一緒に作りましょう!」

え、実写??


思いっきり和室の中で
思いっきり白熱色の蛍光灯の下で
ときにはベランダに出て
「それは何か、たくらみ過ぎです。」

全貌のわからぬままに、髪を整え、化粧しなおし、
「乙幡さん、片手を頬に添えて、中空を見上げてください!」
と何十枚も撮影。その中から選んで現像し、写真を直接切り抜いて配置したのが扉の写真の片隅だ。そう、例え背景は和室でも、こうやって切り抜くからオールOKなのだ。

ぽわわーんと妄想している。妙齢の女が。

 

その2:文字工作

次は、文字だ。各文字を、工作・手芸系手法でもって作成し、カッティングボードに並べてそのまま撮影しようということに。うんうん、なんだか懐かしい感じも漂うアートワーク。いいんじゃないか!


芥さんの元デザイン。ちょっとしたところがやっぱ何だか違う。プロですわ。

カッティングボード以下、材料を調達。なぜグミが?!
ラフを切り取って、油性ペンで下書き。
アルミ板を、ピンキングバサミで切るという無謀な!
ついた下書きの跡は、マニキュア除光液で消そう。

おわかりの通り、一番簡単な「工」の字を、一番やりにくそうなアルミ板(2mm厚)で切り抜く(この工程は本にも収録の「声を固める」に出てきます)。痛たた、痛たた、言いながら素手でやり抜いてしまった。せめて軍手ははめましょう。そしてピンキングバサミは、金属を切るものではありません。

一方最難関は、そう、「想」。これは発泡スチロールでスイスイーッとやらせていただく(ここらへんは「声を固める」他、、魅惑の発泡スチロールカッターも出てくる「発泡スチロール切り芸寄席」に詳しいです)。


なるべく無駄の出ない配置で。エコだねぇー。
繰り返すがなんと気持ちのいい工具であることか!
ポスカでわざとムラを残しつつ塗ります。
店頭ポップかと見紛う出来!

それよりも、だ。次の2つは文字の構造から来る難易度というより、こんな材料を選んでしまったがためのイバラ道が待っていた。


というわけで「妄」は編み物。編みぐるみ他参照ネ!
1画1画、編み方を変えるという細やかな心遣い。それが幾多のやり直し作業の元となる!
グミ(「グミ好きならやってみたいこと」)はいろいろと買ってきたものの・・・かなりの難産。
しかもよりによって使いにくい形!色だけで買ってしまったものでして!

グミの組み合わせだけで、1時間以上もの苦闘を繰り広げてしまいました。グミで文字、無理じゃん?

などと編集と諦観モードになり、途中で材料を食べてしまいつつも、いろいろと組み替えて・・・なんとかできたかな、というのがこちらの写真。


まさに妄想。

と、そのとき。編集に、デザイナー芥さんから電話が入る。何かいろいろと指示を受けている。電話が終わって私のほうに向き直り、

「ワタ、ありませんか?」


ああ、フキダシだったのね、ワタ。

このように最後の最後まで試行錯誤していただいた結果が、「妄想工作」のあの表紙である。もちろんこのままで完成ではなく、デザイナーやカメラマン、編集が、撮影時や加工時に微調整を重ねた末にあの表紙ができたわけだ。もの作りのプロの仕事、見習わなくてはと切に思いました。

 ※ちなみに、上の写真と、完成した表紙とでグミの種類が違うのは、できあがったグミを私が編集に渡しそびれたから。すまん。

というわけで・・・楽しい表紙の他、これまた楽しい装丁、そして記事も修正・加筆・ご新規、アレとアレのリベンジ、あの人と工作対談、そして試験に役立つ年表など、愉快きわまりない内容となっております。どうぞよろしくお願いいたします!

来週からは通常の記事に戻ります。

妄想工作


 
 
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